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西武グループの知られざる暗部を堤義明に近い親族が暴露

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 1960年代後半から2000年代初頭にかけて、日本経済の頂点に君臨していたのは、まちがいなく西武グループのオーナーだった堤義明だった。
 「超ワンマン」と評された経営手法によって時に「堤帝国」と呼ばれた西武グループにつづけざまに不祥事が発覚し、同氏の逮捕によって「帝国」が崩壊してから約10年。

 このタイミングで刊行された『「西武」堤一族支配の崩壊 −真実はこうだった!』(さくら舎/刊)は、過去に発売された堤氏や西武グループを扱う本とは少々趣が異なる。
 権力とカネが堤一族に集中する巨大な同族企業であった西武グループの内情は闇に包まれ、その中核であった義明氏の人となりや素顔、兄弟間の確執の原因についても明らかにされてないことが多かった。この本では、それらについてかなり詳細につづられている。何しろ、著者で鉄道ジャーナリストの広岡友紀氏は堤一族の関係者なのだ。

■西武グループ「法令無視の伝統」
 西武という巨大組織の企業風土は、外の人間から見れば異常のひとことだろう。
 広岡氏が“「なんでもあり」がまかり通る”と指摘するように、西武崩壊の過程で起こった「有価証券報告書への虚偽記載」にしても、義明氏にかかったインサイダー取引疑惑にしても、オーナーの独裁体制であり一族以外の社員は滅私奉公、同族企業で経営の透明性が低い西武では「当然」のことなのだ。数々の不祥事や不正が発覚した後ですら「罪の意識は毛ほどもない」と広岡氏は語る。

 こうした西武の法令無視の体質は義明氏の父であり、西武グループの創業者である堤康次郎氏の代に形成された。その康次郎氏が自分の後継者として見込み、手元で特別に育て上げたのが義明氏なのだから、西武の企業体質が変わらないのも無理はない。
 義明氏には康弘氏・猶二氏という二人の弟がいるが、このような育て方をされたのは義明氏だけだ。この育てられ方の違いが、長く続く堤家の兄弟間の確執の根本にあることはまちがいないだろう。
 しかし、義明氏への康次郎氏の教育は過酷なものだったようだ。
 二人で歩いている時に、ビルの建設現場に出くわすと、康次郎氏はふいに「あのビルは、だれが何の目的で建てているか、いってみろ」とたずね、義明氏が答えられないと殴った。そして食事の時、義明氏が醤油を必要以上に使っただけでも「無駄なことをするな」とまた殴った。兄弟たちと遊ぶことも、友達を作ることも義明氏には許されていなかったという。こうして、ほかの兄弟とは切り離され、経営者としての哲学を叩き込まれた義明氏だが、「康弘も猶二もそんな目にあっていない。自分だけが殴られて、我慢してきたんだ」と恨み事めいたことを漏らすこともあったようだ。

 この本を読めば、途中で奇妙なことに気付くはずだ。
 上記のような義明氏の私的な発言がそこかしこに出てくるのだが、そのいちいちが筆者に向けて直接語られたことのように感じられるのだ。それは「取材」の距離感とは明らかに異なり、より親密な印象を受ける。
 筆者の広岡氏が堤家の関係者であることは既に述べたが、どのような関係者なのか。それは、義明氏の父・康次郎氏が知られているだけで5人の妻を持ち、この他にも多くの内縁の妻や子どもがいたとされること、それら異母兄弟の間で交流があったことを考えればおおよそ想像することが可能だろう。
 まさに、堤家の内側にいた広岡氏だからこそ書くことができた、西武グループの裏と闇が本書では克明に明かされる。それは、これまでの報道や関連書籍からは決してうかがうことのできない驚きを読者に与えるはずだ。
(新刊JP編集部)


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