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夏場は注意が必要な尿管結石 自然排斥促す「排斥薬物治療」

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 尿管結石は、メタボリックシンドロームと強い相関関係があるため、患者は中高年が多かった。しかし近年、運動不足で肉食中心の偏った食生活をしている若い世代にも尿管結石の患者が増えている。

 結石の原因は、運動不足や尿路閉塞による尿流停滞、発汗や水分の摂取量が少ないことによる尿の濃縮、食生活の偏りによる尿の酸性化、尿路細菌感染など様々な要因がある。盛夏は汗で水分が減少して尿が濃くなるだけでなく、ビールなどプリン体を含む食品の多量摂取で尿酸値が上がり、シュウ酸カルシウムが増え結石にがることがある。

 結石は腎臓の中で発生するが、何らかの加減で移動して細い尿管に入り、閉塞すると血尿と激痛で救急搬送されるケースが多い。東京警察病院泌尿器科の松島常部長に話を聞いた。

「石の長径が5ミリ未満で、20センチ以上もある尿管の下部近くまで下りているような場合は、運動と1日3リットルの水分補給で排石を促します。その際、前立腺肥大症で使われるα1ブロッカー内服による薬物治療(Medical Expulsive Therapy=MET)を行ないます。この薬剤は、尿管平滑筋(へいかつきん)を弛緩させる作用があり、結石の排石を助け、疼痛軽減効果もあります」

 結石が5ミリ程度と比較的小さい場合でも、結石により尿管の上部が閉塞され、尿が腎臓に貯留し、圧力が高まる水腎症を起こしていたら、積極的に石を砕く治療を実施する。結石の破砕は、数年前までは体外衝撃波結石破砕術(ESWL)が行なわれていたが、現在はレーザー内視鏡手術が第一選択となっている。

 体外衝撃波結石破砕術は、1回で結石が砕けなかったり、尿管にはまり込んだ石(嵌頓〈かんとん〉結石)を取り出せないことがあるだけでなく、衝撃波による腎臓や腸からの出血の可能性がある。さらに砕けた結石が四方八方に飛び散り、それが核となって結石になる多発性の再発の確率が高いこともあり、適応となる患者数は減少傾向にある。

「レーザー内視鏡は、年々進歩しています。軟性ファイバースコープが登場し、改良・普及が進んでおり、例えば手術中に対象とする結石が腎臓内へ移動してしまっても、腎盂(じんう)・腎杯(じんぱい)までファイバースコープを進め、結石を破砕できるようになっています。こうしたレーザー内視鏡手術後にも、結石の破砕片の自然排石を助ける目的で、METを併用することがあります」(松島部長)

 タムスロシン、シロドシン、ナフトピジルなど代表的α1ブロッカーは、前立腺肥大症治療薬として保険承認されている。現在、尿管結石の排石促進としての適応はないが、結石治療のガイドラインには、10ミリ以下の結石に対しては使用が推奨されており、排石治療の選択肢の一つとして効果が期待されている。

■取材・構成/岩城レイ子

※週刊ポスト2015年8月21・28日号


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