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水面を体感できる写真展?! からみあう色彩が心地よい“奇跡に近い空模様”は必見

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いよいよ夏本番のこの季節。プールやキャンプなど外に遊びに行くのもいいけど、たまにはしっとりアートや作品に触れ、自分の感性を磨いてみてはいかがでしょう。

今回伺ったのは、横浜高島屋ギャラリーで7月29日(水)から8月10日(月)まで開催中の『遠藤湖舟 写真展 「天空の美、地上の美。」』。自然や宇宙を“体感”できるという写真展、その内容をご紹介いたします。

ギャラリートークに参加してみた!

展示初日の7月29日は11時と14時に、直接遠藤氏の作品解説を聞くことのできるトークイベントも開催されました。遠藤氏は、中学時代に天文写真と出会い、一旦は一般企業に就職していたのですが、20代半ばで仕事を辞め、写真家の道を志したとのこと。昨年11月に還暦を迎え、その頃から現在のような大きな個展を開くようになったのだそうです。

今回の展示は、“月” “太陽” “空” “星” “ゆらぎ” “かたわら”の6つのテーマ(楽章)で構成。会場内に流れているバッハの「無伴奏チェロ組曲」をききながらゆったりと作品を楽しむことができます。

会場に入ると、最初の“月”のテーマの、暗闇に様々な表情をみせる月の写真がずらり。どれもこれも美しく幻想的な作品が並びます。

ちなみに”ギャラリートーク”といえば、無骨で堅物な作家の方が淡々と作品について語る、とイメージしていました。しかし遠藤氏は、お客さんにより作品に親しんでいただけるよう、ユーモアに富んだ口調で作品を語ります。そして作品を前に、「月をみたことない人ー?」とジョークを入れたり、「大阪(前会場)ではみんな飴、持ってたんだよねえ。」と前列の人に飴を配ったりする気さくさを覗かせます。作品は渋くてカッコいいのに、性格はおちゃめ。しかもよくみると他の人と頭ひとつ抜けるくらいの高身長。こんなにイケメン要素たっぷりの方だったなんて、驚きです!

さて作品に戻りますが、月の陰になっている部分と光が照らされて、いわゆる”三日月”の形になっている部分のコントラストが美しい『地球照』。

「月の影の部分は、じつは我々にも”見えている”部分なのだが、肉眼では確認できない部分。また、太陽から地球に光が差し、その光で地球も実は月を照らしている。この作品で、肉眼では確認できない、太陽、地球、月の位置の関わりを感じることができる。」と遠藤氏はいいます。


また『燈彩月(下)』、『皆既光跡(上)』はなんと、車のテールランプやジェットエンジンの光越しに月を撮影した作品。人工的な光と月が重なり、何ともいえない空気を漂わせます。

“空”のテーマの『天空の色彩』は、鮮やかな色彩をほぼ無修正でアクリル板に写した作品。実際にそんな空模様に出逢えるなんて奇跡に近いものだと思いますが、「普段あまり見ない空を、機会があれば見上げてみてはいかがでしょう」と遠藤氏は提案します。身近なものでも、何度か見てみたり、よーく覗いてみたりすると、思わぬ景色に遭遇することは稀ではないようです。展示作品の中には、ご自宅玄関からの風景をとらえたものもあるのだとか! 遠藤氏の思わぬ風景の遭遇に、聞いている観客の間からもため息がこぼれます。


続いて、様々な作品を鑑賞する中で一際鮮やかなのが“ゆらぎ”のテーマ。全ての写真が水面を撮影したものですが、油画のようなグラデーションやCGで作り上げたような、まるで時空が歪んだかのような表現も、すべてご自宅近くの多摩川など、身近な場所で発見したものなのだそう。

昼間に撮られた作品なのに真っ黒な水面をとらえた『YURAGI-0611228765』や、水面に移った紅葉が黄金に輝く『YURAGI-1753751007』など、一見したところで水面にみえないものばかり! 複雑にうねり、からみあう色彩をいつまでもぼーっと観ていたくなりそう。

また、会場が横浜ということで、みなとみらいの観覧車のイルミネーションが水面に映った作品は、今回限定の作品なのだそうです。

写真の作品が帯に!高島屋7階に展示中

作品を一通り堪能したところで、遠藤氏の5つの作品がなんと京織物の老舗、龍村美術織物とのコラボレーションにより、帯となって販売しているとのこと。7階呉服サロンに見に行ってみました。


写真とはまた違う風合いで作品が表現され、ラメ糸がきらきら輝いてなんとも雅な雰囲気。おなじ画像でも映し出すものが違えばかなり印象は変わるものですね! ギャラリー観賞後は、是非こちらも覗いてみては。

気さくな遠藤氏とお話ししてみた!

会場にきているお客さんとフランクに話したりと、とにかくとっても気さくな遠藤氏。個別インタビューが可能とのことで、展示で気になったあれこれをぶつけてみました!

――今回は、貴重な機会をいただき、ありがとうございます。早速ですが、イベントの解説ではデジタルカメラを使って撮影しているとお聞きしましたが、本当に普通のカメラを使っているのですか?

遠藤氏:はい、よく使っているのは、35ミリの一眼レフ。あとは、コンデジも使ったりしています。

――こんなにきれいに撮れるものなのですね! トリミングや、色の修正などはどのようにされているのでしょうか?

遠藤氏:例えばコンデジは画面でフレーミングし、基本撮ったサイズをそのまま使っています。色はRAWファイルで保存、なるべく見た感じに近づけるようにしています。今は、自然の中の形や、色を発見するのがとても面白くて。いつか、がらっと色を編集した作品も考え中です。

――ちなみに、今回の展示では自然物を対象とさえていますが、人工物やプロダクトを撮ることはあるのですか?

遠藤氏:作品としてはないけど、撮ったことはあります。でも撮る時はきちっと撮りたい。自然物のみを対象としているのではなく、まだまだ視野を広げて撮っていきたい。
 また現代は、人の肩書きの境界が曖昧になっているように感じていて、単なる”写真家”ではなく“自然にあるものを拾い上げる”表現者であると自分では考えています。

――今回の展示で印象に残った作品は?

遠藤氏:アクリル板はプリントしたときに粒子が滑らかに表現され、サンプルを見たときにいけると思いました。帯に織りこんだり、和紙、アクリル板など多様な素材にプリントしているのは、従来の額縁に入った写真のイメージを脱出したかったから。まだまだいろんな素材に挑戦したいと思っています。

――なるほど。お忙しい中、本日はありがとうございました!

今回の取材で深く感じたことは、やはりパソコンやスマホの画面からでは感じることのできない写真の魅力を、感じることができたということ。デジタルな時代だからこそ、写真を出力して残す機会は重要なことであると感じました。また身近なものをよく観察し、作品を生み出す遠藤氏の感覚の繊細さ、軽く畳1畳を超える大きさの作品にも圧倒されました。

皆さんも是非、この記事では感じることのできない写真の魅力に触れてみてはいかがでしょうか?

その他の写真

【『遠藤湖舟 写真展 「天空の美、地上の美。」』概要】
開催日時:7月29日(水)~8月10日(月)
入場時間:午前10時~午後7時30分(午後8時閉場)、最終日は午後5時30分まで(午後6時閉場)
場所:横浜髙島屋ギャラリー8F
入場料:一般800円、大学・高校生600円、中学生以下無料(税込)
公式HP:http://www.takashimaya.co.jp/store/special/event/koshuendo.html
龍村美術織物:http://www.tatsumura.co.jp/news/news_20150703.html[リンク]

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