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ロナウド、ハメス、ディ・マリア…サッカー界のスーパースターたちを支える代理人・メンデスの仕事術

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「ジョルジュは約束したことは必ず実行してきた。彼がいなければ今の自分はなかったと言えるだろう。家族同然の彼には心の底から感謝している」(クリスティアーノ・ロナウド)

 世界一のサッカー選手との呼び声が高いロナウドですが、彼は上記のような言葉を代理人であるジョルジュ・メンデスに送っています。ロナウドの名前は誰もが知っていますが、その代理人であるメンデスについて、詳しく知らない人がほとんどでしょう。
 メンデスの顧客である選手たちにはビッグネームが並びます。ロナウド、ハメス・ロドリゲス、アンヘル・ディ・マリア、ジエゴ・コスタ、ペペなど、どの選手も2014年ブラジルワールドカップに出場した選手であり、所属クラブもレアル・マドリードやマンチェスター・ユナイテッドなどのビッグクラブです。

 『サッカー代理人 ジョルジュ・メンデス』(ミゲル・クエスタ、ジョナタン・サンチェス/著、木村浩嗣/訳、ソル・メディア/刊)は、サッカー業界No.1代理人であるメンデスがどういった仕事をしているかを明らかにした貴重な本です。
 メンデスはその人脈や交渉手腕も卓越したものを有していますが、彼が優れているのは顧客である選手との信頼関係を築く能力です。ここではいくつかの選手とメンデスとのエピソードを取りあげます。

■失意のファルカオが頼りにした人物
 コロンビア代表のストライカーであるラダメル・ファルカオは、2013年に5月にフランスリーグのASモナコへと移籍しました。レアル・マドリードへの移籍が確実視されていた中でのモナコ移籍は大きな衝撃を与えるものでしたが、ファルカオがモナコを選んだ理由は、消耗の少ないフランスリーグでプレーをすることで、翌年に控えたワールドカップに向けて万全の体制で臨みたいからというものでした。
 しかし、2014年1月22日、ファルカオは練習試合で左ひざの前十字靭帯を損傷します。このアクシデントに対し、ファルカオは当日の夜に代理人であるメンデスに電話をしました。ファルカオを落ち着かせるため、ワールドカップへ行けるよう全ての手を尽くすことを約束したメンデスは手術の担当医を決め、手術後もファルカオとその妻の心の支えとなりました。手術後にメンデスとファルカオ夫妻が夕食会を行ったとき、メンデスはブラジル代表監督のスコラーリに電話を繋ぎ、ファルカオに対して励ましの言葉をかけるよう頼みました。元ブラジル代表のロナウドが同様の怪我を経験していたため、スコラーリは怪我をした選手の苦しみを理解していると考えたからです。このように、メンデスはサッカー界の人と人とを繋ぐことにより、その選手がどれだけサッカー界から大切に思われているかを認識させ、選手を勇気付けようとしているのです。

■ジエゴ・コスタを支え続けた男
 ジエゴ・コスタのサッカー人生は平坦なものではありませんでした。今でこそ名門チェルシーのストライカーとして活躍する彼ですが、大きな怪我や度重なるレンタルを経験してきました。
 コスタは16歳の時、メンデスと出会います。メンデスはコスタと初めて会ったとき、握手をしながら「お前がやるべきことをやれば、偉大な人物、選手にしてあげる」と言い、この後もコスタに対し揺ぎ無い信頼を寄せ続けました。メンデスの手腕もあり、コスタは2007年にスペインの名門アトレティコ・マドリードに移籍します。しかし、その後彼は様々なクラブへレンタルに出され、再びアトレティコに戻ったと思いきや今度は開幕前からひざの靭帯を切る大怪我を負ってしまいます。クラブから選手登録外とされたコスタは、やっと手に入れたアトレティコでのキャリアを失う危機に陥りました。コスタは6ヶ月間プレーをすることが出来ないと分かり、アトレティコとの契約更新は絶望的な状況でした。
 手術を終えたコスタは、メンデスから連絡を受けます。「(契約更新については)全部こちらで手配するから1週間ほど家族と休んでこい。その後で契約の話をしよう。全て忘れろ。私が全部やるから任せておけ。」
 メンデスは、コスタが家族とゆっくり過ごせるように手配をし、コスタが契約について気にすることなく休めるよう配慮をしました。その後、メンデスはアトレティコとの契約更新に望み、コスタの契約更新を勝ち取ってきました。
 コスタはメンデスに絶大な信頼を寄せ、その後見事に復活を遂げ、バルセロナとレアル・マドリードを破りリーグ優勝を果たす原動力となります。

 サッカー界のスターたちは、その華やかさの裏で大きな挫折を経験しています。その挫折から立ち直り、再び輝きを取り戻すためには周囲の協力が必要不可欠です。選手の移籍価格の高騰など、代理人ビジネスは批判を受けることもありますが、メンデスの様な代理人の存在がなければ多くのスター選手は日の目を見ないまま埋もれていったでしょう。選手から厚い信頼を寄せられる代理人は、サッカー界の未来を作る職業だということが本書から伝わってきます。
(新刊JP編集部)


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