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想定外の大ヒットとなったThe Cureの超内省的な名盤『Disintegration』

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1978年にイギリスで結成され、アメリカでも大成功をおさめたThe Cure。英国のバンドが米国でブレイクするのが決して簡単なことではないのは音楽の歴史が証明しているが、彼らはキャッチーなメロディー、ニューウェイブ仕込みのダンスサウンドで1980年代後半から1990年代前半にかけてアメリカでも大人気に。あれよあれよと言う間にスタジアムクラスのバンドになってしまった。そんなThe Cureの名盤は選んでみると予想以上に難しい。オリジナルアルバムではないけれど、初期のエレポップ感満載の踊れるナンバーを満喫したいなら、1982年から1983年にかけてリリースされたシングルを編集したアルバム『Japanese Whisper』がお勧めで、実際、こういうダンスポップな側面がなかったら、The Cureは世界的成功を果たしていなかったのかもしれないとも思う。そして、同時に彼らはゴシックで内省的な面を合わせ持つバンドでもある。迷いに迷った結果、秋の夜長にじっくり聴きたいという意味も込めて全世界で300万枚という大ヒットを記録したダークサイドの『Disintegration』を紹介しよう。

ロバート・スミスの神経症的キュートな魅力
The Cureと言えば、やはりロバート・スミスの存在を抜きには語れない。というか(メンバーチェンジも頻繁だったし)、ロバート・スミスのワンマンバンドだったと言っても過言ではない。一時はスージー&ザ・バンシーズ(ギタリスト)と掛け持ちしていたこともあり、結果、The Cureを選んだというエピソードも有名だ。ロバート・スミスの魅力はキャッチーでロマンティックなメロディーと神経質そうで、どこか儚げなヴォーカル、道化師のような独特なメイクと数えたらキリがないが、日本では決して人気が高いバンドではなかった。しかしながら、熱狂的なファンは数多く、特に日本のバンドに与えた影響は計り知れない。見た目からして明らかに異端なロバート・スミスの孤独で棘とセンチメンタリズムに満ちた世界観は多くのアーティストを惹き付け、どこかキュートなキャラクターから女子にも“かわいい”と愛されていた。ちなみに、いつ頃だったか忘れたが、レコード会社が“ロバちゃん人形”なるロバート・スミスのフィギュアを作ったのを見て「これは傑作だ」と思った記憶がある。美しかったロバちゃんもやがて、ぽっちゃりになってしまうのだが、初期の楽曲のMVはどれもアートワークが面白いのでぜひチェックしてみてほしい。

アルバム『Disintegration』
『Kiss Me,Kiss Me,Kiss Me』でメジャー路線を突き進み、世界的な成功も目の前という時に、周囲の期待を裏切り、原点回帰とも評されたダークでゴシックな世界を全面に打ち出したアルバムである。開放感あふれる真夏に聴いたら、エアコンの効いた部屋から一歩も出たくなくなる恐れがあるぐらい内省的な楽曲の数々があふれ出してくるが、レコード会社は「こんな売れなそうなアルバムは勘弁してくれ」(と言ったかどうかは知らないが)と反対するもののリリースしてみたら想定外の出来事が起こり、本作は大ヒットを記録。アメリカでのこの成功が引き金となり、9枚目のオリジナルアルバム『Wish』は全英1位、全米2位のビッグヒットを記録することになるのである。冒頭にも書いたがThe Cureは多面的な魅力を持つバンドである。本作のメランコリックで陰鬱でゴシック且つサイケデリックな音楽性が苦手な人には、キッズでも踊り出したくなるシングルヒットをお勧めする。

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