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キューバ初のゾンビ映画『ゾンビ革命 フアン・オブ・ザ・デッド』同様、プロレス界でもキューバ物件はレアなんです

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 2015年4月11日、アメリカとキューバの両首脳会談が行われ、キューバ危機以来の国交正常化に向けて大きく前進したとされます。実際、米国側からは経済活動的にも未開市場として注目されており、プロレス関係では、北朝鮮でのプロレス興行を実現しているアントニオ猪木氏がキューバ初のプロレス興行を計画しているとか。

 今回はそんなキューバ共和国生まれの『ゾンビ革命 フアン・オブ・ザ・デッド』(2012)と、プロレス界におけるキューバ物件をぼんやり絡めてお送りいたします。
 本作は、キューバ出身のアレハンドロ・ブルゲス監督がキューバで撮った、史上初の純キューバ産ゾンビ映画。冴えない主人公とクズでデブな親友というバディ構成からして、『ショーン・オブ・ザ・デッド』に近いカラッとしたお下劣路線です。

 キューバの首都ハバナで詐欺や盗みでのんべんだらりと生活する40歳無職の元軍人フアンと親友のラサロ(WWEのケビン・オーエンズにやや似)だったが、人々が突如凶暴化し、死体が蘇る謎のゾンビ現象を目の当たりに。TVの国営放送では米親派の反体制派テロなどとも報道されるが、ほどなくしてハバナ全体に蔓延。
 ハバナ中、家族の誰かがゾンビという未曾有の事態に商売の臭いを嗅ぎつけたフアンは「愛する人、殺します」をモットーに殺人代行社を設立。娘やラサロの息子、さらにパチンコ使いのオネェと血が苦手な用心棒などが加わり商売は大成功。しかし、仲間たちが餌食となり始め、親友ラサロもゾンビに噛まれてしまい……。

 『死霊のはらわた』でゾンビ信者となり、『パルプ・フィクション』で映画作りを志望したというブルゲス監督。ゴアシーンの思い切りの良さは確かにサム・ライミ風味。それに無駄話に絡めた過去の紛争や事件などキューバ社会を皮肉った台詞や設定もそうですが、深刻な話に対して深刻な感情を表に出さない(最後にやることはやる)登場人物たちというのはタランティーノ的スジ運びかも。

 ハバナの南国めいた風景が徐々に荒廃し、絶望的な事態に陥っても、日々の辛苦を飲み込むかのような陽気なキューバ音楽に乗せて、ゾンビ禍を生き抜いていくフアンたち──これって未だ不透明なキューバ社会を生きるキューバ人の姿そのものなのかしら! てな気持ちになってまいります。エンディングはベタだけどグッと来ます。

 キューバ初のゾンビ映画としてレアな本作ですが、プロレス界のキューバ物件も意外とレア。往年のファンには年代によって複数存在した「キューバン・アサシン」が有名ですが、いずれもちょっと微妙な方々でした。

 90年代になると米国WCWやメキシコAAAの第一線で活躍したコナンがようやく登場。ちなみに本作中でフアンの娘が「マイアミに移るわ」と口にしますが、キューバ移民の多くがマイアミを目指すそうで、コナンも幼少期に家族と共に移住したそうです。

 移民が(建前上)合法化された近年になると、ROHや新日本プロレスなどを主戦場とするロッキー・ロメロ、AAAの米国支部Lucha Undergroundのコルテス・カストロことリッキー・レイズなども活躍するようになりました。
この二人は「ハバナ・ピットブルズ」という純キューバ人タッグ・チームを組んでいたことでも知られます。

 国交正常化の暁には、さらなるキューバ産ゾンビ映画、キューバ出身レスラーの登場を共に期待したいですね。

(文/シングウヤスアキ)

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