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Album Review: androp『androp』 今バンドが届けたい想いが詰まった優しく熱いロック・アルバム

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 何かに迷った時に聴くと寄り添って背中を押してくれるようなメッセージが強い。優しく熱い「ロック」が染み渡る一枚だ。2009年に1stアルバム『anew』でデビューして以来、『note』『door』『relight』『one and zero』そして『period』と、頭文字を合わせると<androp>になる6作をこれまでにリリースしてきたandrop。1年5か月ぶりとなる本アルバムでセルフタイトルを冠したのは、“今”が区切り、もしくは次へのステップということだろうか。

 本作には、自身初のTVCMソング「Yeah! Yeah! Yeah!」を含めタイアップ曲が4曲収録されているが、彼らの曲を起用するポイントはどこなのだろうかとアルバムを聴いていると、歌詞や曲から溢れる“生命力”の強さに心がざわざわする感じを覚えた。他人同士で顔を見なくともコミュニケーションを取れる手段が増え、真正面から人と向き合うことが世代を問わず減っている昨今だが、人からエネルギーを受け取るのはやはり必要なことだ。Vo. 内澤の切なく叫ぶような歌声は、臨場感溢れるサウンドとともにリスナーの心を真っ直ぐ突いてくる。歌詞でいえば1曲目「Yeah! Yeah! Yeah!」で<君はまっすぐ進んでる 君の向く方向に何がある?>と問いかけて自身と対峙させるような言葉も聴き手の心を動かしている。感情を揺さぶられるような生命力が詰まった音楽が今の時代だからこそ響くのだ。

 ライブでのアートワークにもこだわりが強く評価も高いandropは、その音作りにも細部まで余念がない。「Dreamer」のような4つ打ちのビートを刻む躍動感あふれるものもあれば、「Songs」や「Star」では静かなバラードをきちんと聴かせるなど、演奏の振れ幅も広く、聴き手も1枚のアルバムで様々なサウンドアプローチに触れることができる。そして、「From here」の中の<「今」しかココに見えていないよ>や、「Shout」の<正しさ祈るより今を見てよ>のように “今”という言葉が頻繁に歌詞に登場する。今届けたい彼らの想いが曲となっている。胸の奥に優しく突き刺さるアルバムだ。

Text:神人未稀

◎リリース情報
『androp』
2015/08/05 RELEASE
<初回限定盤>[CD+DVD]
WPZL-31063/4 3,500円(tax out.)
<通常盤>[CDのみ]
WPCL-12178 3,000円(tax out.)

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