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年350杯食す「ゴーラー」が厳選 衝撃的に旨かったかき氷5

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 数年前からブームのかき氷。美味しい氷を求めて日本中の店を巡り、多くのかき氷を食すかき氷フリークのことを“ゴーラー”と呼ぶ。

 今売れている『にっぽん氷の図鑑 かき氷ジャーニー』(ぴあ)の著者で、かき氷評論家・かき氷写真家の原田泉さんもそのひとり。『世にも奇妙な物語』をはじめドラマや映画を製作してきた映像作家・プロデューサーだが、大のかき氷好きが高じてかき氷評論家に。ロケなどで訪れた各地で出会った氷たちを真冬でも食べて写真をSNSに投稿しており、年間200~350杯を食している。

 原田さんによると、かき氷の種類は4つ。第一世代と呼ばれるカラーシロップ系、白熊にルーツを持つ、アイスクリームやお菓子、果物、ゼリーなどをあしらった第二世代。お茶シロップに餡子や白玉などを組み合わせた日本の伝統的な甘味系。そして今ムーブメントを起こしているのが、ココアや生クリーム、ナッツなどの洋菓子や、エスプーマなど西洋料理の要素を取り入れた新世代系(進化系)だという。

 そこで、旅するゴーラー・原田さんに、これまで食べてきたかき氷の中で、衝撃を受けたかき氷を5つ厳選してもらった。まずは奇想天外な氷と、巨大なかき氷から。

■高知・ひろめ市場『ほてい茶屋』
 鰹のタタキが乗った仰天のかき氷だが、実はこれは酒飲みの為に考案されたセルフメイドの裏メニュー。ほてい茶屋で特製の「土佐氷」を頼み、市場で買った鰹のタタキを乗せる。

「酒飲みが多い高知の方が、酒のつまみのように食べているかき氷なんです。甘くないゆずシロップがかかった氷に、鰹のタタキが乗っていて、ポン酢と薬味をかけて食べる。味は鰹のタタキではありますが、氷を乗せて食べる分、フレッシュな感じです。かき氷という意味では違うものかもしれませんが、かき氷の楽しみ方としては面白い。高知らしい食べ物だなと思います。最後まで飽きずに食べられます。イベント的にみんなでつつくみたいです」

■宮崎・宮崎市『百姓うどん』
 つららのように細長く屹立する高さ63cmの超ジャンボかき氷は、店主の岩切さんが、お客さんの喜ぶ顔が見たくて考案したという。

「味は縁日の屋台などで食べるカラーシロップの氷の味ですが、やはりイベント的にみんなで食べられる楽しい氷です。1個をだいたい8人くらいで食べるようです。てっぺんからかじりつくのもいいですが、お店が推奨する食べ方は、両手にカップを持ち、両方から先端の氷を横からはさんでひとりに渡して、上から順番に取り分けていきます。この巨大さは驚きですよ」

 続いては、「衝撃的な美味しさ」という氷屋を2軒ご紹介。

■宮城・仙台『梵くら』
「新幹線に乗って日帰りでも食べに行く価値アリ」という店。提供できる数が少なく「開店前に整理券を受け取ることを強くお勧めします」と原田さん。原田さんイチオシの『無農薬レモンミルク』の他に、『三種のナッツに無農薬ラズベリー』(1600円)などがある。

「非常にいい素材を使っていて、味が繊細でとても美味しい。ほとんどの果物が無農薬です。その分値段は高いですが、全然惜しくない。食べると素材の良さがハッキリとわかります。1時間で作れるのが5杯ほどなので、売れる数も少ない。普通は数をたくさん売ろうと考える中、いい素材で丁寧に作っている希少な氷屋だと思います。

 レシピが非常に計算されていて、例えばレモンミルクなら、レモンの酸味や甘さが立ちすぎず、ミルクとレモンと糖分、全てのバランスが抜群です。最後の仕上げにかけるレモンピールの香りも素晴らしい。レモンピールを使ったかき氷は、ここが初めてではないでしょうか」

■奈良・餅飯殿町『ほうせき箱』
 今、奈良のかき氷がアツいと原田さん。とりわけ注目を集めているのがこのお店。フランス料理に使われる、エスプーマという調理法で作られるシロップのかき氷が楽しめる。

「ムースのようなきめ細かい泡状の生クリームが、かき氷とよくなじみます。店主の岡田さんの味覚で調合しているクリームが、新しい味で非常に美味しい。今、奈良では氷室神社の膝元で、20店舗ほどが群雄割拠に美味しい味を競って作っています。京都にたくさんある昔ながらの甘味屋や和菓子屋の氷と違い、新しい食材や果物を使った東京的な氷が主流で、昔は関西でかき氷といったら京都でしたが、今は奈良に変わりつつあります。その中でも特に注目を集めているお店です」

 続いては、辿り着けない人も多く、原田さんも途中で挫折しかけたほど「衝撃的に遠かった」という氷屋さん。

■大分・耶馬渓『和・カフェ蛍茶園』
 無農薬の茶農家のご主人と奥さんがふたりで経営している。とにかく遠く、辿り着けずに山奥で涙をのんだゴーラーは多数…

「無農薬で、非常にフレッシュな抹茶を使っているので、香りがとてつもなくいい。無農薬でお茶を作れるような山奥なので、3割くらいは辿り着けず挫折して帰ってしまうらしいです。それでも前回の3連休には300人来たとか。ご主人が作るお茶や地元の果物を使って、東京の有名店『しもきた茶苑大山』で修行した奥さんが氷を作っていますが、削り方が大山さん仕込みで非常に上手。田舎では食べられない都会的な味と、お茶の良さ、オープンエアのお店で里山の景色も空気もいいことから、休日にみんなが押し寄せてくるお店です」

 最後に、原田さんイチオシのかき氷店を聞いた。

■埼玉・熊谷『慈げん』
「かき氷の聖地」と言われる。素材選び、シロップ作り、氷の削り方…美味しさを厳しく追求した完成度の高い氷が提供される。慈げんに行くことをゴーラーは「聖地巡礼」と呼ぶ。食べログスイーツ部門全国1位にも輝いた。

「もちろん味が美味しいのと、種類が非常に多い。新作や季節のメニュー以外にも、クリスマス、正月、バレンタインなどイベント氷を出しています。限定販売の氷がたくさんあって、必ず新しい味が食べられる楽しさがあります。慈げんの良さは、材料と食材のクオリティーの高さとアイデアの面白さ。各地のお店が、味やアイデアを真似しているようなところがあります。慈げんを目標にしたいと、地方でかき氷のムーブメントが始まっているといっても過言ではないと思います」

 ふわっふわの氷に趣向を凝らしたさまざまな味のシロップやクリーム、トッピングが乗って味も装いも進化したかき氷たち。この酷暑の中で至福の時を与えてくれるだろう。


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