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思い出の「おとうさんのおすし」を再現したら子どもたちが爆食乱舞!

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今でも思い出すお父さんのあのお寿司

僕の奥さん、アッコさんが時々懐かしそうに語るのが「おとうさんのおすし」。それはアッコさんの子供時代、今は亡きお父さん(カゲゾウにとっては義父)が三人の幼い兄弟のために握ってくれたお寿司のこと。

時代は昭和。「男子厨房に入らず」を旨とする男たちが多かったこの頃。お父さんもご多分に漏れず台所に立つことなどまずなかった。また世界を飛び回る営業マンだったため(なんでも海上で石油を発掘するためのプラットホームの営業をしてたんだって)海外出張も多く、日本にいても接待で夜遅く帰宅する日々。

 

お父さんが握ってくれたんだもん、おいしいに決まってる!

そんなお父さんがたまの休日に家族にふるまってくれたのが握り寿司。接待で使っていた銀座の店からわざわざ寿司下駄までゆずり受け、見よう見まねで握ってくれたんだって! ちなみにネタと酢飯の下準備まではお母さんだったらしいけど(笑)。

寿司屋の大将よろしく「いらっしゃい、何にします?」と子供たちにリクエストを聞くお父さん。料理には不慣れだから握るシャリ玉はおにぎりよりは小さかったけど寿司としては大きいサイズ。でも握った先から兄二人と競うように食べた「おとうさんのおすし」は今でもアッコさんの心に残るとっても大切な思い出。

「おとうさんのおすし」か。うん、なんかだかとっても良いな。自分たちにも子供ができた今、マネをしてみようかな。よし! 自宅でお寿司屋さんを開店するぞ。

 

開店にいたるまでのアレコレ

アッコさんの実家に聞いてみたら、なんとお父さんが当時使っていた寿司下駄がまだ保管してあった! もちろんこれをゆずり受けてきました。

続いてはネタ。こちとら素人なので切るか載せるだけでOKのネタ中心に準備。マグロを2サク(うち一つはさっと湯がき、水にくぐらせて霜降りにしたあとズケに)。他、サーモン、スズキ、カニカマ、ホタテ、ウニ。玉子焼きだけは砂糖とみりんを効かせた自家製を用意。シャリはまぜるだけでOKの寿司メシの素を利用。今回は「美濃特選すし酢」を使ってみました。

寿司なんて握ったことはないので、動画サイトにて「寿司の握り方」を検索。ふむふむ、むずかしそうだけどなんとかなるだろ。おっけー、準備は整った。飲み物や海苔の準備は女将のアッコさん。対面式キッチンを寿司屋のカウンターに見立て、さあ、今から開店でござ~い。

 

へいらっしゃい、ここはおとうさんのおすしやです

お客様は6歳の長女エッカちゃんと、3歳の次女あーたん。0歳の長男おーちゃんは、残念ながら見てるだけ。

エッカ「こんばんは、ここはお寿司屋さんですか?」
あーたん「こんばんは、ここおしゅしやしゃんですか?」
パパ大将「へいらっしゃい! ここはおとうさんのおすしやです。ご注文どうぞ」
エッカ「マグロおねがいしまーす!」
あーたん「いくらおねがいしまーしゅ!」

 

ネタはあらかじめ切ってあるので、マグロは載せるだけ。いくらは軍艦から作るからちょっと手間がかかるけどね。

 

パパ大将「へいおまち!こちらマグロ、こちらいくらです。」
エッカ「わー! やったー!!」
あーたん「きゃー!!!」

歓声と共に一瞬でニギリを口に放り込む。子供ってお寿司好きだよな~。

 

パパ大将「はい、次は何にしましょう。」
エッカ「いくらおねがいしまーす!」
あーたん「マグロおねがいしまーしゅ!」

 

おう、食いねぇ食いねぇ寿司食いねぇ! ガンガン注文しちゃってよ~。ただいくらは濡れた手で海苔を扱うから作るのがちょっと……ね。

パパ大将「へいおまち、いくらと今度はズケまぐろでございます。」
エッカ 「いぇーい!」
あーたん「わーい!!」

また一瞬でパクリ。お寿司ってホント子供の大好物だよね。

 

パパ大将「はい、はい、まだまだ握りますよ~。ご注文をどうぞ!」
エッカ「マグロおねがいしまーす!」
あーたん「いくらおねがいしまーしゅ!」

 

うん、マグロといくらね……、ってヲイ! 他のネタも喰え!

ああ、いかんス。子どもにはお好みはまだ早過ぎた。欲望のまんま同じネタばかり食べていく。次回からはお決まりすんからな。いくらがそんなに人気あるとは思わなかったからちょっとしか買ってないんだよう、このままだととーちゃんとかーちゃんの分がよぉ……。でも逆にウニは人気がなくて、あとでたっぷり食べたけどね。

他のネタも「本日のオススメだから」って強引に出したけど、まあ、子供たちの食べること食べること。いつもは子供ちゃわんでお米を残すときだってあるのに、この日は姉妹だけで2合近くをペロリ。おそるべしお寿司パワー!

子供にしてみると、お寿司屋のカウンターで食べるという疑似体験がテンションをあげるようで、わざわざおもちゃのお金を持ってご来店。オアイソもしっかりいただきました。子供たちのはしゃぎぶりや喜び方をみていると、「おとうさんのおすし」はどうやら大成功。小さいお子さんのいる方にはホントおすすめです。

 

その後のちょっとした出来事

「おとうさんのおすし」をした数日後、実はちょっとした後日譚がありまして、それはアッコさんが再び実家に帰ったときのこと。

今はもう使われなくなったピアノの上にそれはありました。ずーっと昔から飾ってある家族の集合写真。そこには若き日のお父さん、お母さん、母方のおじいちゃんとおばあちゃん。そしてまだ幼いアッコさんと二人のお兄さんが収まっている。

その写真の下部に見切れていたのはなんと「元祖おとうさんのおすし」。アッコさんもその時まで写真のお寿司の存在を認識しておらず、自宅でお寿司屋をやったことではじめて気が付いたという次第。ひょっとしたら、天国のお父さんが導いてくれたのかもしれないな。

お父さん、あなたの孫たちもお寿司が大好きな子に育っていますよ。

 

書いた人 飯炊屋カゲゾウ(めしたきやかげぞう)

1974年生まれの二女一男のパパ。共働きの奥さんと料理を分担。「おいしいものはマネできる」をモットーに、料理本やメディアで紹介されたレシピを作ることはもちろん、外で食べた料理も自宅で再現。家族と懐のために「家めし、家BAR、家居酒屋」を推進中。「双六屋カゲゾウ」名義でボードゲーム系のライターとしても活動中。

カテゴリー : グルメ タグ :
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