最期の一撃(20)後日譚-1 中共のチベット侵略(中部大学教授 武田邦彦)

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最期の一撃(20)後日譚-1 中共のチベット侵略(中部大学教授 武田邦彦)

今回は武田邦彦さんのブログ『武田邦彦(中部大学)』からご寄稿いただきました。
※この記事は2015年7月12日に書かれたものです。

最期の一撃(20)後日譚-1 中共のチベット侵略(中部大学教授 武田邦彦)




(画像が見られない方は下記URLからご覧ください)
https://youtu.be/m-jUldp1ziU

日本が白人と戦い、敗北はしたもののアジアからアメリカも含めた白人は次々と後退してアジアの諸国が独立していった。つまり日本が戦った結果、世界で「強い国が弱い国を好きなようにする」という歴史が終わった後、支那(現在、中国とよばれている地域の一部)だけは戦争で白人側についた唯一の国だったので、「勝者側(白人側)」として振る舞い、周辺のアジア諸国を侵略し始めた。

これは右翼とか左翼とかの思想に関係がない「大きな歴史的事実」である。支那(大東亜戦争で日本と戦ったのが主として中華民国で、戦争が終わって4年後に支那を支配したのが中国共産党(中共))は1949年に中共が政権を取った後、直ちに周辺国の侵略に乗り出す。

表紙にある「中華民国の領土(青)」が「支那=China チャイナ」で、遠く秦や漢の時代からいわゆる漢民族が居住していた地域である。その周辺には日本に近いところから満州(女真族)、モンゴル(モンゴル人)、新疆ウィグル(トルコ系イスラム教徒)、それにチベット(チベット人)の国があった。

中共がチベットに侵略を開始したのはほぼ1950年であり、その後、チベット人の独立運動を力で押さえつけ、犠牲となったチベット人は120万人と言われている。その内訳は、43万人が戦闘や暴動で、9万人が拷問で、17万人が強制収容所で、16万人が処刑で、残りが餓死、自殺などとされている。チベット地域に居住していた人は600万人ほどと言われているが、そのうちの5分の1が中共によって殺害されたことになる。

このような数字はチベット側と中共側で異なるのが常であるが、中共側の「戦果」からは、チェシ・カンデュク反乱で4万人、第二次蜂起で6千人、青海省虐殺で16万人、ラサ蜂起初期に1.5万人、中央チベット虐殺で9.3万人などで、合計31万人が殺害されたと推定される。

一方、中共側はチベットの1953年の国勢調査から人口は127万人としているので、中共側の発表でも、人口の4分の1が殺害されたことになる。つまりチベット側と中共側で犠牲となった人の数は違うが、割合は人口の4分の1から5分の1が殺害されている。

大東亜戦争は日本にとって厳しい結果になり、軍人・一般人を含めて310万人が犠牲になったが、昭和16年の戦争開始時の人口が7200万人だから、犠牲者の割合は4%(25人に1人が犠牲)に過ぎない。

このチベット侵略を「標準的な中共の侵略方法」とすると、現在の日本が無防備で、中共が日本を占領し、それに対して日本人が民族の誇りをもって(チベットと同じく)反抗した場合、日本人の犠牲者は2500万人から3100万人に上ると計算される。

日本が中共の侵略に対抗する軍隊を持つ必要があるかどうかは、日本が軍隊を持たずアメリカとの集団的自衛権を放棄して3000万人の日本人が殺されても良いかどうかの問題でもある。

チベットが独立できなかったのは、「平和憲法」がなかったということではなく、中共に対抗できる軍隊がいなかったということだけだ。当時、インドを支配していたイギリスはチベットの自治権を認めるように中共に勧告していたが、中共は直接統治の道を選んだ。

チベットの面積は123万km2であり、日本の3.3倍である。チベットの例から、中共の侵略性を計算すると、もし日本に対抗できる軍隊や同盟がなかった場合、中共の侵略によって日本全土が中共の支配地域になり、3000万人程度が殺害されると考えられる。

「平和憲法があれば、中共は侵略してこない」というのは歴史的事実に反する。

執筆: この記事は武田邦彦さんのブログ『武田邦彦(中部大学)』からご寄稿いただきました。

寄稿いただいた記事は2015年07月27日時点のものです。

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