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暗躍する「5人組」 広告代理店等とともに東京都利権を支配

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 新国立競技場建設の建設費や築地市場の移転問題など、東京都をめぐる解消の見通しがたたない難題が東京都にはいくつもある。東京都の巨大な利権を支配する“5人組”の存在と弊害について、大前研一氏が解説する。

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 東京都がらみの難題が相次いでいる。まず新国立競技場の建設費負担問題。下村博文・文部科学相から500億円超の費用負担を要請された舛添要一・東京都知事が、公文書などが残っていないことを理由に「税金を払うのは都民。全体のコストがどうなるのか、都民に説明責任を果たせるように示してほしい」と拒否し、本稿執筆時点では決着がついていない。

 さらに、築地市場が移転して来年11月に開場する豊洲新市場と同時オープンを予定している場外の商業・観光施設「千客万来」の運営事業者問題。住宅大手の大和ハウス工業に続いて「すしざんまい」を展開する喜代村も撤退し、計画が白紙に戻ってしまった。

 新銀行東京問題も、まだ片付いていない。東京都が当初出資した1000億円を取り崩して累積赤字を穴埋めした新銀行東京は、東京TYフィナンシャルグループと来年4月に株式交換方式で経営統合することに基本合意した。東京都が保有する新銀行東京株を東京TY株と交換し、東京都が追加出資で保有した400億円分の優先株も東京TYの優先株に置き換わる。

 新銀行東京から手を引くにあたって舛添知事は「400億円の資本は毀損(きそん)させないこと」「中小企業支援は続ける」という条件を付けたが、投入した税金の行方がどうなるかは不透明だ。

 なぜ、こんなことになっているのか? 東京都にはいわば“伏魔殿”があり、都民に見えないところですべてが決まっているからだ。

 そもそも、新国立競技場建設費負担問題、築地市場移転問題、新銀行東京問題は、すべて石原慎太郎知事時代に端を発している。

 たとえば、東京五輪は石原知事が進めたもので、最初の立候補では招致費用として100億円もの税金を注ぎ込みながら、あえなく最下位で落選した。再挑戦してようやく開催にこぎ着けたわけだが、“五輪利権”は闇が深い。今回の東京五輪でも招致費用75億円のうち37億円を税金で賄(まかな)う予定になっていたが、その使途がどのようにして決まったのか、皆目わからない。

 すでに東京都は都立の競技施設などを整備するための開催準備金として約4000億円の税金を積み立てているので、今回の下村文科相らの対応を見ると、新国立競技場建設費なども含めて石原知事時代に舛添知事が知らない東京五輪のカネをめぐる“口約束”があったことは間違いないだろう。

 築地市場の豊洲移転も、石原知事が2001年に決定した。その当時、私は豊洲移転後に築地・勝どき・晴海を世界中から人・モノ・カネが集まるビジネス街、ショッピング街、住宅街として一体的に再開発するプランを石原知事に提案した。

 これに石原知事は全面的に賛同した。担当副知事にも説明してくれ、と言われたのでそうしたが、実際は知事と近い別の副知事がすべてを牛耳っているということで、そちらにも説明に行った。しかし、私の提案は日の目を見ることなく、結局、築地も勝どきも晴海もバラバラ、細切れに再開発されることになった。石原知事が側近の副知事や役人に任せた結果、握りつぶされてしまったのである。

 この“5人組”と呼ばれるグループはその後も暗躍し、大手広告代理店などと共に東京都の利権を支配している。

 最近、元宮崎県知事の東国原英夫氏がテレビ番組で「慎太郎死ね!」と発言して物議を醸したが、その背景を知る人は少ない。実は石原陣営は利権を継承するため、後継者として神奈川県知事を務めていた松沢成文氏に白羽の矢を立てた。しかし、東国原氏が立候補を宣言し、世論調査をすると松沢氏では勝てないと予想された。

 焦った5人組は松沢氏を引きずり下ろし、引退を宣言していた慎太郎氏の再出馬を画策した。4年任期の半分だけでも、と泣きついたと言われているが、果たして慎太郎氏は1年半で辞め、次なる継承者として副知事だった猪瀬直樹氏にバトンタッチした。東国原氏の不穏当な発言は、この経緯を詳しく知っているからに違いない。

※週刊ポスト2015年7月17・24日号


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