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ブルックリンに学ぶ[4] 17世紀の街並みが残るハドソンに注目

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ブルックリンに学ぶ住まいとまち

今回は大都市ニューヨークから飛び出し、ブルックリンから車で3時間の古き良き街Hudson(ハドソン)へ。17世紀の街並みが残るハドソンは、今やクリエイティブ系の人たちが集まりつつあるnext it townなのでした。●連載「ブルックリンに学ぶ 住まいとまちのつくり方」
5つあるニューヨークのエリアの中でもっとも人口の多いブルックリン(約250万人)。昨今さまざまなメディアでポートランドとともに注目を集めています。そんなブルックリンでは人々はどんな暮らしをしているのか? 住まいやまちづくりのヒントとなるような最新事情をお届けします。1.ギャラリーとアンティークショップが連なるメインストリート

アメリカ合衆国はもともと、ヨーロッパ人が東部地域(フィラデルフィアやワシントンなど)に入植してきて建設した国。その東部の入植地の代表格がここハドソンです。一説によると、ニューヨーク州で最も古い建物らが集まっている街だとか。

ハドソンは、17世紀にオランダ人が地元のモヒカン族から土地を購入したことをきっかけに、捕鯨をはじめとする漁業と造船で栄えました。しかし、一次産業によって発展した他の街々と同じく、80年代には街の産業はすっかり落ち目になります。

そのまま荒廃かと危ぶまれたハドソンですが、他にはない古い街並が90年代以降にアーティストやクリエイティブ系の人々に注目され、少しずつ新しい人が入ってくるように。今や、別荘を構えるニューヨーカーも現れ、古い家屋を活かしたショップやカフェがオープンするなど、新たなオシャレスポットとして人気を集めています。

かつては、生活必需品の小売店や銀行、郵便局などのサービス業が並んでいたと思われるメインロードの商店街。しかし、今ではすっかり様変わりして、ざっと歩いただけでもお店の半分以上は、アンティークショップ(主に家具)とギャラリーが占めていました。ハドソンの古い邸宅の上質なアンティークを、お手ごろ価格で手に入れようと週末にかけてニューヨークシティから物色に来る人も多いようです。

【画像1】古さを感じさせる商店の外観。ハドソンのメインストリートはこうした小さな商店が道路を挟んで両側に並び、一歩裏に入るともう住宅街というコンパクトさ(撮影:小野有理)

【画像1】古さを感じさせる商店の外観。ハドソンのメインストリートはこうした小さな商店が道路を挟んで両側に並び、一歩裏に入るともう住宅街というコンパクトさ(撮影:小野有理)

【画像2】画像1の商店のドア付近。崩れかけのレンガや朽ちかけているドアがなんともいい味を出している。ちなみに、ここは今、ビューティサロンになっている。なお商店にはポストが無いため、郵便物や新聞は直接ドアの下に差し込まれてる。誰も盗ったりしないのだろう。昔からのやり方が受け継がれ、時間の流れ方がニューヨークとは違う(撮影:小野有理)

【画像2】画像1の商店のドア付近。崩れかけのレンガや朽ちかけているドアがなんともいい味を出している。ちなみに、ここは今、ビューティサロンになっている。なお商店にはポストが無いため、郵便物や新聞は直接ドアの下に差し込まれてる。誰も盗ったりしないのだろう。昔からのやり方が受け継がれ、時間の流れ方がニューヨークとは違う(撮影:小野有理)

【画像3】メインストリートに面する商店の多くは、こうしたアンティーク家具の販売店に。昔ながらのショーウィンドーが活かされていて、お店が閉まっていても歩いて楽しい街になっている(撮影:小野有理)

【画像3】メインストリートに面する商店の多くは、こうしたアンティーク家具の販売店に。昔ながらのショーウィンドーが活かされていて、お店が閉まっていても歩いて楽しい街になっている(撮影:小野有理)2.ハンドメイドのポータル、Etsyもハドソンに

街を歩いているとEtsyのオフィスを見つけました。Etsy(https://www.etsy.com/)は、手づくりの作品の売買を目的とした、クリエイターとファンをつなぐオンラインショップ。140万のクリエイターと1980万ユーザーの購入者を抱え(2015年3月時点)、クラフト作品の販売サイトでは最大規模を誇るEtsyが、この街を選んだ理由はどこにあったのでしょう。

