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U字工事 栃木なまり全開にするきっかけは浅草キッドの助言

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 栃木出身の漫才コンビ・U字工事。テンポのいい栃木弁で近隣の県を絡めた漫才を展開し、福田が「ちゃんと謝れ!」と言った後に、益子が逆ギレ気味に「ごめんねごめんね~!」で締めるネタで根強い人気を誇る。そんな栃木ローカルに特化したスタイルが生まれたのは、意外なきっかけだった。U字工事に話を聞いた。

――栃木なまりが印象的ですけど、なまりをなくそうと思ったことはなかったんですか?

益子卓郎:漫才を始めたころは、方言はあまり気にしていませんでした。「なまってるね」と言われていたんですけど、なまりを売りにしていなかったんです。そもそも、なまってるという感覚がなかったので。でも、浅草キッドさんにネタを見てもらった時に、「ガンガンなまりを出したほうがいい」ってアドバイスをもらってから、意識するようになりました。

福田薫:それから、テレビのネタ見せとかで受かるようになったんですよ。

益子:漫才も、それまでは栃木ネタはあまりなかったんです。でも田舎らしい、軽トラックとか牛とかトラクターとか、そういう要素をいっぱい出して、方言で自然でやるとウケやすくなるのに気づいたんです。キャラクターが必要ということですかね。

福田:それまでのネタは、テーマを決めて“テレビ見た?”という感じで話を広げていく感じで、普通の話題ばかりでした。

益子:今はネタを作ろうとしたら、「田舎っぽいのどこに入れる?」とか、栃木のいいところを出そうと考えますけど。当時はただ、ボケを考えるという感じで。浅草キッドさんのおかげで、田舎キャラを出せばいいんだって気づけたんですね。方言を出してやるって、格好悪いなとか、初めはそういうのがあったのかもしれないですね。

福田:尊敬していた浅草キッドさんにアドバイスをいただいたので、素直に受け入れることができたんですよね。そうじゃなかったら、「ぼくら、そういうんじゃないよな」って、まだ方向性が定まっていなかったかもしれないです。

――浅草キッドさんに言われたのはいつですか?

益子:1997年とかで、まだフリーでやってた頃なんです。

福田:キッドさんの主催の『浅草お兄さん会』っていうライブで、浅草キッドさんが直々にネタを見てくれる機会があったんです。たまたま『AJAPA』ってお笑い雑誌を見ていて、3行広告みたいに小さく「キッドが直々に見るネタ見せ」とか書いてあるのを見つけたんです。ぼくの手柄はかなりデカいです(笑い)。

――しっかりアドバイスを受け止めたんですね。

福田:そうですね。あと、以前やっていた深夜番組『虎の門』(テレビ朝日系)の偉い方が、ぼくらの漫才を見て言ってくれ言葉にも、影響を受けました。当時、持ち時間が4分のなかで、栃木の濃いネタを1分やって、あとの3分で平たい田舎ネタをやったんです。

その方に、「栃木ネタだけで4分できないのか」と言われて、それをきっかけにやるようになったら、メディアによく出られるようになったんです。その年(2008年)の『M-1グランプリ』(テレビ朝日系)では決勝までいきましたからね。

――濃いネタというのは、どういうもの?

益子:栃木と比較して茨城の悪口を言うとかですね。より栃木を引き立たせるような。たとえば、「栃木の中禅寺湖で増えすぎたブラックバスは、茨城の霞ヶ浦に捨てちゃえ」とか。「日光で増えた猿は、掴まえて筑波山に投げちゃえ」とか。そういうのは今でもやってますね。

――芸人の先輩からアドバイスをもらうこともありますか?

福田:以前、マキタスポーツさんに、「普段の私生活の服から綺麗なものを着なきゃ、売れねえぞ」って言われたんです。ぼくなりのおしゃれをしていたつもりだったんですけどね(苦笑)。

益子:当時の福田はGパンにアロハシャツで、汚くないんですけど、そのGパンはおしゃれな色落ちした感じのもので。

福田:当時マキタさんと一緒に営業に行ったんです。バーみたいなところで2組でネタをやって、終わってから閉店時間ぎりぎりまで、マキタさんと飲んでたんですよ。「このまま帰るわ」って言うマキタさんは、永ちゃん風の銀色のバリバリのラメのシャツを着て、それで田園都市線に2人で乗って帰ったんです。すごく恥ずかしかったですよ(笑い)。

益子:マキタさんも気をつけないと、風貌がオッサンになっちゃうんで(笑い)。おしゃれはおしゃれだと思うんですけど。

福田:あとは、東京ダイナマイトのハチミツ二郎さんに、トリは取ったほうがいいよと言われたのは覚えていますね。トリって、ちゃんと締められないと格好悪いじゃないですか。滑られないというか、重圧があるんですよね。

益子:順番はイベンターさんとかライブ主催者が決めるから、信頼されてないと、トリにしてくれないですからね。ライブに行って、今日はトリかというときは、期待されてるのかな、頑張らなきゃなと思います。

福田:ぼくら結構、「トリか、やべーな、どうすっか」ってタイプなんです。だけどそこを好意的にとらえて、トリだからありがたい、より頑張らなきゃって思うようにしました。

――芸能活動のなかで、つらかったことはありますか?

益子:最近だと、奥さんがケタケタ笑いながらスマホの画面を見せてくるんです。「近くのコンビニに益子がいた。この辺に住んでるのか」っていう誰かのつぶやきを発見して。それくらいいいんですけど、「すれ違いざまに、プーンと汗のにおいがした」って書いてあったんです。そこまで書かなくてもいいじゃないか、恥ずかしいじゃないかって(笑い)。

福田:20才くらいの頃の話ですけど、先輩にガンビーノ小林さんがいるんですね。散々、飲み屋さんを連れ回されて、朝4時くらいにガンビーノさんの家に帰って、やっと眠れるのかなと思ったら、「今から永ちゃんのビデオを見るぞ」って寝かせてもらえなかったのはつらかったですね。

 ガンビーノさんがイライラしている日は、「そこの本を読め」って言われて、芸能人の自伝みたいな本を読まされるんです。それで、「そんなわけねえじゃねーか! 考えが甘いんだよ!」とか、その本に対する文句を聞かされるんですよ(笑い)。

益子:吉本さんは先輩がいっぱいいるので、色々教えてもらえるじゃないですか。ぼくたちは、特にフリーの頃は先輩がいなかったので、その頃、ガンビーノさんに芸人の“飲み方”みたいなものを教わりましたね。

福田:当時はまだ事務所に入っていなくて、どっかに入らなきゃだめですかねってガンビーノさんに相談していて。「漫才は大丈夫だから、焦らずじっくりやってろ」って言われたのを覚えています。焦りがあったんですけど、浮つくなって言われて、気持ち的にも落ち着きましたね。なかなか寝かせてくれないでけど、すごくいい先輩なんですよ(笑い)。

【U字工事】
栃木県立高校の同級生だった、福田薫と益子卓郎の2人により、大学卒業後の2000年に正式にコンビ結成。栃木弁を駆使した癒し系ほのぼの漫才を武器に一躍ブレイク。2010年、2015年に、国立劇場花形演芸大賞金賞受賞。『とちぎ発旅好き』(とちぎテレビ) レギュラー出演中。

撮影■林紘輝


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