子どもがロボットに“文字の書き方”を教えることで自らも学ぶ!新しい教育の試み

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CoWriter

このところロボットという存在は、産業分野で効率を上げるために役立つだけではなく、人間と関わりをもち、コミュニケーションすることを目的として開発され、一般の人にも近しい存在になりつつある。

そんなロボットを教育の現場にも役立てようという試みがあるようだ。

・AIロボットと一緒に、子どもが文字を学習

スイスのEPFL(Ecole Polytechnique Federale de Lausanne)の研究チームでは、AI(人工知能)搭載のロボットと一緒に、子どもが文字の書き方を学習するという、「CoWriter」プロジェクトを進めている。

・子どもが、ロボットに文字を教える側

ここで重要なのは“ロボットが子どもに文字を教える”のではなく、“子どもがロボットに字を教えながら学ぶ”という点。誰かに教えることで学びを深めるという手法は、自信がついたり、モチベーションアップにつながるといい、非常に効果的だといわれている。

ロボットはヒューマノイド型ロボットで、人間とコミュニケーションが取りやすいよう、愛らしいデザインになっている。身長は58センチメートルで、子ども目線で一緒に学べる。

・ロボットはタブレットに文字を書いていく

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プラスチックでできた文字の模型にはQRコードが搭載されており、子どもはそれらを並べて、単語をつくる。

ロボットはそれを見て、タブレット上に文字を書いていく。初めは小学校のクラスの誰より下手なレベルだ。

子どもはスタイラスを使って、タブレットに見本の文字を書いて、ロボットに教えてあげることができる。

・子どもがしがちな、文字の間違いを再現

システムでは、子どもが手書き文字を書く際に、よくある間違いをサンプルデータとして、膨大なデータベースを構築。ロボットはそのデータベースを参照する。

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人間の文字学習を真似て、段階的に進歩していくアルゴリズムが採用されており、ロボットは訂正された文字を学習し、少しずつ少しずつ、文字を書くのが上手になっていく。

また、子どもが苦手としている文字があれば、それをロボットにプログラムしておくこともできる。

たとえばF、Hが苦手なロボットに設定しておけば、子どもはロボットに教えることを通じて、自らの苦手を一緒に克服していく体験ができるというわけだ。

・6~8歳の小学生で試験運用

現在はまだ試験運用の段階であり、6~8歳の70人の小学生でテスト運用しているところだという。

教育の現場にロボットを導入することで、効果的にかつ楽しく字の書き方を学習できるようになり、教師を力強くサポートとしてくれることだろう。

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