「笑い袋」の生みの親が語る面白グッズの制作極意とは? 映画『さよなら、人類』を絶賛

access_time create folderエンタメ 映画
main  2

アカデミー賞®受賞作『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』を抑え第71回ヴェネチア国際映画祭にて金獅子賞(グランプリ)を受賞した『さよなら、人類』が8月8日(土)より公開となります。

本作は、面白グッズを売り歩く冴えないセールスマンコンビ、サムとヨナタンが、現代のドン・キホーテとサン チョ・パンサのように、さまざま人たちの人生を目撃していきます。劇中では、そんな二人が売り歩いてい る面白グッズ「笑い袋」や「ドラキュラの歯」そして「歯抜けじじいのマスク」などなどテンテンスウェーデン映画にもかかわらず、日本でも誰もが一度は目にしたことがある、どこか懐かしい品々が印象的に登場します。

なんだか見ているだけで、心がほぐれてクスッと笑えてくる面白グッズ。本作の前売り特典「どっきりアイスセット」もご提供いただいている株式会社アイコは、 実は、面白グッズの中でも王道中の王道「笑い袋」を世界で初めて販売した、日本が誇る面白グッズ・パーティーグッズを扱う老舗企業なんです。

今回、『さよなら、人類』に全面協力している株式会社アイコに、意外に知られていない面白グッズ誕 生秘話&制作の極意を教えてもらいました!

劇中にも登場!「笑い袋」実は、日本でのヒットよりも先にアメリカで人気が爆発していた

『さよなら、人類』で、弱気なセールスマン、ヨナタンの鞄の中に常備されている「笑い袋」。なかなか思うように商品が売れないサムとヨナタンを嘲笑うかの如く「笑い袋」の笑い声が天 高らかに響くシーンは、思いがけず観客の笑いを誘います。そんな「笑い袋」だが、案外、 海外から輸入されて日本に入ってきたと思っている方も多いのではないでしょうか? しかし、 実は日本の企業である株式会社アイコが制作販売したものなんです。

当時、取引先であるアメリカの某大企業の有名キャラクターの人形の中に「笑い声」を入れたものを作ってほしいと依頼があり制作販売したものの、一般的に「人形から笑い声がする」というのが考えられなかった時代だったため全く受け入れられず、大量の在庫が残ってしまったそう。

この在庫を何とかせねばと苦悩し、試行錯誤した結果、シンプルに「笑い声を袋に入れてぶら下げる」というアイディアが採用され、袋にピエロのデザインを入れてアメリカで再び販売したところ大ブレーク! 月産20万個もの生産体制を引く爆発的人気商品となった。その1年後には、アメリカのヒットを受けて日本でも販売することに。その後は、国境を越えて世界各国で人気を博した「笑い袋」は元祖面白グッズとして定着していきました。

一個一個小さなレコード盤に笑い声を吹き込み、再生するというアナログな仕組みにこだわり制作していたため、原盤が耐用限度を超えてしまい「電子音では人を笑わせるような、あたたかみのある笑い声にならない」との信念から、現在、株式会社アイコの「笑い袋」は惜しまれつつ廃盤となっています。ひとつひとつ、心をこめて作った商品だからこそ、販売から30 年以上経つ今でも人の心をつかんで離さないものになったのかもしれませんね。

意外性があるから面白くなる!面白グッズを生み出し続けてきたプロも映画をお気に入り

これまで、「笑い袋」を筆頭に、バラエティ番組や芸人が使用し人気に火がついた「アニマルマスク」、 お笑い手品師マギー審司さんがネタで使い世代を問わず高い人気を誇る「ジャンボ耳」などなど月に最低でも1つは新商品を生み出し、世の中に笑いを提供している株式会社アイコ。

そんな株式会社アイコの社員の方に、面白グッズを生み出す上で意識している点を伺うと「ジョーク、ユーモアの要素が浅すぎても、深すぎても NG。その商品の意外性(いい意味での裏切り)があるかを意識します。 見たままのインパクトも重要ですが、そう来るとは思わなかったという意外性が重要なのです」と、価 格やネーミングはもちろんのこと、人の心を掴む「意外性」が面白グッズを開発するうえで重要であると語っています。

「「くだらない」でも「バカバカしい」でも良い。小さくてもそこに「笑い」を生みだせるというところに面白グッズの 魅力はある」と話す株式会社アイコの社員の方は映画『さよなら、人類』を一足お先に鑑賞したそう。「映画に関しては素人なのですが、あの独特の「間」の良さを楽しむためには、できれば時間に余裕がある時に観ていだたきた いですね!気が焦っている時だと、その良さを感じにくいかもしれませんよ」と面白グッズを生み出すプロの視点から、コメントを残しています。

http://bitters.co.jp/jinrui/

(c)RoyAnderssonFilmproduktionAB

  1. HOME
  2. エンタメ
  3. 「笑い袋」の生みの親が語る面白グッズの制作極意とは? 映画『さよなら、人類』を絶賛
access_time create folderエンタメ 映画

藤本エリ

映画・アニメ・美容に興味津々な女ライター。猫と男性声優が好きです。

ウェブサイト: https://twitter.com/ZOKU_F

  • ガジェット通信編集部への情報提供はこちら
  • 記事内の筆者見解は明示のない限りガジェット通信を代表するものではありません。