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胎児の段階から養育費のことを決められるでしょうか?

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Q.

 この度、未婚で子供を産むことになりました。現在6ヵ月です。相手からは「胎児認知は絶対にしないが任意認知はする。養育費は家庭裁判所で決めたい」と言われました。この場合、認知自体はまだ済んでなくても胎児のうちから養育費調停はできるのでしょうか?

(10代:女性)

A.

 民法772条では、「妻が婚姻中に懐胎した子(妊娠した子)は、夫の子と推定する」とあります。反対に、未婚の状態の場合、この推定規定が使えないため、ご指摘のように、認知をしなければ父子関係が成立しません(民法779条など参照)。法律上の父子関係がなければ、養育費請求もできない関係にあります(養育費請求権の根拠として、民法752条760条766条1項など。これらは婚姻や親子関係を前提としています)。

 認知には、届出などを通じて文字通り任意に親子関係を認める「任意認知」(民法779条)と、裁判を経て子(もしくは母親)が父との親子関係を設定する「強制認知」があります(民法787条)。
 妊娠中に認知を行うこともできます。これが、ご相談者様が指摘する胎児認知です(民法783条)。胎児認知も届出によって任意に親子関係を認めるわけですから任意認知のひとつになります。そのため、相手の男性には誤解があり、言い換えれば「生まれたら認知をするが、今はしたくない」と言っているとも取れることをご理解ください。
 老婆心ながら申し上げると、発言内容から相手の男性は、認知自体を渋っているのではないかと思われるため対応には注意が必要です。

 他方で、養育費自体は、基本的に子が生まれてから支払いを開始するのが一般的です(ただ、話し合いによって養育費という名目ではなく出産前の金銭的サポートとして支払いを行う場合はあります)。そのため、裁判所で養育費調停を行う場合、子の戸籍謄本を提出させる運用がなされており、調停は生まれてからとなります(参照:裁判所ホームページ)。
 しかし、相手方との交渉によって「生まれたら月いくらの養育費を支払う」というように条件を付して、取り決めを交わすケースは多くあります。その際は、約束の内容を明確にするため公正証書を作成しておくなどの手法があります。こうした対応を活用するのもひとつの方法です。

 さきほど述べたように、相手との対応には注意が必要だと思われます。これから元気な赤ちゃんを産むことだけに集中するためにも、相手との交渉は弁護士など法律の専門家に依頼することをおすすめいたします。

元記事

胎児の段階から養育費のことを決められるでしょうか?

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