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支払ってもらえない養育費を払わせるにはどうすればいいでしょうか?

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Q.

 離婚後10年間女手一つで子供を育てて来ました。元夫は当初の1年間は養育費を払っていましたが、この9年間は未払いです。私は、去年会社のリストラで、生活が困窮しています。公正証書ではありませんが、子供が20歳まで支払う養育費の誓約書は、持っています。
 子供は今、中学生、まだまだ養育費はかかります。子供の父親に養育費のお願いをしたのですが、無視されてしまいました。
 このまま、泣寝入りしなくてはならないのでしょうか?

(50代:女性)

A.

 養育費の支払いが滞った場合の対処方法はいくつかありますが、ポイントは、養育費について記載された家庭裁判所の調停調書や判決書、あるいは養育費支払いについての取り決めをまとめた公正証書があるかどうかです。
 こうしたものを一般に「債務名義」と言います。専門的には債権者(今回では養育費支払い請求権をもつご相談者様)に、執行機関(執行裁判所など)の強制執行によって実現される債権の額等を公的に証明する文書です。具体的には民事執行法22条1号で規定される「確定判決」や「公正証書」(5号)、調停調書(民事調停法16条家事事件手続法268条)などが挙げられます。注意点としては、今回のケースのように当事者間だけでまとめられた誓約書は債務名義に含まれないことです。
 債務名義があれば、強制執行を行えます(民事執行法25条以下参照)。強制執行によって、例えば元夫の給与を差し押さえ、その中から強制的に養育費支払いに充てるように手続を進めることができます。もっとも強制執行においては相手の口座情報を把握したり、強制執行を行うための費用等も必要で大変な作業となります。

 上記のように、当事者間で取り交わされた誓約書だけでは強制執行することができませんので、まず、債務名義を得るための手続を進めることになります。
 養育費の請求については、いきなり訴訟を起こすことはできません。そこで、養育費請求調停の申し立てを裁判所に対して行い、元夫を交渉の席につくように促す必要があります。調停が不調に終わった場合は、養育費請求訴訟として通常の民事訴訟に発展します。これらの過程において、先に述べた調停調書や判決文を得た後に、強制執行の手続に入るという手順になろうかと思います。
 手続の労力や、相手方の態度などを考えた場合、離婚問題に明るい弁護士に依頼されることをおすすめいたします。

 現在、生活が厳しいということであれば、民事法律扶助という制度があります。これは、経済的に余裕のない方が法的トラブルにあった時に、弁護士費用などを立て替えてもらえる制度です。各地にある法テラスが当該制度の窓口となっています。利用されるのもひとつの方法だと考えられます。

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