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急成長する東アフリカのエチオピアが「中国サイコー!」と絶賛する理由

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東アフリカのエチオピアに対して日本人が抱くイメージといえば、かつて大飢饉によって多くの餓死者と難民を生み出した悲劇。しかしそれも30年前のことで、ここ10年間は年およそ10%の経済成長を記録し、大型ショッピングモールでは人々が旺盛な購買意欲を見せていた。

8月18日放送の「未来世紀ジパング」は、ジャーナリストの池上彰氏が急成長するエチオピアを紹介していた。この国の工業団地には、アジアや欧州の製造業15社が進出。EU向けの衣料品を作るトルコの「アイカ」は、8000人のエチオピア人従業員を抱え、H&Mも3年前からエチオピアに進出している。
魅力は格安の人件費「仕事をもらってうれしい」

働く女性のひとりは、月給は6500円と明かした。進出企業にとってエチオピアの一番の魅力は労働力。世界的に賃金が上昇する中で、1か月の平均賃金は約5000円とアジア最貧国といわれるバングラデシュよりも安い。アイカ生産本部長のピュラジンゲさんは、生産現場の世界情勢を次のように語った。

「ヨーロッパから始まってアジアへと、世界の工場は常に動いています。そして今、中心になろうとしているのが、アフリカ大陸のエチオピアです」

いまエチオピアは、中国による大規模インフラ建設が急ピッチで進んでいる。首都アディスアベバにある新しいアフリカ連合本部の建物は、2012年に中国政府が総工費約150億円の全額を負担して建設した。

国債空港の拡張工事やなぜか信号がない幹線道路、渋滞を解消するための交通システムや東アフリカ初の高速鉄道など、工事のほとんどに出資するのが「中国輸出入銀行」だ。中国政府が100%出資し、主にアフリカへのインフラ投資を行っている。東アフリカ初の高速道路も去年開通した。

総工費4800億円の高速鉄道は10月開通予定で、隣国ジブチまでを結ぶ計画だ。工事の肉体労働はエチオピア人を雇って行われていた。これまで現地の雇用を図ってこなかった中国が、やり方を変え始めたのだ。働く人たちは「仕事をもらってうれしいよ。中国サイコーだよ」と話していた。
池上彰「日本のために造ってくれている、と考えればどうですか?」

街の人たちも「中国はとてもいい仕事をしてくれている。これからもエチオピアの発展に貢献してほしい」「お互いにとって大切な国よ」と親中ぶりを語った。

池上氏は、これらの投資は中国が主導する国際金融機関アジアインフラ投資銀行「AIIB」への布石であることを指摘。中国が陸路と海路で世界をまたぎ、欧州まで道をつないで経済連携を強めようという狙いがあるとの解説をした。

この動きに対して日本は太刀打ちできるのか、MCのシェリーが問うと、池上氏は「中国が鉄道や道路を日本のために造ってくれている、と考えればどうですか?」と提案した。

インフラが整備されれば、日本は自動車や物流ネットワークを提供でき、東南アジアで生産するものをアフリカで売れるというわけだ。日本からも、2年前に進出した高級皮製品の衣料品メーカー「ヒロキ」を紹介していた。

野生のマントヒヒが生息する原生林の中にあるコーヒーは、他にはない芳醇な味わいがある。農家を指導して良質な豆のだけを選別し、「森林コーヒー」としてブランド化。日本へ輸出することで、農家の収入アップにもつながったという。

殊更に「日本のために」などと対抗心を煽らなくてもいいと思うが、中国が想像以上にアフリカに肩入れしている様子で驚いた。それだけに「世界の工場」として、エチオピアが成長し投資の対象として優良な国と見られていることがよくわかった。(ライター:okei)

あわせてよみたい:世界に進出する日本の「鉄道ビジネス」
 

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