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二次元に恋をしたっていいじゃんか~マガジンハウス担当者の今推し本『お~い俳句 伊藤園お~いお茶新俳句大賞傑作選』

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こんにちは、マガジンハウスと申します。あ、いまの挨拶、五・七・五ですね! 今回ご紹介したい一冊は、そんな十七文字に思いをのせた、ユニークな俳句を集めた本です。どんな句を集めたのかというと……。伊藤園の<お~いお茶>を飲んだことは、みなさん当然おありかと思いますが、パッケージに書かれた俳句を楽しみにしている方も多いことでしょう。あれです、あれ……ということは~~面白本の予感! 編集を手掛けたKさんにお話を聞いてみました。 

――――早速ですが、この本が出ることになった経緯を、ざっくりと教えてください。

K 「日頃から<お~いお茶>のペットボトルに載っている俳句には注目していて、全体的にはほのぼのした作品や季節の美しさを詠んだ俳句が多いけれど、時折、鋭い観察眼を感じさせる作品が紛れているなあ、と思ってたんです。それで、ホームページ(https://www.itoen.co.jp/[リンク])を見てみたら、コンテストはなんと26年も続いていると! 幅広い年齢層の、しかも国内外さまざまな地域の人たちから寄せられた作品が載っていて、読み入ってしまいました。最近、TVでは『プレバト‼』の夏井いつき先生のコーナーが人気だったり、ピース又吉さんが俳句好きという影響もあったりして、“俳句”に関心を持つ人の裾野が広がっているように感じていたので、<お~いお茶>の俳句も本にしてみてはと思いまして」


偶然にもデスク上に<お~いお茶>が! これです、これ。

――――確かにここのところ、俳句アツイですよね~。

K 「ね~。あと、私は3月から書籍編集部にいるのですが、入る前に20個くらい企画を出して上司に見てもらったんですね。そうしたら“この中で本にしてほしい企画は1つもない。……まあ、でもこれはいいかも”と、唯一ちょっとだけ興味を持ってもらえたのが、『じつはスゴい! お~いお茶の日常俳句』(仮題)という、この本のもとになる企画でした。全部ボツなんだ……と衝撃を受けるとともに、その中でこれだけというならば、きっと何か引きがあるのだろうからやってみよう、と」

――――19個の屍の上に立つ企画だったんですね! Kさんは、お~いお茶含め、俳句大賞的なものに投稿したことはあるんですか?

K 「いや、ありません」

――――えっ、そうなんですか。

K 「あ、でも自分ではやりませんが、俳句や短歌を鑑賞するのは好きで、新聞の歌壇などはよく読んでいます。短い言葉に心の機微が凝縮されているので、作者の気持ちを想像しつつ心に刺さるものを探すのが楽しいです」

――――色々な俳句の場がある中、お~いお茶新俳句大賞ならではの魅力というのは何でしょうか。

K 「季語はなくてもOK、定型にもこだわらないという、自由な“新俳句”を提唱しているコンテストだという点でしょうね。たとえば、『さわりたい校長室のゆうしょうき』、『風ふいたまたくりおちたまたおちた』というように、ささやかな気持ちや一瞬の情景をそのまま五・七・五にしちゃった! という作品に出合えるのが面白いです」

――――それにしても、26年も続いたコンテストの作品を選ぶのは大変だったでしょう!

K 「そりゃあもう! 入賞作は毎年2000句、入選作はさらにもっとあり、作品数がとにかく膨大なので、じっくり読んでいると“これもいい……いや、こっちももっといい!”と、最終的に全部がよく思えてきちゃって、107句に絞るのがものすごく難しかったです。さらに、第1回~第25回まで全部の回の入賞作をまんべんなく掲載しようとか、これは挫折しましたが応募者は47都道府県すべてを網羅したいなどと思いついて試行錯誤しはじめると、ページ配分を決める作業がルービックキューブをかっちり合わせるように難解になってしまって……苦労しました」

――――「こどもの風景」、「父母の風景」、「青春の風景」、「祖父母と孫の風景」と4つの章で構成されていますが、私は「青春の風景」で図らずも泣けてしまいました。ローティーンの恋愛が甘酸っぱくって萌えます。『ガジェット通信』読者へのおすすめの章は?

K 「そうですね、『こどもの風景』や『青春の風景』の中にある、10代のこどもたちが詠んだ俳句が味わい深いのでぜひ読んでいただきたいです。成長過程で誰もが通過してきた学校生活や部活、親子げんか……などの風景が描かれていて懐かしくなるというか、“みんなの思い出”でありながら、自分の思い出の1ページを覗いているかのような気持ちになれますよ」

――――Kさんの、個人的なお気に入りの句はどれですか?

K 「『おちゃのむとかぞくみんなのまゆさがる』。温かいお茶を家族と一緒に飲んで、ほっと一息つく間をとらえたこの句とこの絵が……お気に入りです」


第24回都道府県賞の作品。

K 「あとは、自分が秋田県出身なので、ついついぐっときてしまうこの句。これをどうしても入れたくて、選ばせていただきました。故郷を想って詠んだ句、地域色が豊かな句が多いのも新俳句大賞の特徴です」


こちらは第10回のユニーク賞受賞作品。

――――これ、私も好きです! ところで、イラストが超可愛いですね。

K 「本のデザインをしていただいた芥陽子さんが、これらの俳句にとても合っていると思う、と、イラストレーターの佐々木一澄さんの絵を紹介してくださって。カバーのタイトルの文字、緑色の背景も、じつは佐々木さんに描いていただいた“絵”なんです」

――――へえ!……と思わずじっくり見入ってしまいました。本が発売されて、Kさんのところに反響などはきていますか?

K 「はい、“表紙がお~いお茶そっくり!”とか、“イラストがいいね!”とか、“ほのぼのする俳句がたくさん載っているね!”とか、そういう声が多いですね。でも1人だけ、“カバーに載っている俳句『父さんに習った漢字で満点逃す』って、どういう意味か分からないんだけど教えて”と言ってきた知人がいて、人によってツボにはまるポイントが違うのかなあと思いました。人によっていいと思う作品が全然違っていて、それも俳句の面白さですね。読んでいただいたら、お気に入りの一句を、ぜひ教えてください!」

――――Kさん、ありがとうございました~。そうそう、タイトルの句は、第20回佳作特別賞の作品です。渡辺美里を思い出すこのすがすがしさ! いいじゃんか。うん、全然いいと思うよ! EE JUMP! むしろいい!

今週の推し本

『お~い俳句 伊藤園お~いお茶新俳句大賞傑作選』
  株式会社伊藤園・マガジンハウス編集部 編

ISBN:9784838727650
定価:1080円 (税込)
発売:2015.07.07
ジャンル:詩・俳句
[http://magazineworld.jp/books/paper/2765/]

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