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店主オモロでトイレは近所の公衆便所! 東大阪の風変わりイカ焼き居酒屋「食笑」

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猛暑、酷暑、極暑、激暑、厳暑、残暑――気温が、やりきれないほど高く感じられる状態を指す言葉…。こんなの毎日見せられたら、天気予報見るのが嫌になってきますね。この時期は、エアコンの効いた部屋で、チュウチュウを食べながら、とにかくゴロゴしてデブ道をさらに極めたい……。どーも、すずきたろう32歳です。

でも、暑くなって得することだってありますよ。メシ通読者の方なら、きっと共感してくれるはず……。

そう、ビールが美味しい。これに尽きる。

みなさんはビールのアテには、何をチョイスしますか? 枝豆、焼き鳥、唐揚げ、餃子などいろいろありますが、今回ご紹介したいのは“イカ焼き”。

“イカ焼き”と聞いて、醤油の香ばしいかおりや、イカの姿焼きを想像した方、おそらく関西以外のご出身ではないでしょうか。大阪ではイカ焼きといえば、お好み焼き、たこ焼きと並ぶ、大人気の粉もんアイテム。今回は、ビールのアテにぴったりな、ほんまもんの美味しい“イカ焼き”をご紹介します!

なぜか店の入り口が見つけられない

ところでイカ焼きと言うと、いつも長蛇の列が出来ている、梅田の阪神百貨店のイカ焼きが大阪ローカルではメジャーです。しかし今回は大阪郊外のちょっとインディーなイカ焼きのお店があるということで、いざ、東大阪市へ。

今回の目的地は「食笑」(しょくしょう)というお店。最寄駅はJR住道駅。これ、“すみのどう”と読むんですが、駅員さんに「じゅうどう駅に行きたいんですが」なんて聞こうもんなら「はぁ?十三(じゅうそう)か?」と聞き返されたあと「あぁ~、すみのどうね」なんて半笑いで教えられ、ツライ目にあうことになりますのでお気をつけください。

さて、JR大阪駅から住道駅までは電車で約25分。まずは環状線外回りに乗って京橋駅で下車し、片町線に乗り換えると住道駅に行けます。

大阪のベッドタウンなので、昼間の駅前はサラリーマンや、学生、主婦、年配の方などがチラホラ。

住道駅からは、徒歩で目的地へ。住道駅の南口を出ると、遠くに生駒山が見えます。 そのまま、左手側に生駒山を見ながら、南進。

6、7分歩くと、東大阪市に入ります。そこから少し進むと…

ん?なんだあの屋台みたいなお店は……。遠くからでも、謎のオーラを解き放っているのを感じられます。まさか。

これかー!!

「食笑」。まさしくここがそのお店です。途端に、顔の表情筋がゆるむのを感じつつ、はやる気持ちを抑え、店の正面へ。おそるおそる「ごめんくださ~い!」と言ってみると「入って来てぇ~!」とご主人らしき男性の声。

……って、入り口はどこなんや!!
戸惑いながら、のれんらしきモノがあるので、壁を押してみる。

開いた!

脱出系ゲームで、隠し扉を見つけたときのような感動を抱きつつ、店内へ。

ほぼすべてのメニューが200〜350円の激安っぷり

店内に足を踏み入れると、笑顔で迎えてくれるご主人。こちらの取材に対して、気さくに応じてくれます。

 

すずきたろう(以下、すずき):こんにちは。外の看板の文字インパクトありますよね。もしかして、書いたのはご主人?

ご主人:そうなんですわ。たいして字も上手くないんですけどね。実は、この建物、カウンター、イスなど、全て手づくりなんです。

すずき:そう言われると、たしかに至る所に手づくり感が溢れてます。

ご主人:約20年やっとるんですけど、こう見えても雨漏りは全然ないし、一度も台風で飛ばされたことがないんです。知り合いの大工いわく、理にかなった造りになっとる!って。でも、そろそろ危ない頃かも知れませんわ。

店内を見渡すと、

様々なメッセージが書かれた謎のディスプレイが。

すずき:この手書きのサインらしきものは何ですか?独特な雰囲気を醸してますけど。

ご主人:お店の常連さんに、バンドやってる方(インディーズ界では知る人ぞ知る有名バンドらしい)がいてね。その方や、ファンの方が来て、お酒飲んで、酔っ払って、いろいろ書いていってくれるんです。ただ何が書いてあるんか、ようわかりません。私にしても謎ですわ(笑)。 お店に来て、楽しんでくれてるんやったらいいかなぁ思うてます。

話を聞かせて頂きつつ店内のメニューに目をやると、

ほぼ全てのメニューが200円~350円。

居酒屋じゃなくて、駄菓子屋かい!

