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母の遺産を取り返したい

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Q.

 両親の離婚後、母親と暮らしていましたが9年前に、母が交通事故で寝たきりになった後は、叔母夫妻に引き取られました。叔母夫妻は、私を引き取ってから母の財産を消費し、仕事を辞め、高級車に乗り、家を建て、毎日パチンコ三昧でした。その後、2年前に母が亡くなる時に、叔母に全財産を遺贈するとの内容で遺書まで書かせられました。私が20歳になったら養子縁組することも迫られています。叔母は司法書士を雇っているようで、その指示に従ってお金を自分の物にしようとしています。残っている母の遺産を取り返したいのですが、どうしたらいいでしょうか?

(10代:女性)

A.

 ご相談内容から、気にかかる点があります。1点目は、亡くなられたお母様がどのような遺言(遺贈の具体的な内容など)をされていたかが不明な点。ひょっとするとご相談者様が遺言内容を知らされていないのではないかが気がかりです。2点目は、20歳になったら養子縁組を迫られているという点です。

 あくまで予想に過ぎないのですが、通常、ご相談内容のような状況であれば、(遺言をしたときに判断能力が備わっていれば)子を思って、「子供が成人するまでは生活に必要な財産を遺産から出してほしい。成人して独り立ちしたら残額を子供に渡してほしい」という趣旨の遺言を作成するのではないかと思われます。そうであれば、叔母夫妻はご相談者様が成人したら遺贈に従って残額をすべてご相談者様に渡さなければなりません。
 しかし、養子縁組をして生計を一にすれば、「家族の財産として使っている」と言えなくはないです。そのために20歳になったら養子縁組をしようと持ちかけているのではないかと思われます。以上のような悪い予想もできるため、対応は慎重にすべきです。

 まずはお母様がした遺言の内容を正確につかむことです。遺言を作成した時の意思能力が無いことや、証人として欠格者が立ち会ったりした場合(民法974条参照)、叔母による強制のもと作成させられた場合などは無効であるとして訴訟を通じて争うこともできます(最判昭和47年2月15日、東京地判平成10年6月29日など)。遺言が無効となれば、法定相続分に応じての相続となりますので、亡くなられたお母様のお子様がご相談者様だけの場合、遺産の全額を相続できることになります(民法900条を参照)。

 仮に遺言において全額を叔母に渡す旨の内容があり、これが適切なものであると認められたとしても、子であるご相談者様には一定割合が自己のために確保できることが法律で認められています。これを遺留分と言います。亡くなられたお母様のお子様がご相談者様1人の場合、遺産の1/2が遺留分とされます(民法1028条)。

 ご相談内容から最終的に訴訟に発展することも想定される事案だと考えられます。また、叔母夫妻が司法書士を雇っていることを考えると、早い段階で弁護士などに対応を依頼されることを強くおすすめいたします。相続トラブルの解決には長期間を要する場合が多く、費用もかかります。
 コスト面が不安であれば、法テラスで行われている民事法律扶助の制度を活用するのが有効です。これは経済的に余裕のない方に対して、弁護士費用などの立て替えを行う制度です。活用していただき、スムーズな解決がなされることを心から祈っています。

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母の遺産を取り返したい

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