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バウハウスのデビューアルバム『In The Flat Field』はゴシックロックのバイブル的名盤!

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マリリン・マンソンやナイン・インチ・ネイルズらはもちろん、X のHIDEやBUCK-TICK、清春、LUNA SEAなど数え切れない日本のアーティストに多大な影響を与えたバウハウス。ビジュアル系というカテゴリーが存在しなかった時代、彼らの影響を受けたバンドはとても書き切れないだろう。それぐらいバウハウスの登場は衝撃的であり、そのシアトリカルな演出とパフォーマンスは斬新だったのである。のちにゴシックロックの代表格(バウハウスがデビューした頃は“ゴス”というジャンルは存在していなかった)と言われるバウハウスの名盤と言えば、やはり1980年にリリースされた1stアルバム『In The Flat Field(邦題:暗闇の天使)』を挙げたい。翌年、発表される2nd アルバム『Mask』のほうがたぶん、断然、聴きやすいのだが、本作には時代を切り開いていくバンドの理屈では説明不可能な荒々しいエネルギーが渦巻いている。

モノクロームで統一した徹底した美意識
 バウハウスは1978年にイギリスのノーサンプトンのアートスクールの仲間によって結成された。時代はパンクムーヴメント以降。パンクをルーツに持ったよりアーティスティックで革新的なポストパンクと呼ばれるバンドのひとつが彼らであった。メンバーはピーター・マーフィー(Vo)、ダニエル・アッシュ(Gu&Sax)、デイビッド・J(Ba)、ケビン・ハスキンス(Dr)。初めてバウハウスに触れる人には、ぜひとも当時のアーティスト写真やMV、ライヴ映像を観てほしい。文句なしの美形揃い。モノクロームで統一され世界観は音源のみならず、ステージにも反映され、色のついた照明は一切使わなかった。光と闇を巧みに使い、顔だけが不気味に照らし出されるピーター・マーフィーの演劇的パフォーマンスは1度観たら忘れられないインパクト。それだけでもなぜ、このバンドが多くのアーティストに影響を与えたかが伝わるのではないかと思う。YouTubeで観られるMVのひとつにシングルとして1980年にリリースされたT.Rexのカヴァー「テレグラム・サム」(アルバムにも後にボーナストラックとして収録)があるが、白塗りヴァンパイア風のピーター・マーフィーのキレッキレの動きと楽器陣のクールな佇まいは今観ても実にカッコ良い。ちなみにT.Rexに続きデヴィッド・ボウイの代表曲「ジギー・スターダスト」をカヴァーしたことで話題を呼んだバウハウスはグラムロックにも影響を受けているが、そのスタンスは緊張感にあふれていて、あくまで性急。グラムロックやパンク、ダンスミュージックを時代の空気とともにバンドのフィルターを通して昇華している。

アルバム『In The Flat Field(邦題:暗闇の天使)』
 このアルバムを貫いているのは、ヒリヒリした緊張感であり、孤独感である。いわゆる、みんなで一体になろう!というメッセージとはまったく逆のベクトルにある音楽。否応なしに1対1のコミュニケーションを要求される。ゴシックロックの波はのちにアメリカにも広がっていくことになるが、バウハウスのように密室性が高くストイックで内向的ゆえに爆発する暗黒ロックはイギリス人ゆえか。デヴィッド・ボウイをさらに神経質にしたようなピーター・マーフィーのヴォーカル、エフェクティブでぶっ飛んでいるダニエル・アッシュのギター、バウハウスサウンドの重要な核をになうリズム隊はデヴィッド・Jのシンプルにしてフックがあるベースとケビン・ハスキンスの淡々としていて力強いドラミングが絶妙のコンビネーション。ダークで衝動的な表現欲求があふれ出している作品でもあり、のちにパイオニアと呼ばれるバンドには、売れるとか、売れないとか、そういうことに対する余計な雑念がないのかもしれないと考えさせられる。同アルバムはもともとのオリジナル盤は9曲だが、ボーナストラックを8曲収録。アートと音楽の融合で後のシーンに大きな功績を残した彼らの記念すべき一枚である。ゴス、ニューウェイヴ、ビジュアル系好きは抑えておきたいアルバムだと思う。

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