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55歳バツ2の作家が婚活して確信「おばさんにタナボタなし」

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 晩婚化、非婚化が進み、生涯未婚率は2010年時点で男性20%、女性10%、2030年には男性30%、女性23%ほどになると見込まれる時代。「結婚はコスパ」「嫌婚」などというメディアの特集が話題を集めるなど、「できない」のではなく、結婚を「しない」人も増えている。とりわけアラフォー、アラフィフと、年齢を重ねるほどに、お一人さま人生を充実させる方向へ舵を切る人も少なくない。とはいえ、人生80年。ずっと一人でいいのだろうかと、心の奥底で不安が蠢く独身者も少なくないのではないだろうか(アラフォーの記者はそうです)。

 そこで今回、目下婚活中のノンフィクション作家・黒川祥子さんにお話を伺った。黒川さんは雑誌『G2』(講談社)にご自身の婚活記「55歳・バツ2オンナのガチンコ婚活記 恋よふたたび!」を執筆(今後、書籍化予定)。「清水の舞台から、飛び降りるような思い」で婚活を始めた黒川さんを待っていたのは、「泥水をすする」現実。50代婚活が教えてくれるものとは――。

* * *
――黒川さんは昨年の12月に婚活を始められたんですね。クリスマスイブにはお一人で婚活居酒屋に行かれています。結婚は2回され、働きながら2人のお子さんを育て上げられた。仕事も充実されている。これからは一人で気ままに生きるのもいいような気もしますが……婚活を始めたのはなぜでしょう。

黒川:私は38歳で離婚してからこれまで、何もなかったんですよ。男なし歴16年! 待っていては何もやってこないと、ようやく悟りました(笑)。離婚で息子たちに不安定な思いをさせてしまいましたし、私自身もたいへんでしたので、2度目の離婚時に「もう、男で問題解決するのはヤメよう」と誓ってやってきました。言葉にするとカッコいいけど、要は相手が見つからなかっただけ(笑)。子育てが一段落したいま、このまま一人で終わるのはあまりにも淋しいと切実に思うようになったんです。

 やっぱり一人は弱いんです。いくつになっても弱い。それにあの感情……トキメキやロマンスって、代替物はないですよね。韓流などで満たしている中高年女性も多いですけど。私もすっかり忘れてしまって、片りんも残っていませんが、それでも、ずっと一人ではつまらないなぁと思うんです。

 とはいえ、結婚という形にはこだわっていません。いまは下の息子と一緒に住んでいますから、必ずしも同居したいわけでもない。事実婚もいいですね。だから、婚活というより恋活かな。これからの人生を共に歩むパートナーが欲しいんです。こういう時代ですから、男女のあり方は、大らかでいいと思っています。

――最初に参加されたのは「バツイチ再婚活パーティー」ですね。いかがでしたか。

黒川:最悪でした。面と向かって「古い女性」と言われましたしね……。『G2』に詳しく書きましたが、16年ぶりに女という市場に戻ってみたら、市場価値が大暴落していたことを思い知らされたわけです。と同時に、セルフイメージが、若い時で止まっていたことにも気づかされましたね。婚活に必要なのは、地獄の「客観視」です。現実を直視するのは残酷なことです。直視しなくても生きてはいけますけど、それは偽りの人生、後ろ向きの人生かなぁとも思う。

――お強いですね。

黒川:いえ、最初は何をやっても上手くいかず、とことん落ち込んだので、奮起したんです。55歳のおばさんなんてこんなものだっていう、世間の冷ややかな目に屈するものかと。それにもう、普通の生活をしていたら出会いはありませんから、しかるべき場に出るしかない。以前、『熟年婚』という本を書いたのですが、取材をした方の中には、5年間の婚活の末に、理想の結婚をされた女性がいました。幸せになっている方は、努力しているんですね。

――黒川さんが行かれた婚活スナックのママが、婚活において女性の決め手は「年齢」と「見た目」だと言っています。やはりこれが現実ですね……

黒川:素材を投げ出しているだけでOKなのは35歳までです。そこからは女性にもサービス精神が必要になるんですね。年齢と顔の造りは変えられないけど、化粧や表情、服装などで見た目は上げられます。最初に結婚相談所に登録したときは、見向きもされなかったんです。これじゃだめだと、写真に命を賭けて(笑)、登録写真を変えたら、少し声がかかるようになりました。いざ男性と会ったら、聞き上手になって、楽しい時間を作るというのも、サービス精神ですね。

