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Album Review: ハウシュカ 日本でのライヴ音源収録!ポスト・クラシカル界の旗手が奏でる最良のアンビエント・ミュージック

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 ハウシュカはドイツ出身の現代音楽作家だ。現代音楽というと、思わず身構えてしまう方も多いだろうが、彼の作り出す音楽はもっと感覚的に楽しめるものだ。持ち味のひとつとして、プリペアド・ピアノを多用すること。ピアノの弦の部分にゴムや金属などを挟み込み、変わった音色を出して打楽器のように使うという演奏手法をエレクトロニックやノイズなどと掛け合わせることで、独特のミニマル・ミュージックを構築していく。その中にはメロディアスなフレーズも挟み込まれ、ハウスやテクノにも通じる酩酊感を与えてくれるのだ。

 この新作『2.11.14』は、日本でのライヴ・パフォーマンスと、昨年発表の大傑作『Abandoned City』のアウトテイクから選りすぐったものだそうだ。しかし、冒頭を飾る「Yufuin 1」と「Yufuin 2」というライヴ・テイクは、一聴するだけではライヴとは気付かないくらい緻密に構成されている。いずれも20分を超える大作で、タイトルからわかる通り、来日時に湯布院で行われた演奏を編集してある。「Yufuin 1」はどこか琴の演奏を思わせるオリエンタルな雰囲気が感じられ、さざ波のように寄せては返す音の波がとにかく心地いい。一方の「Yufuin 2」では、アグレッシヴなプレイから伝わる躍動感とドローン状の音の渦との対比がユニークで、徐々にディープでノイジーな世界へと連れて行ってくれる。

 他にも聴きどころはたくさんあるが、デヴェンドラ・バンハートがリミックスした「Agdam」のような、水中の中で聴いているような感覚もユニークだ。実験音楽という側面から語るだけでなく、最良のアンビエント・ミュージックとしても楽しめる。ピアノを使った実験を突き詰めた結果、エレクトロニカやポスト・クラシカルとしての頂点を極めたハウシュカ。彼の探求はまだまだ続きそうだ。

◎リリース情報
『2.11.14』
ハウシュカ
2015/06/22 RELEASE
2,400円(tax incl.)

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