普通のインクジェットプリンターで、タッチスクリーン付きのディスプレイをプリントする技術

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電子ガジェットが次々と登場している今、これらのガジェットを目にしない日はほとんどないのではないだろうか。

ステータスや情報を表示するディスプレイは、さまざまなガジェットに搭載されているが、どうしても“ディスプレイをつくる”ということは、専門業者や企業の技術であり、一般ユーザーにとっては縁遠いものだった。

・ディスプレイを普通のプリンターでプリント可能

ところが、ドイツのSaarland Universityに所属する、Jurgen Steimle氏、Simon Olberding氏らを中心とする研究チームでは、そんな現状を打破する技術「PrintScreen」の開発を進めている。

一般ユーザーであっても、普通のインクジェットプリンターを使って、DIYでディスプレイをプリントできるという。しかも、タッチスクリーンの機能をもたせることまで可能だというから驚きだ。

・フィルム状のシートにELをプリント

先述したように、どこでも入手可能な普通のインクジェットプリンターを使用する。そこに、「PrintScreen」の特殊な専用インクをセット。

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Microsoft WordやPowerpointのようなソフトウェアを使って、希望のサイズや形状のデザインを、デジタルテンプレートから選択して決定する。

薄いフィルム状のシートに、選んだデザインの形状を再現したエレクトロルミネセンス(電子発光、EL)をプリントし、ディスプレイとして出力できるという流れだ。

・シートの薄さはわずか1/10mm

出力されたシートは、わずか1/10ミリメートルという薄さ。そのシートをさまざまなオブジェクトの表面に設置することで、ディスプレイとして用いることが可能になる。

・“ほぼHDレベル”のプリントクオリティ

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ちなみに、出力プリントされたものは、“ほぼ高解像度ディスプレイ”といってよいレベルのクオリティが実現されているという。

・プラスチックや木にプリントしたり、タッチスクリーン機能も

注目すべきは、この技術がまだまだ進化途中だという点。

将来的にはプラスチックや金属、木など、さまざまな素材を利用できるようにしたり、タッチスクリーン感知のディスプレイをプリント可能にすることを検討しているという。

もしこの技術が実現化されれば、家具や洋服などにDIYのディスプレイを設置し、個人の好みやニーズに合わせて、カスタム化するようなことも夢ではない。

・さらに、3Dプリントの技術の活用も視野に

また、3Dプリントの技術を取り入れることも視野に入れており、タッチスクリーン機能を保有するディスプレイを搭載した、3次元オブジェクトをプリントする、なんてことも現実のものとなるかもしれない。

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