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8月6日に開幕した第97回全国高等学校野球選手権大会。今年も、地方大会を勝ち抜いた全49校が連日のように熱戦を繰り広げ、多くの高校野球ファンを魅了している。

当然のことながら、聖地で躍動する権利を手にした49校の陰には、地方大会で敗退した多くの学校の存在がある。その数、3857校。今回紹介する玉田宙さんも都立大森高校野球部の正捕手として東東京大会に参加し、4回戦で涙を呑むこととなった。

惜しくも甲子園への道は途切れてしまったが、実はある事情から「3年間野球を続けること」こそが彼にとっての大きな挑戦だった。そして、その目標を達成した元高校球児は、これに満足することなく新たな夢を視界に捉えている。

ある事情を先に伝えておくと、玉田さんは生まれつき耳が聞こえず、手話を母語とするろう者だ。そのため、小中学時代は私立のろう学校で9年間を過ごしている。

しかし、卒業後に進学したのは、ろう学校の高等部ではなく都立の普通高校。一番の理由は、硬式野球に挑戦するためだった。

「日本のろう学校では危険という理由から硬式野球をやらせてもらえません。ろう者の仲間と一緒に軟式野球をやるか? 夢の硬式野球をやるか?僕は本当に悩みました。でも、葛藤の末に選んだのは夢に向かって進むことでした」

高校入学当初は、仲間とのコミュニケーションに苦しみ、野球部を辞めようと思ったこともあった。その頃、投手だった彼は、部室でもグラウンドでもマウンドでもいつも一人。そんな時、同級生の當間さんからこう声をかけられた。

「お前さ、一人で投げんなよ。もっと仲間を見ろよ」

この一言が、玉田さんを暗闇から助け出したという。その後、ろう者には不可能と言われていたキャッチャーに転向するべく、猛練習に臨んだ玉田さん。自由参加の朝練には毎日欠かさず参加し、昼休みは自主トレ、帰宅後は8キロのランニングで下半身を鍛えた。

肝心の仲間とのコミュニケーションは、身ぶり手ぶりやグラウンドの土を使った筆談が中心。次第にチームに溶け込めるようになると、最終的には正捕手に。苦しい時に声をかけてくれた當間さんがピッチャーとなり、二人でバッテリーを組んで最後の夏に挑んだのだった。

野球部の引退という一つの区切りを迎え、玉田さんはこれまでの充実感と新たな夢を口にした。

「夏の大会が終わって、両親から『よく頑張ったね』と言われました。でも、これは僕だけの力ではなく野球部の仲間や先生たちのおかげです。大森高校に入って、硬式野球をやって本当に良かったと思っています。

僕の次の夢は、世界中のろう者と会い、『ろう者でよかった!』と子どもたちにも伝えること。今、その夢への第一歩が始まろうとしています」

実は今回、フランス在住の映画監督・藤原亜希氏の発案で、玉田さんのドキュメンタリー映画を制作することが決定。内容は、彼と同じ境遇のフランス人ろう者、リザンドラさんに一人で会いに行くというもの。日本での撮影はすでに始まっており、今後はフランスでの撮影が予定されている。

ところが、現在はフランス国内での滞在費や撮影費、編集費が不足している状況。そのためクラウドファンディングサイト「READYFOR」で資金を募っている。彼の次なる夢へのサポートは3,000円から可能だ。

「僕の体験が映画になることで、ろう者に対する見方が変わることを期待しています。ろう者への理解が広がり、耳が聞こえない子どもたちが誰でも夢に挑戦できるようになると嬉しい。そんな僕の夢への第一歩をどうか応援してください。よろしくお願いします」

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