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 今は会社勤めをしていても、将来的に起業を考えている人は少なくないはず。
 こういった人は働きながら少しずつ情報収集をしたり、ビジネスのアイデアを固めていったりと準備を進めていくのが王道だが、その際にどんな起業家が成功し、どんな起業家が失敗するのかということも押さえておきたい。

 こうした事例を数多く知るのが、起業家支援の分野で実績のある経営コンサルタント・今井孝氏だ。同氏は、著書『起業1年目の教科書』(かんき出版/刊)の中で、起業してすぐに結果を出せる起業家の条件として「階段思考」を挙げている。

 これは、ビジネスの成功という「大きな目標」に到達するために、小さな階段をたくさん作るための考え方。 毎日コツコツ取り組むことができても、目標とは外れた方向に行ってしまっては意味がない。大事なのは「きちんと大目標につながる小さな階段」を作ることなのだ。
 この連載では、今井氏の著書から、この階段をいかに作っていくかを紹介する。今回は「起業の際のチームづくり」について取り上げる。

■人に助けを求めるのは「恥」ではない
 自分のアイデアを実現させるために起業をするのだから、起業家は自立すべきだが、だからといって何もかも自分でやろうとするのは間違いだ。
 「起業家とは一人ですべてを行う人ではなく、足りないリソースを周りから集めて、社会に役立つビジネスをやり遂げる人のこと」と今井氏は言う。
 だからこそ、成功する起業家は他人に助けを求めることを恥だとは思わない。
 マーケティングやマネジメント、ITといった専門分野や精神面など、困った時に知恵を借りられる人を作っておくことは、今からできる非常に重要な起業準備なのだ。
 起業が心身ともに大変なことだということは、起業家自身が平気なふりをしていても、周囲の人間はみなわかっているし、自分にできることは協力してあげたいと思っているもの。こうした心理に気付かず、一人で抱え込もうとする起業家は自分で自分の首を絞めてしまう。

■売れていない時期から人に任せる
 起業したばかりで売り上げが立っていない時期は、どうしても「一人で何でもこなす」パターンに陥りがちになる。
 しかし、これは長期的に見るとビジネスの成長を阻害するので、たとえまだ売り上げがない状態でも、自分でやらなくてもいい仕事はどんどん他の人に任せた方がいい。
 起業したばかりの会社の経営者にとって最も重要なのは、自社の商品を売り込むことだ。これまでになかった商品を売るわけだから、ここだけは他の人間に任せてはいけない。逆にいえば、これに集中するためにも、他の仕事は誰かにお願いすることを考えた方がいいだろう。

■こだわらずにチームを作る
 ずっと温めてきたアイデアを実現させるために起業するのだから、自分の知る限り最高のメンバーを集めたい、という気持ちは起業家なら誰でも持つもの。しかし、現実に起業する段階から最高の人材を集めてチーム作りができることなどないと思った方がいい。
 「互いに足りないリソースを補完しあえるか」という点だけ注意すること、「最初はうまくいかなくても当たり前」と思って気軽に人と組んでみること。起業時のチームづくりの秘訣はこれだけだ。
 起業家自身に実力がついてくれば、能力が高い人は自然に集まってくる。組む相手を選ぶのはそれからだと心得えておこう。

 今回紹介した「チームづくり」の他、本書で「ビジネスプランの立て方」や「時間の使い方」、「商品開発の方法」など、起業に関するあらゆるトピックについて詳しく解説され、ビジネスの成功という目標に少しずつでも近づいていくためにやるべきことが明らかにされている。
 連載最終回となる次回は、ビジネスを成功させられるかどうかを決定的に分ける部分、起業家は限られた時間をいかに過ごすべきかという「時間の使い方」にフォーカスする。
(新刊JP編集部)


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