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AKB48卒業生の囲碁ドル アニオタが碁にはまった理由とは?

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 AKB48、SDN48の卒業生でもあるタレントの戸島花さん(27)が日本棋院から「囲碁大使」に任命されたのは、昨年12月のこと。囲碁の腕前は、「初段を目指してがんばっている」(戸島さん)という。

 バリバリのアイドルだった戸島さんはどうして囲碁を始めたのか。それはなんと、戸島さんの本性(?)がオタクだったからなのだそう。

 戸島さんが碁と出合ったのは、中学1年生のとき。マンガ『ヒカルの碁』を読んで、興味を持った。

「黒石と白石が盤上に並ぶと、その織りなす形が絵みたいでとってもきれいだったので。マンガの中でヒカルも碁のことを『宇宙だ!』というのですが、まさにそんな感じです」

 碁盤の上にはドラマがある。碁は人生だという人もいれば、宇宙という人もいる。しかしそれは、碁を深く知ることによってなんとなく理解できてくる。初心者のうちにそれがわかった戸島さんは勘がよく、碁に対する感覚も優れているようだ。本人も「感性に助けられてここまできた」と振り返る。

 梅沢由香里五段の入門書を買ってきて、ルールを2日で覚え、3日目にはもう打ち始めていたというから、もともとの頭の良さがあったのだろう。

 中学は女子校で進学校。友達は「オタク」チームと「ギャル」チームがあって、マンガ好きの戸島さんはオタクチームだった。ちなみに理想の男性のタイプは俳優の渡瀬恒彦だそう。なんと渋い趣味なのか。おまけにその好みは小学生のときからぶれていないという。

「ヒカルの碁」のブームで、学校の中でも周りには碁を打つ友達がいくらでもいた。「紙に鉛筆で線を引いて即席の碁盤を作り、黒石と白石を書き込んで打っていました」

 中学2年のときには学校で囲碁部を作ったというから、行動力もすごい。「最初は4、5人で、一番多かったときは10人になりました」。理事長室で理事長先生に打ってもらうこともあったそう。

 当時は人見知りが激しく、碁会所というところにはあまり足が向かなかったが、中学2年生のとき、初めて友達とふたりで囲碁サロンに行ってみた。アニメの聖地である池袋に行ったついでに寄ったのが、「サンシャインシティ囲碁サロン」。偶然にもこの日、インタビュー会場として使わせてもらった囲碁サロンだった。

「ここは女子中学生が入りやすかった。まずきれいなところで、タバコの煙もないのは絶対条件。料金が外に貼ってあるのも大事です。外から中が見えないのも不安で入れません。ここ、サンシャインシティ囲碁サロンはでやさしく教えてもらった記憶があります」

 囲碁大使として、女性目線でのしっかりとした意見も聞かせてもらえた。

 子どものころ、やりたいことはなんでもやらせてもらえたという。「水泳、ピアノ、体操、書道、塾。そして中学生のころは進学校だったこともあり、勉強中心の生活でした」と戸島さん。

 しかし高校2年でAKB48に入り芸能の仕事を始めて忙しくなり、高校は卒業するのが精一杯。1年遅れで大学に入ったが、堅実な仕事を望んでいた親には申し訳なく思っていたと打ち明ける。

「NHKの囲碁番組の司会をしたい」と、ずっと言い続けたのは、囲碁が好きというのももちろんあったが、「教養が深められる番組に出ていると、親も安心するので助かっています」。

 囲碁棋士の知り合いも増え、芸能界での囲碁交遊も増えてきた。アンガールズの田中卓志さんとは番組で対局した。NHK囲碁番組・司会の先輩でもある俳優の辰巳琢郎さんにも2局打ってもらったという。

 囲碁の三大タイトルのひとつである「本因坊戦」挑戦手合の前夜祭にも出席し、めったにできない対局開始の立ち会いもさせてもらえた。

 第一人者である井山裕太棋聖・名人・本因坊・碁聖ともあいさつできた。「真剣に打っている姿を見ていたので、寡黙なかたかと思ったけれど、しゃべったらそんなこともなくて。26歳らしい一面を見せていただきました」(井山さん)。

 趣味は? ときいてみると、「茶道は初級師範を持っていますが、もうやる機会もなくて、趣味というのはおこがましい。ジムで筋トレはしますが、サボり癖があるので気をつけています」。

 今は本当に、仕事と囲碁だけの生活のようだ。囲碁は趣味と実益を兼ねているということだろうが、「囲碁大使」の大役もある。

 戸島さんの活躍が、囲碁の発展の一端を担っている。「普及活動をメインに、私自身も囲碁大会などに参加して、囲碁ファンの皆さんと交流ができたらなと思っています」。

 囲碁が強くなると、また違った世界が見えてくる。今後、戸島さんは“囲碁ドル”としてどんな成長を遂げるのか、楽しみだ。

●文/内藤由起子(囲碁ライター)
●撮影/山崎力夫、一柳貞樹


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