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逆らえば激怒し脅迫…「毒親」「毒家族」からの脱出劇

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 子どもからしたら、親は一番付き合いが古く、一番身近にいる大人ですから、無条件に正しいと信じてしまいがちです。しかし、もちろん人の親だからといって「立派な人」とは限りません。それどころか、親として、さらには社会人としてもあきらかに破たんした人がいるにもかかわらず、多くの場合子どもはそのことに気づかずに育つのです。

 『ゆがみちゃん 毒家族からの脱出コミックエッセイ』(原わた/著、KADOKAWA/メディアファクトリー/刊)には、暴力や恫喝、束縛によって子どもを支配したがる「毒親」に育てられた著者が、その支配から逃れるまでの長い戦いが描かれています。

■毒父・毒母・毒祖母のはざまで・・・
 このコミックエッセイでは、主人公の「ゆがみちゃん」を通して原さんの半生が描かれます。ゆがみちゃんが家の中でまったく気の休まる時間がなかったのは、両親に加えて同居していた父方の祖母までが「毒」だったからです。
 母と祖母は折り合いが悪く、互いに相手への怒りをゆがみちゃんにぶつけあいます。そして仕事人間だった父もまた、機嫌が悪いと「誰の金でそのメシが食えていると思ってる!」と突如激怒するような人でした。
 何かというと怒鳴り散らし、意に沿わないと物にあたり暴力をちらつかせる家族たちを「普通じゃない」と感じていたものの、ゆがみちゃんはそれをはっきり自覚できずにいたといいます。彼らの怒りが「単なる八つ当たり」か「自分が悪くて怒られているのか」の区別はまだつかなかったのです。

 そして、輪をかけてひどかったのが兄妹間の扱いの違いでした。両親、祖母ともに兄に対してはひたすら甘やかすのに、ゆがみちゃんに対しては人格も行動も全否定、理不尽な暴言を浴びせかけ、家庭内で起きたことはゆがみちゃんのせいに。また、母と祖母が盲信していた宗教の勧誘もゆがみちゃんの友達には行っていたのに、兄の友達には行わなかったといいます。こういったこともあってゆがみちゃんは家にも学校にも居場所を見つけることができず、成長するにつれて、家を出て自由になることを強烈に願うようになりました。

 しかし、「毒親」や「毒家族」の恐ろしさは、反対を振り切って強引な形で家を飛び出してからも変わりません。
 何かあると電話をしてきては、「家に戻ってこい」「親の言うことを聞けないならお前を殺してやる!」と脅迫まがいのことを言われ、仕事先の電話番号まで突き止められてしまいます。必然的に、生まれ育った関東を離れ、職を転々とすることになったゆがみちゃんでしたが、家族と完全に関係を断つということは、口で言うほど簡単なことではありません。やがて、どうしても実家に連絡をしないといけない時がやってきます。
 それは「結婚」です。
 ゆがみちゃんの両親になんとしても挨拶をしたい恋人とその家族を、絶対に会わせたくないゆがみちゃんはどのように説得したのでしょうか?そこには結婚という「異文化」が混じり合う行事が浮き彫りにする「家族の問題」が横たわっています。

 「親から自由になりたい」という願いと、「親からは逃れられない」という呪縛、また「親のように生きたくない」という反発と「そんな親の資質を受け継いでいる自分」。
 『ゆがみちゃん 毒家族からの脱出コミックエッセイ』には「毒親」「毒家族」を持つ人の苦しみと葛藤が詰まっています。
 自分の親に対して「ちょっとおかしいんじゃないか?」と疑問を持つことは辛いことかもしれません。しかし、そのままにしておくと親は子の人生を食いつぶし、台無しにしてしまいます。自分の未来を守るために、そして家族や知人を守るために、こうした「毒親」「毒家族」の知識は持っておいた方がいいのかもしれません。
(新刊JP編集部)


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