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死亡後に見つかった請求書も相続放棄の対象になる?

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Q.

 先日、実父が他界しました。その後、あちこちの通販で購入したと思われる請求書が多数見つかりました。こういったものは、相続放棄の対象になるのでしょうか?

(40代:男性)

A.

 相続とは、故人である被相続人の財産や借金などさまざまな権利・義務を相続人が包括的に承継することを意味します。そのため、ご指摘いただいた通販で購入した商品の代金支払い債務も相続人であるご相談者さまが引き受けることになります。

 次に、民法939条では相続放棄について、「相続の放棄をした者は、その相続に関しては、初めから相続人とならなかったものとみなす」と規定されています。したがって、相続放棄をすると、はじめから相続人ではないという扱いを受けるので、財産も借金も一切引き継がれなくなります。借金を引き継がないで良いという安心感はありますが、財産も引き継げなくなるという点には注意が必要です。
 一般的に、相続放棄を選択するのは、被相続人が有していた財産よりも借金の方が多い、いわゆる債務超過の状態が歴然としている場合が多いと言えます。

 他方で、一定程度の財産はあるものの支払債務もある。相続放棄をするのは惜しいが、かといって借金を背負うのは嫌だ、という場合には「限定承認」という方法もあります。限定承認とは、「相続によって得た財産の限度においてのみ非相続人の債務及び遺贈を弁済すべきことを留保して、相続の承認をすることができる」(民法922条)ものです。
 簡単にいえば、被相続人が残した借金や債務を被相続人の財産から支払いを行い、余った分があれば相続をできるというものです。詳細はわかりかねますが、ご相談者さまのお父様に一定程度の財産があり、見つかった請求書類を支払ったとしても余剰が十分にある場合、今後、追加的に大きな債務が見つかることへの予防線をはる意味でも、限定承認を行うのはひとつの方法だと思われます。

 相続放棄をすべきか限定承認をすべきかの判断については、基本的に被相続人の死亡後3ヶ月間以内に、家庭裁判所などに対して手続きを行うことで認められます(民法915条924条938条参照)。これを法律上、「熟慮期間」と言います。この期間を超過すると単純承認(財産も借金も引き継ぐ、一般的な相続)をしたものとみなされることになります。
 相続放棄をすべきか、限定承認をすべきかを判断するには、まず被相続人が残した財産と債務のバランスを確認するところからスタートします。ご相談内容からは詳細がわかりかねますが、請求書が多数見つかっているという状況ですので、生前のことを詳しく知っている方などにお話を聞くなどして、財産状況の詳細を把握することをおすすめします。
 ある程度の情報が集まった段階で、相続問題に明るい弁護士に相談されることをおすすめします。債務の見つかり方や財産状況を踏まえ、いずれの方法を選択すべきか、適切なアドバイスが得られるためです。

 注意点としては熟慮期間が3ヶ月間と短い点です。できるだけ初動を早く、場合によっては財産状況の調査も含めて弁護士に依頼するということも検討しておいたほうが良いと思われます。

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死亡後に見つかった請求書も相続放棄の対象になる?

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