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モンスター隣人のことを隠していた売主に損害賠償を請求できる?

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Q.

 こちらで決めた仕様で借地上に家を建ててもらい、建てた家を購入するという取り決めで話を進めていました。
 ほぼ打ち合わせも終わり、いざ地鎮祭、着工というタイミングで問題が発生しました。時折隣地にも聞こえる程の夫婦喧嘩をするという程度に重要説明を受けていた隣の家の夫婦が怒鳴り込んで来て、警察を呼ぶことにまでなってしまいました。とても普通の方とは思えません。
 その後の売主との話し合いで、心理的瑕疵の説明不足で責任は売主側にあると認められたのですが、今後の進め方が腑に落ちません。売主から提示された選択肢は、(1)手付金も返金して白紙解約か(2)借地権価格を700万円下げるので改めて瑕疵あり物件として契約し直し、このまま着工するか、の2つです(元々の価格は借地権・建物の総額で3,700万円ほどです)。
 今となっては、子供もいるので、そのままそこに住みたいとは到底思えないのですが、当初はあと数ヶ月でそこに住むつもりだったので、子供の学校のこともあり、物件の近くに引っ越して仮住まいしております。打ち合わせに数ヶ月にわたり数十回重ねてきたのもあり、白紙解約というのも納得がいきません。
 契約違反による賠償が20%と契約書にはありますが、売主側は今回の件は履行違反ではなく解約になるとのことで損害賠償には難色を示しております。このような場合、賠償金は取れるでしょうか?よろしくお願いいたします。

(30代:男性)

A.

 まず、ご相談の件についての法的構成を考えます。民法は、このような売買をめぐる紛争について、債務不履行責任(415条)と瑕疵担保責任(570条566条1項)の規定を設けています。ご相談の場合、特定の土地の借地権について、これを売り渡しその代金の支払いがなされれば、売買契約の債務はすべて履行されますので、債務不履行責任は問題になりません。このことは建物売買についても同様です。

 したがって、契約書に契約違反による賠償が20%とあったとしても、債務不履行(契約違反)という意味での損害賠償が発生することはなく、売主側に20%の損害賠償金を支払う責任は発生せず、その点では売主側の言い分が正しいということになります。

 次に、瑕疵担保責任ですが、そこでいう「瑕疵」とは、一般的には、借地権については土地が汚染されていたとか埋蔵物があったとかという、建物については家が傾いていたといったような物理的瑕疵を意味します。もっとも、近所の騒音や異臭、暴力団事務所が近隣にあるといった、環境瑕疵、心理的瑕疵も含まれると解されています。

 ご相談の場合、モンスター隣人ということですので、環境瑕疵と心理的瑕疵が混在しているものと考えることができます。ただ、この瑕疵が、瑕疵担保責任を発生させる程度の瑕疵であるかは問題ですが、売主側が、心理的瑕疵を認めているようなので、瑕疵に該当することを前提として説明します。
 瑕疵担保責任の効果は、損害賠償請求と契約解除ですが、契約解除については、契約をした目的を達することができない場合に限定して認められます。もっとも、双方の合意による解約はできます。

 まず、契約を解除せずに損害賠償を請求する場合ですが、ご相談の場合、うかつに返答はできませんが、700万円の減額(その額での損害賠償という意味を有します)であれば、環境瑕疵と心理的瑕疵の程度からして、決して少ない金額であるとはいえないと思われます。今後、裁判となったとしても、それ以上の賠償を求めることは容易ではないと考えます。

 他方、契約解除に併せて、損害賠償を求めることもできますが、その損害は、瑕疵があるために無効である契約について、これが有効に成立していたと信頼したことによって被った損害(信頼利益といいます)に限定されて認めるというのが、判例の趨勢です。
 とすれば、例えば、そこに引っ越してくるための準備のための費用程度しか損害として認められないことになります。

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モンスター隣人のことを隠していた売主に損害賠償を請求できる?

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