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介護保険制度を上手に使う術 知っておくべき「裏マニュアル」

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「まさかウチが…と頭を抱えています。今まで月に2万円の自己負担だったのが、これからは倍の4万円ですって。母のデイサービスの回数を減らすか、家計を切り詰めるか…」

「介護保険制度」で80代の母親をデイサービスに通わせている都内の50代主婦Aさんはこう嘆く。

 この8月1日、介護保険制度が改正され、一律1割だった介護保険の利用者負担が、一定の所得がある人を対象に2割に倍増した。

 介護保険制度が創設されたのは2000年。要介護度別に定められた支給限度額のなかで、訪問介護やデイサービス、福祉用具の販売・レンタル、介護施設の入所などの介護サービスが、1~2割の利用者負担で受けられる制度だ。

 その財源の半分は40才以上の国民が納める介護保険料で、その額も大幅に上昇している。2000年に月額2911円(全国平均)だった保険料は現在では倍近い5514円。2025年度には8165円になると予想される。ケアタウン総合研究所所長の高室成幸氏が指摘する。

「厚労省によると、要介護状態を理由に生活保護を受けている“介護破産世帯”はこの10年で倍以上になっています。8月からの利用者負担や保険料アップで、さらに増えるでしょう」

 今後はより一層、賢く介護保険制度を使い、「介護のお金」を切り詰める工夫が求められている。

 そこで女性セブンは、厚労省関係者や地方自治体の介護保険担当者などに、制度を上手に使うために知っておくべき「裏マニュアル」を徹底取材した。

 まずは、できるだけ高い要介護度認定を受けるための具体的なテクニック。要介護度は「要支援1」から「要介護5」まで7つのランクに分けられている。

「ランクが最も低い要支援1だと、介護サービスの利用限度額は月に約5万円ですが、最高ランクの要介護5になると、約36万円まで利用できます。ランクが1つ違うだけで約5万円の差が出るので、状況に見合った、できるだけ高い要介護認定を受けることが望ましい」(前出・高室氏)

 介護保険を利用する手続きは、本人や家族が市区町村へ申請することから始まる。その後、自治体の職員やケアマネジャー(ケアマネ)が訪問調査を行い一次判定、さらに複数の専門家による介護認定審査会で二次判定され、最終的な要介護度が決まる。

「介護保険の申請書には『留意項目等記入欄』があります。多くの人は空欄のまま提出していますが、ここが分かれ道。調査員はこの申請書をもとに調査に臨むので、その欄に本人の日頃の様子や、家族が行っている介護実態を記入することが重要です。欄内に書き切れない分は、介護内容を細かく記した『介護実態メモ』を申請書と一緒に提出すると判定に大きく差が出ます」(自治体関係者)

 さらに認知症の場合は、『物忘れ言動メモ』を用意しておくといい。調査員経験のあるケアマネが言う。

「訪問調査では、特に認知症の症状を見抜きにくい。調査当日にたまたま意識がはっきりしていたりして、認知症の判定は不当に低くなることも多い。そこで、本人の日頃の物忘れや不自然な言動を記録したメモを渡すと、調査員は調査票に、質問項目の回答とは別に『特記事項』を書いて提出するので、認知症の実態が伝わり、きちんとした判定を受けられる」

※女性セブン2015年8月20・27日号


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