聞いて驚いた話(フクロウの耳の穴)

access_time create folder生活・趣味
シバログ

今回は柴田佳秀さんのブログ『シバログ(科学ジャーナリスト柴田佳秀のブログ)』からご寄稿いただきました。

聞いて驚いた話(フクロウの耳の穴)
3月1日は児童向けの鳥の図鑑の会議があった。
そこで監修の方にうかがった話で驚いたことがある。

よくフクロウは、音源を定位するために左右の耳穴の位置が上下にずれていると説明される。しかし、骨格を見ると耳の穴の位置は人が見たくらいではわからないほどしかずれていないのだという。
写真を見せてもらったが確かにほとんど同じであった。

では、なんでこんな話になったのか。
どうもキンメフクロウはずれているらしい。それがフクロウ全部に一般化されてしまったのだろう。

たしかに魚を捕るシマフクロウはずれていてもしょうがない。昆虫を食べるアオバズクも音で狩りをしないから、音源定位の必要がない。

フクロウの場合は、多少はずれているらしいので音源定位には役立っている可能性はあるが、やはり視覚が重要なのであろう。

本を読んだだけで実物を確かめないと危険であると思い知った。
自分の過去の文章にもフクロウの耳のズレの話はずいぶん書いてしまった。

そういえばアメンボでも似たような話がある。

ものの本にアメンボは、求愛するときに足で波を起こすと書いてある。
しかし、そんな行動をするのは私が知る限りではオオアメンボくらいである。
ごく一般的なナミアメンボをいくら観察しても波なんか起こしている様子はない。
オオアメンボの行動をアメンボに一般化してしまい広まったのだろう。

種が違えば行動も違う。形態も違う。これは考えてみれば当たり前だが、どうも簡単、単純化してしまう。これはよくない。
自戒の念を込めて。

執筆: この記事は柴田佳秀さんのブログ『シバログ(科学ジャーナリスト柴田佳秀のブログ)』からご寄稿いただきました。

■関連記事
これからは“ソーシャルブロガー”が主役に躍りでる理由
『Xacti』ブランドは2012年4月で消滅! 名称はともかく遺伝子は受け継がれるか?
おいガチャピン! お前、日本トップクラスの『Twitter』フォロワー数誇るんだから『Facebook』やれ! コンサルもできるぞ
もしも“カレー無料法”ができたら
“危険な書き込みチェッカー”が就活生必携ツールになる日

  1. HOME
  2. 生活・趣味
  3. 聞いて驚いた話(フクロウの耳の穴)
access_time create folder生活・趣味

寄稿

ガジェット通信はデジタルガジェット情報・ライフスタイル提案等を提供するウェブ媒体です。シリアスさを排除し、ジョークを交えながら肩の力を抜いて楽しんでいただけるやわらかニュースサイトを目指しています。 こちらのアカウントから記事の寄稿依頼をさせていただいております。

TwitterID: getnews_kiko

  • ガジェット通信編集部への情報提供はこちら
  • 記事内の筆者見解は明示のない限りガジェット通信を代表するものではありません。