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放漫生活つづけたギリシャ ロシアや中国が助けてくれるのか

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 ギリシャが大揺れだ。どういう形に収まるにせよ、国民の暮らしが一段と厳しくなるのは避けられない。

 それは自分たちが野放図な放漫生活を続けてきたツケなのだ。だからギリシャ国民には冷たいようだが、ギリシャの苦境は「市場規律の勝利」と評価できる。

 ギリシャの側に立って、どう対応するか考えてみよう。金欠である以上、どこからかマネーを引っ張ってこなければ、危機から脱出できない。それはどこか。

 国際通貨基金(IMF)は拒否した。残るは欧州連合(EU)と欧州中央銀行(ECB)が頼りだ。欧州側は年金削減や増税、政府のリストラなどを突きつけている。本稿執筆時点で国民投票の結果はわからないが、欧州側の提案を拒否する勢力が優勢だ。

 他にもカネを出してくれそうなところがないわけでもない。まずロシア。ツィプラス首相は何度も訪ロして、プーチン大統領と会談してきた。いざとなれば「助けてくれ」という思惑からだ。

 ロシアは助けられるものなら助けたいだろう。いま恩を売ってやれば、ギリシャが欧州を離れてロシアの勢力圏に入る可能性も出てくる。

 だが、いまのロシアにそんな余裕はない。日米欧の経済制裁で苦しいうえに、クリミア半島をテコ入れしなければならないからだ。それでも支援するならルーブルを渡す以外にないが、ギリシャは受け取った瞬間にユーロに交換する。そこでルーブルが下落する。つまりロシアは自分で自分の首を絞めてしまう。

 次に中国だ。中国は外貨準備が潤沢とはいえ、そもそもギリシャを支援する理由に乏しい。最優先事項は南シナ海や東シナ海での勢力圏拡大である。ギリシャに介入すれば、欧州を刺激するのは確実だ。南シナ海をめぐって米国ともめている最中に余計な荷物は抱えたくないだろう。

 新たなマネーが入ってこないなら、国内経済を回していくために、ギリシャは枯渇したユーロに代わる通貨が必要になる。ドラクマ復活だ。それで肉や野菜と交換するが、もちろん価格は暴騰する。

 ドラクマ復活でなく、公務員の給料代わりにIOUと呼ばれる借金証書を発行する案もあるが、これも実質的には第2通貨のようなものだ。

 結局、欧州の要求を受け入れるにせよ、拒否してドラクマを復活させるにせよ、生活の窮乏化は必至である。それは悪いことか。目先は辛いだろうが、正しいことだ。

 どうあがいても、身の丈以上の暮らしは長く続かない。辛くても、ここはいったんリセットして立て直す以外にないのである。他国の信用のおかげで野放図な暮らしが許されるとなったら、真面目に働く国や国民がばかばかしくなる。生活規律も、ひいては国際秩序も乱れてしまう。

■文・長谷川幸洋(はせがわ・ゆきひろ):東京新聞・中日新聞論説副主幹。1953年生まれ。ジョンズ・ホプキンス大学大学院卒。規制改革会議委員。近著に『2020年新聞は生き残れるか』(講談社)

※週刊ポスト2015年7月17・24日号


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