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中国 安倍談話を必死で牽制する背景には習主席のメンツあり

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 安倍晋三首相が今月14日をめどに発表する「戦後70年談話」について、中国側から安倍首相を牽制する発言や報道が目立っている。戦争の当事国とはいえ、他国の最高指導者が発表する談話に注文を付けるのは極めて異例で、その内容も恫喝に近く、外交上極めて非礼と言わざるを得ない。

 中国政府の意向を露骨に反映させたのが、今月2日の中国国営新華社通信が配信した記事だ。この内容は戦後70年談話について、先の大戦に関する「痛切な反省」を明記しても「おわび」の表明がなければ、戦後50年の村山富市首相の談話と比べて「深刻な後退だ」というもの。

 新華社電は今年6月24日の社論でも、「植民地統治」「侵略」「おわび」を70年談話に盛り込むべき「3つのキーワード」として「回避することが許されない」と強調している。これだけでも内政干渉だといえるが、「3つのキーワードが残るかどうかは首相の歴史問題に対処する上での態度を試す尺度であり、アジアの平和と安定にかかわる」という結びの一節は恫喝に近いといえよう。

 また、中国共産党の最高幹部である党政治局常務委員のなかでも、序列第4位のユ正声・中国人民政治協商会議(政協)主席も今年6月、自民党訪中団と会見した際、70年談話に、村山談話の中にある「侵略」と「お詫び」を入れるよう強く求めている。中国の中でも隋一の知日派である唐家セン・元国務委員も同様の発言を繰り返している。

 駐日中国大使も務めた王毅外相もことあるごとに同じ趣旨の内容をしつこく述べている。

 王氏は6月27日、北京で開かれている「世界平和フォーラム」で講演し「日本の指導者は歴史(認識問題)の被告席に立ち続けるのか、侵略を受けた国と和解するのか、これは日本が解決しなければならない重大な問題だ」と述べるとともに、今年は「反ファシストと抗日戦争勝利70年」であり、「中国を含め世界各国は侵略を美化するいかなる言行にも反対だ」とも語っている。

 中国人民対外友好協会会長で習近平国家主席に近い李小林氏も自民党訪中団に対して、安倍晋三首相の対中外交について「関係改善を主張しながら言行不一致だ」と強い不信感を表明していたと伝えられており、中国側の70年談話に対する態度は度を超しており、ヒステリックとさえ映る。

 これについて、『習近平の「反日作戦」』の著書があり、中国問題に詳しいジャーナリスト、相馬勝氏は次のように解説する。

「これらの発言や報道については、最高指導者である習近平・国家主席の強い意向が働いているのは間違いない。謝罪や侵略の表現が含んだ村山談話、河野談話はそれぞれ江沢民、胡錦濤時代に出されており、習指導部時代の安倍談話にそれらのキーワードが含まれていなければ、習氏のメンツが潰された形となる。

 そればかりか、長老指導者を中心に、習氏の対日弱腰姿勢と批判されて政治的に危機的な状態に陥ることも考えられるため、習氏としては70年談話に侵略、謝罪などの3つのキーワードを入れさせようと必死なのではないか」


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