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選挙権だけでなく飲酒・喫煙・賭博等も18歳に統一をと大前氏

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 選挙権が18歳以上に引き下げられた。20年以上前から選挙権も成人年齢も18歳に統一すべきと提案してきた大前研一氏が、選挙権だけを引き下げることによって生じる矛盾について解説する。

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 選挙権年齢を20歳以上から18歳以上に引き下げる改正公職選挙法が、あっさり成立した。選挙権年齢が変更されるのは25歳以上から20歳以上になった第2次世界大戦敗戦直後の1945年以来70年ぶりで、18~19歳の約240万人が新たに有権者となる。

 だが、その後、民法上の成年年齢(20歳以上)や少年法の適用年齢(20歳未満)なども「18歳」に揃えるべきかについては、いっこうに議論が盛り上がる気配がない。この間、安全保障法案の審議や新国立競技場建設問題などがマスコミ・世論の主要議題になっていたから、というのは言い訳にすぎない。一刻も早く、議論を進めるべきだと思う。

 私は1993年に出版した『新・大前研一レポート』(講談社)などで20年以上も前から、選挙権も成人年齢も少年法の適用年齢も飲酒も喫煙もギャンブルもバイクの運転免許もすべて18歳に統一するとともに、義務教育を18歳(高校修了)まで延長することを提案してきた。
 
 すなわち、18歳で大人としての権利を付与する代わりに、18歳で大人としての責任と義務を果たせる人間、これからの難しい社会で生きていける人間を作り出せるように教育を大改革すべきだと一貫して主張し続けている。

 何をもって大人とするのか、何をもって社会人とするのかということほど国家にとって大切な議論はない。なぜなら、国家を構成するのは社会人であり、社会人になるまでは“見習い”だからである。

 その点で今の日本には大きな矛盾がある。義務教育が中学校までのため、中卒の15歳で社会人になった人は税金を払って国民の義務を果たしているにもかかわらず、選挙権をはじめ大人としての権利は何も持っていないということだ(だから私は、義務教育を高校まで延長すべきだと考えている)。

 この議論の中でいつも出てくるのは、今の20歳を見てもまともな大人とは言えない幼い若者たちが多いから、成人年齢まで18歳に引き下げるのは反対だという意見である。
 
 しかし、私の意見は逆だ。仮に18歳なら18歳、20歳なら20歳を「成人」と決めたら、その年齢までに成人と呼ぶにふさわしい人間になるよう育てる教育をすべきなのであって、日本人は何歳になったら大人になるのかという議論は、全く意味のない本末転倒の議論だと思う。

 むしろ重要なのは、21世紀の日本にはどういう社会人が必要なのか、そのために(税金を投入する)義務教育の内容はどうあるべきなのか、という議論だ。

 それはたとえば、お金を借りたら必ず返しましょう、喫煙する時はこういうマナーを守りましょうといった初歩的なことに始まり、自分が住むコミュニティに対してどのような貢献をしなければならないのか、日本の社会人として世界にどういう責任を持つべきなのか、といったことまで幅広い。ところが、そのような教育は今の文部科学省の指導要領の中にはほとんどないのである。これは極めて由々しき問題だと思う。

※週刊ポスト2015年8月14日号


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