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人の行動をデザインする「ゲーミフィケーション」

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ゲーミフィケーションとは、ゲームの仕組みや楽しさを日常生活のいろいろなところに組み込んでいく考え方を意味する。よく挙げられる例が夏休みのラジオ体操だ。スタンプの数を競い、皆勤賞とノートなどの景品を目指し、結果、休みだからといって朝寝坊しない規則正しい生活習慣を手に入れる。この例からもわかるとおり、ゲーミフィケーションは昔からある考え方であり、わざわざ意識しなくても、いたるところで行われている。

では、なぜ今になって、ゲーミフィケーションがあらためて注目されるのか? それはスマートフォンをはじめとするデジタル端末の普及により、SNSやライフログが、かつてなく低コストになったからだ。そのため、日常のいろいろな場面にゲームの仕組みを展開しやすくなったし、ゲームを通して人の行動をデザインすることもやりやすくなった。

たとえば、少し前に、ある女性ファッション誌が、「週末、SNSに投稿するために話題のベーカリーへおいしいパンを買いに行く」的な見出しを掲げて、ネットで話題になったことがある。SNSで「いいね!」をもらうためにアクティブになること自体は、多かれ少なかれSNSユーザーなら身に覚えがあるはず。だとすれば、これもまた、ゲーミフィケーションの効果になるのかもしれない。

もう少しわかりやすい例を紹介しよう。ランナーに人気のNIKE+という無料アプリは、ランニングを継続習慣にするために、ゲーミフィケーションを取り入れた機能がこれでもかと実装されている。まずは基本だが、NIKE+を起動すると、走った距離、ペース、タイム、消費カロリーを記録して、リアルタイムで音声フィードバックしつつ、データをネット上のクラウドで管理することができる。これだけでも、毎日走ろうというモチベーションを維持するのには十分に思えるが、NIKE+ではさらにGPSログを組み合わせて、地図上に走行ルートとランニングペースをアニメーション表示したり、SNSで走行データを友人と共有して競うことができる。要するに、走れば走るほど楽しくなるように設計されているのだ。

こうしたゲーミフィケーションを企業のシステムに取り組もうという試みもされている。その際、参照されることが多いのがディズニーの従業員教育だ。良いパフォーマンスをするとカードを渡され、集めたカードの数に応じて特典が与えられたり、それぞれの長所に合わせてバッジを与えられたり。これは飲食業などのサービス業全般で取り入れやすい仕組みだろう。ほかにも、社内SNSや営業成績によるゲーミフィケーションの報告があるが、社員向けであれ、顧客やユーザー向けであれ、ゲーミフィケーションはあくまでそのターゲットの満足度を上げることが目的だ。そのため、今後はゲーミフィケーションを設計し、導入する技術について、これまで以上に問われていくことになるだろう。

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