――婚活スナックのママは「婚活は、合わせ鏡のようなもの。寄ってくるのは、自分と同じような人ばかり」とも言っています。耳の痛い言葉です。

黒川:はい。自分を磨かないと、いい男は寄ってこないと断言されました。ですね。ただ、ほとんどの男性は若い女性がいいんです。60歳とか70歳の男性で、20代の女性を希望している人もいるから呆れちゃいますが(笑)、だからこそ私のような年齢は、意識して恋愛対象を広げていくことも大事だなと思っています。

 婚活アドバイザーになってくださった知人(新潮社の中瀬ゆかりさん)には、私は「おじさんに厳しい」って言われたんですよ。それは、私の好みの表れでもあるのかもしれないけど、恋愛対象として見たことのある男性が(離婚時の年齢である)38歳で止まっている、というのもあるんですね。つまりおじさんに慣れていない。これから、ですね。

――なるほど。黒川さん、「恋愛運動能力」を磨くトレーニングもされていますね。

黒川:中瀬さんに「恋愛運動能力が落ちている」とも言われましたから。どんな能力も、使わないと衰えるんですね。そこでトレーニングを始めました。通りすがりや電車の中などで見かける男性を、「キスができる箱」と「できない箱」に分けていくんです。瞬時に判断する、というのが、失った運動能力を回復するポイントです。なかなか難しいんですよ。若ければいいというわけでもない。私はこういう人が好みだったのかと、発見する面白さもあります。

――パートナーに求めるものは何ですか? それは若い時と今とで、変わりましたか。

黒川:若い頃は好きという気持ちだけで突っ走ることができましたが、やはり歳をとると、いろいろ考えますよね。経済力も気にはなりますが、トキメキもほしい。とても難しいのですが……。

――婚活をされて半年程度ですが、やってみてわかったことはありますか。

黒川:まだ何もなし得ていないので、偉そうなことは言えないのですが、「中高年女子のおばさんに、棚ボタはない」です。

 以前、仕事で、バブルを謳歌した独身アラフォー女性たちに取材をしたんですね。彼女たちは40代半ばでありながら「心は23歳のまま」で「白馬の王子様を待っている」と言うんです。みなさんお綺麗で、十分な自己投資をしていて、ずいぶん若くは見えますが、正直、異様だなと思いました。それが今回、婚活をして、私も彼女たちと大差なかったことに気付いたんです。私も心のどこかで、棚ボタを期待していたんでしょう。婚活は、相手と向き合う前に、自分と向き合う活動なんだということが、よくわかりました。

――婚活して、何か変化はありましたか。

黒川:最近、「顔が変わったね」と言われます。見られ、晒されることで、顔がくっきりしてきたみたい。嬉しいですね。それから、なりふりかまわない世界に一歩踏み出すと、勇気が湧くし、自信がつくんです。そんな55歳をイタイと見る人もいるかもしれませんが……、そう揶揄されることより、何もしないまま、人生を終わっていくことのほうが私は怖ろしいですね。

――結婚はコスパが悪い、という風潮も広がる中、記者のように、黒川さんの行動に勇気づけられる人も多いと思います。

黒川:考え方は人それぞれだけど、結婚はコスパ、という考え方は、私は嫌いです。一人より二人の方が楽しい、そのくらい気楽でいいんじゃないかな。私の周りのアラフォー、アラサー女性にも、結婚していない人はたくさんいます。「このままでいいのかな」という気持ちが少しでもある人には、55歳の私が泥水すすっているのだから、頑張ろうよと言いたい。もちろん男性にも頑張っていただきたい!

――婚活はこれからも続くわけですね。

黒川:まだスタートしたばかりですからね。パートナーが見つかるまで頑張ります!

【略歴】
くろかわ・しょうこ●1959年生まれ。弁護士秘書、ヤクルトレディ、デッサンモデル、業界紙記者などを経てフリーライターに。家族の問題を中心に執筆活動を行う。著書に『熟年婚 60歳からの本当の愛と幸せをつかむ方法』、『誕生日を知らない女の子 虐待――その後の子どもたち』(第11回開高健ノンフィクション賞受賞作)。最新刊は『子宮頸がんワクチン、副反応と闘う少女とその母たち』。


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