すずき:この値段で、大丈夫なんですか?

ご主人:全然、儲かりません、いつも大変ですよ、ホンマに(笑)。

すずき:そりゃ、そうですよね。我々、のんべぇにはありがたいかぎりです。

店が20年続く理由。それは店主の人柄にあった!

ではそろそろ注文。まずはベーシックなイカ焼きの小(200円)を。イカをまぜた生地を鉄板に流し込み、プレスして焼くというトラディショナルな大阪スタイルです。プレスするやいなやブワーっと水蒸気とともに、キュキューーという独特のサウンド。そしてプワァァ〜とイカの香りが漂ってきます。あっという間に焼きあがり。

これが大阪のイカ焼きです。クレープみたいな見た目で、とってもシンプル。

食感はお好み焼きよりモチモチしていて、食べごたえも十分。お好みでカラシをつけるのですが、ソースや醤油をつけてももちろん美味しいですよ。ビールと一緒にいただけば、もう最高!ちなみに、子どもたちはおやつ代わりに食べるそう。

続いては、玉子入りイカ焼き(350円)。こちらは、玉子焼きに近い感じ。そのままでも美味しいですし、もちろんマヨネーズもすこぶる合います。こちらもやっぱり、ビールとの相性はバッチリ。

そして、ご主人のイチ押しが、このB級イカ焼き(350円)。ベーコン、玉子サラダ、トマト、レタスを、イカ焼きの生地で包んであります。トルティーヤ風といった感じで、見た目もかなり都会的に。こんなおしゃれなメニューもあったんですね(失礼!)

ご主人:こないだ女性のお客さんに出したらね、「神戸のカフェで出したら、コーヒーとセットで千円とれるで!」って言われてんけど、そんなことあるかい!言うたったわ(笑)

冗談を交えながら、何気ない会話を楽しみながら、ビールをグビグビと。あっという間に時間が経ってしまいます。そう、20年もお店が続く理由は店主の気取らない人柄にありそう。

ご主人:店も広くないんで、あんまり長居してもらわんと、どんどん回転させたいねんけど、帰らへんからしゃあないんですわ(笑)。遠くから来てくださるお客さんも多いですし。しかし、はるばる来て食べるもんちゃうでー言うてるんですけどねぇ。ま、どっちにしても、ありがたい話です。

ご主人と話してたら、つい時間を忘れてしまいます。ところで、ちょっとトイレに行きたいんですが……

ご主人:すんません、うち、トイレ無いんですわ。店のすぐ近く、“市場”の前に、公衆トイレあるんで、そこを借りさしてもろてます。

すずき:わかりました、ちょっと行ってきます!ってことでいったんトイレアウト。えーっと、市場って……?

市場、ない。

戻って聞いてみると、

ご主人:あー、ごめん、“市場”は、スーパー!スーパーの脇や!

すずき:も、もれそう……

あぁ!ありましたー。マイ膀胱、九死に一生〜

ふぅ……

とまぁ、お店では日夜、ご主人とお客さんで、こんな愉快なやりとりが繰り広げられているのでしょうね。大阪を訪れる際、普通の居酒屋だとちょっと物足りない、という方は、少し足を伸ばして“食笑”を訪れてみてはいかがでしょう?

イカ焼きをつまみつつ、冷えたビールを飲めば、夏の暑さも忘れられるはず。なにより店主のトークが最高です。カラダ全身で大阪の空気を感じたい人はぜひ!

お店情報

食笑
住所:大阪府東大阪市加納8-370-13
電話番号:090-3874-
営業時間:火~金曜12:00~13:30 17:00~22:30 、土曜12:00~22:30、 日曜12:00~19:00
定休日:月曜日

書いた人:すずきたろう

1983年生まれ。ライター。26歳のとき、某政府系金融機関を退職して、売れっ子芸人を志すも、存在していたのかどうかもわからないほどに売れず挫折。縁あってライターに。口癖は『会社では一番面白かってん!』Twitter:@s_tarou_project

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