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Album Review: レーベル移籍後第一弾アルバム“本当の自分”を表現したレオナ・ルイスの5thアルバム『アイ・アム』

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 ロンドン出身、スラっと伸びた抜群のスタイルと、吸い込まれるような瞳が印象的な、エキゾチックなルックスで人気を博した、レオナ・ルイス。2007年、アルバム『スピリット』でデビューし、英国中心に大ヒット。翌年には、本作からの先行シングル「ブリーディング・ラヴ」が各国でNo.1をマークし、アメリカでは年間チャート2位に輝くという、まさにリアル・シンデレラストーリーの実現、世界に誇る女性シンガーの代表格にのぼりつめた。

 デビュー・アルバムのセールス、インパクトに押されがちだが、2nd『エコー』(2009年)、3rd『グラスハート』(2012年)の楽曲クオリティも高く、デビュー作の路線がそのままの形で踏襲され、ブレイク翌年に訪れたEDMブームに則らなかった芯の強さも、レオナの魅力。旧態依然というわけではない、スタイルを変えないことこそ、彼女の魅力なのだ。

 さて、本作『アイ・アム』はオリジナルとしては『グラスハート』以来、およそ3年ぶりとなる新作で、ソニーからアイランド・レコードへの移籍後初のアルバムとなる。移籍に関しては昨年秋、インスタグラムでファンに宛てた手書きのメッセージで発表。どうやらその間、レオナ自身悩みに悩んだ時期だったとのことで、本作は、そういったセンシテイヴな心証を作品で表現するために生み出されたアルバム、といってもいい。タイトルからも、“ありのままの私”的な、そんなニュアンスがうかがえる。

 アルバムのリリースにあたり、すでに3曲のシングルがリリースされている。アルバムの冒頭を飾るのは、ドイツ出身のコンポーザー、トビー・ガッドとの共作「サンダー」。アルバムのラストを締めくくるかのような、壮大で美しいバラードで、レオナの本領発揮ともいえるこの曲を、1曲目に置くことこそ、本作への意気込みと捉えよう。意表をつかれたのは、それだけではない。1stシングル「ファイアー・アンダー・マイ・フィート」では、これまでのイメージを払拭するかの如く、サウンド&ヴォーカルがファンキーにハジけ飛び、ラジオから流れてきた時は、レオナ・ルイスとわからなかったほどだ。

 “強い意志”の表れか、これまでの4作にはない、情熱的で力強い歌声が聴きとれる。「ああ、レオナ・ルイスってソウルシンガーだったんだなぁ…」と、思わせるほどだ。とはいえ、透明感ある、ヴィジュアルと比例したあの美声は健在であって、ガナり声が売りの、凡百のシンガーになってしまった…というわけではないので、ご安心を。このヴォーカルワークの変化こそが、新境地でスタートする、大きな意思表示となったのではないかと思う。

 ブレイクした作品のセールスが大きすぎると、それを追い越すのは安易なことではない。レオナにとっても、『スピリット』の大成功が、ある意味重しになってしまったが、これらの曲を聴くかぎり、なにか吹っ切れたようにも思えるし、過去の作品を凌ぐ作品になったのではないかと思う。

Text: 本家 一成

◎「Thunder」MV
https://youtu.be/FfYC6HgiQ-c

◎リリース情報
『アイ・アム』
レオナ・ルイス
2015/09/11 RELEASE
2,646円(tax incl.)

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