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六本木のガンダム展 「昭和と平成の変化を味わえる」と識者

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 今秋、「機動戦士ガンダム」の新シリーズが始まる。それに先だって、東京・六本木では展覧会も開かれている。ガンダム世界に傾倒する千葉商科大学国際教養学部専任講師の常見陽平氏が熱く語る。

 * * *
 2015年は、ガンダム好きにとっては、たまらない年です。ガンプラ(R)35周年です。東京の六本木ヒルズにある森アーツセンターギャラリーでは「機動戦士ガンダム展」THE ART OF GUNDAMが開催されています。さらに、この秋、シリーズ最新作『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』がスタートします。

 言うまでもなく、節目の年ですが、今年からガンダムのさらなる快進撃が始まるのではないか、と。先日、「機動戦士ガンダム展」THE ART OF GUNDAMに参加し、私はそう確信しました。というわけで、このイベントをレポートしつつ、また最新作の見どころをお伝えしつつ、その意義について考えてみたいと思います。

 最初に言っておきます。私は、ガンダムが大好きな人材です。幼い頃から何度も、何度も観ました。『僕たちはガンダムのジムである』(ヴィレッジブックス)という本も出しました。この本がご縁で、『機動戦士ガンダム』の監督である富野由悠季氏、『機動戦士ガンダムUC』の作者である福井晴敏氏と鼎談したこともあります。今回のガンダム展の図録にも、私のインタビューが掲載されていますよ。

 そんな関係もあり、「機動戦士ガンダム展」THE ART OF GUNDAMが始まる前日に、関係者内覧会に参加することができたのですが……。いやあ、泣きました。何度も泣きました。絶対に行った方がいいですよ、これ。できるだけネタバレしないように、レポートしますね。

 まず、名セリフが散りばめられた壁にやられます。さらに、上映室でオープニングムービーが。これがまた、ド迫力で感涙です。その部屋を出たあとは、『機動戦士ガンダム』が生まれるまでの貴重な資料、台本、富野由悠季氏の作業机を再現したコーナー、キャラクターやモビルスーツのデザインが並びます。純金や純銀で出来たガンダム、さらには実物大のガンダムの頭部が展示されており、圧巻です。

 展示室を出た場所にある、物販コーナーは散財注意です。ここだけでしか買えない記念ガンプラもそうですが、名シーンを取り上げた絵葉書、メモ帳などの文房具もいちいちかっこいいです。ビームサーベルポッキーなんていうものもありますよ。出口にはトヨタ自動車とコラボしたシャア専用オーリスの展示も。ご覧のとおり、ガンダム三昧なのです、本当に。

 と、かなり端折った説明でしたが、『機動戦士ガンダム』を世に出すための関係者たちの想い、そして積み重ねてきた歴史を感じることのできる展示でした。

 この展示を見た上で、最新作『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』の紹介ムービーなどを見ると、ガンダムというものがいまだにチャレンジを繰り返し、進化していることを感じます。

 公式HPによると、あらすじは次のようになっています。

 かつて「厄祭戦」と呼ばれる大きな戦争があった。その戦争が終結してから、約300年。

 地球圏はそれまでの統治機構を失い、新しい支配体系をもって新たな世界が構築されていた。仮初めの平和が訪れる一方で、地球から離れた火星圏では、新たな戦いの火種が生まれつつあった。

 主人公の少年、三日月・オーガスが所属する民間警備会社「クリュセ・ガード・セキュリティ」(以下:CGS)は、地球の一勢力の統治下にある火星都市クリュセを独立させようとする少女、「クーデリア・藍那(あいな)・バーンスタイン」の護衛任務を受ける。しかし、反乱の芽を摘み取ろうとする武力組織「ギャラルホルン」の襲撃を受けたCGSは、三日月ら子供たちを囮にして撤退を始めてしまう。

 少年達のリーダー、「オルガ・イツカ」はこれを機に自分たちを虐げてきた大人たちに反旗を翻してクーデターを決意。オルガに「ギャラルホルン」の撃退を託された三日月は、CGSの動力炉として使用されていた「厄祭戦」時代のモビルスーツ、「ガンダム・バルバトス」を用いて戦いに挑む。
(以上、公式HPより引用)

 どうです? かなり攻めている、今までとはまったく違う設定でしょう?

 7月15日に行われた発表会は、世界に向けてネット中継されました。今回の作品は主人公の少年たちの絆や挫折、成長など人間ドラマに焦点を絞り、少年たちの物語としての魅力と、それに伴って変化を遂げていく「ガンダム」の姿を描くとのこと。「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」などで知られる監督の長井龍雪氏を始め、新進気鋭の豪華スタッフが作品を作り上げます。MBS・TBS系列全国28局ネットで10月4日(日)17:00より放送開始です。

 この設定、さらには告知映像を見て、まさに新時代のガンダムだと確信した次第です。そして、ガンダムシリーズは作品の位置づけが見事に整理されたように思います。ガンダムシリーズは、最初の作品である『機動戦士ガンダム』と同じ宇宙世紀の設定でなんらかのつながりがあるものと、そうではないものに、大きく二つに分けられると思います。

 ただ、後者のつながりのないものに関しても、旧来のガンダムファンの期待に応え、取り込むために、あるいは新しいファンにガンダムの世界観を伝えるために、過去作品のシーンやセリフなどのオマージュ的な要素を盛り込む、声優やナレーターに過去作品で登場した方を起用するなどの取り組みを行ってきました。また、いかにもプラモデルなどのグッズを「売らんかな」という姿勢が感じられる作品があったことも否めません。諸々、事情があるのでこれらのことを悪いとは言い切れません。一方で、マンネリ感、中途半端感がある作品が存在したのも事実ではないかと。

 ここ数年では、このあたりが上手く整理され、現在、イベント上映、ネット配信、Blu-ray&DVDなどで公開されている『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』や、昨年、映像版が完結した『機動戦士ガンダムUC』のように、最初の作品である『機動戦士ガンダム』に関連する続編、外伝的な作品、最新作『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』のような新しいチャレンジをする作品、さらには明らかにより低年齢層にふった作品で分けて展開することにより、住み分けを行うとともに、ターゲットを明確化していると感じられます。

 私が『僕たちはガンダムのジムである』で論じたように、これまでの『機動戦士ガンダム』シリーズというのは、新卒一括採用でなんとなく入った企業で、様々な経験を積みつつ、理不尽な想いもしつつ、組織に居場所を求めていく物語だと捉えています。ただ、世界観が昭和だなとも感じます。

 今回の『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』は、社会や企業の中で居場所を探すことの出来ない中、個人の絆に着目している点が2015年っぽいと思っていますし、今の10~20代の共感を呼ぶのではないかと思っています。

 やや長くなってしまいましたが、『機動戦士ガンダム』を通じて、昭和~平成の変化を味わうことができるイベントとなっておりますので、ぜひガンダム展に行ってみてください。そして、新作も応援しましょう。


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