Etsyのサイトの次の一文(※1)がその理由を良く表しています。「ハドソンの街は創造的な人々に満ちている。街で話しかけた相手はみな、何かモノづくりに携わる人のようだ。The Albany Business Review(※2)
によると、ハドソンはニューヨーク州の中で最も自営業者が多い街だという。私たちEtsyは、このハドソンの、創意工夫やアート性、手でつくることを大事にする独特の雰囲気に惹かれてやってきた」

なお、この文章が載っているサイトには、オフィスの中の写真がずらり。自然豊かなハドソンを表す大きな鹿の壁画は自然光の下で温かい印象を与えます。また、リラックスして仕事ができるように、地元ハドソンのミュージシャンがBGMを作曲したそう。インテリアはハドソンのアンティークショップで仕入れた家具や、Etsyで人気の作家の作品が散りばめられ、Etsyがハドソンをいたく気に入ったことがよく分かります。気になる人はぜひ見てみてください。

【画像4】18世紀のレンガ工場をリノベーションしたEtsyのオフィス。上部には日光がたくさん入るよう、大胆な改修跡も見える。創業地のブルックリンから初めて飛び出し支社を設けた地は、ブルックリンにも通じるクラフトマンシップ漂うハドソンだった(撮影:小野有理)

【画像4】18世紀のレンガ工場をリノベーションしたEtsyのオフィス。上部には日光がたくさん入るよう、大胆な改修跡も見える。創業地のブルックリンから初めて飛び出し支社を設けた地は、ブルックリンにも通じるクラフトマンシップ漂うハドソンだった(撮影:小野有理)

【画像5】さりげないロゴも街並みと違和感なく馴染んでいる(撮影:小野有理)

【画像5】さりげないロゴも街並みと違和感なく馴染んでいる(撮影:小野有理)3.廃墟をアートスペースに。ーBasillica Hudosn

街の外れ、ハドソン川近くにとっても興味深い場所も見つけました。そこは19世紀の工場をアート系イベントスペースとして使うBasilica Hudson。ハドソン川流域に建設が予定された大規模セメント工場に反対するため、2003年にPatti Smithがコンサートを開いた場所としても有名です。その反対運動は地元住民の支持を得て成功。ハドソン川流域は昔ながらの風景を残すようになります。

河原に貨物列車の赤錆びた線路がむき出しになった地に、ぽつりとたたずむBasilica Hudson。そこは、今では地元のみならず外からも多くの人が訪れるイベントスペースになり、映画祭や展覧会、ウェディングまで行われていると言います。私たちが訪れたときはイベントがなかったので、ガランとした内部が見れましたが、何もかもが19世紀のまま残されているこのスペースは今やとても貴重なものだと感じました。

【画像6】大きく取られた窓が印象的なBasilica Hudsonの外観。あまりに大きくて全容を写すことが出来ませんでした(撮影:小野有理)

【画像6】大きく取られた窓が印象的なBasilica Hudsonの外観。あまりに大きくて全容を写すことが出来ませんでした(撮影:小野有理)

【画像7】内部の様子。天井がとっても高く、がらんとした雰囲気に惹かれる。ライブなんかにはもってこいでしょうね(撮影:小野有理)

【画像7】内部の様子。天井がとっても高く、がらんとした雰囲気に惹かれる。ライブなんかにはもってこいでしょうね(撮影:小野有理)

【画像8】目の前を走る線路。ずっと向こうまで延びる線路に、アメリカ大陸って広いよなぁなどと勝手な妄想が広がりました(撮影:小野有理)

【画像8】目の前を走る線路。ずっと向こうまで延びる線路に、アメリカ大陸って広いよなぁなどと勝手な妄想が広がりました(撮影:小野有理)

「ハドソンが面白いよ」と聞いて、思い立って出発したプチ旅行。ブルックリンからたったの3時間で、こんなにも違う雰囲気の街が楽しめるとは思っていませんでした。ハドソンの周辺は緑も豊かで、この日の私たちはキャンプすることに。ニューヨークに行ったら一日、こちらに足を延ばしてみるのもオススメです。
次はブルックリンの最新シェアオフィス事情についてお伝えします。

※1:Etsyのblog
※2:The Albany Business Review
元記事URL http://suumo.jp/journal/2015/07/28/94644/

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