【連載】国家戦略特区シンポジウム(6月26日)その6 仙北市長の語る特区の可能性 「僕らはワクワクしているんです!」 <門脇 光浩(仙北市長)>

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前回(その5)に引き続き、先日(6月26日)に行われた「国家戦略特区シンポジウム」(主催:内閣府地方創生推進)の様子を書き起こし形式でお伝えいたします。

 

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【竹中平蔵(国家戦略特区諮問会議有識者議員)】

 

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国家戦略特区とは、主として最初は、東京を中心とする地域、関西圏、福岡市から始まったわけですが、そこに養父市が入っており、地方創生特区という言葉が生まれるようになりました。そしてそれに加え、近未来技術実証特区という概念が加わりました。

養父市の話はその近未来技術実証特区と地方創生特区が重なりあうようなところの特区と言えますが、それに似たような形のものが仙北市の特区であります。門脇市長どうぞ。

 

【門脇 光浩(仙北市市長)】

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仙北市と言って、「あ、あのへんだね」とわかる人はどれくらいいらっしゃいますか?あ、8名くらいですね。仙北市は、誕生してから10年たっています。角館町、田沢湖町、そして西木村この3つが合わさったのが仙北市であります。

 

仙北市はこの地方創生特区の指定候補予定であります。まだ決定ではありません。皆さんに具体的な姿をお話出来ないのが残念です。そのため、今思っていることを皆さんにお伝えできればと思います。

 

 

仙北市は現在人口2万9千人です。合併当時は3万3千人で、4千人減りました。面積は1万1千キロ平方メートルで東京都の半分あります。その中でも国有林は600平方キロメートルで、東京都の23区に匹敵し、それくらい広い国有林を持っています。可能性がたくさんある町で、海外からのお客様も多く、日本国内からも年間600万人くらいの方がお客様としておいで頂いています。交流人口がたくさんあり、可能性が益々広まります。

 

 

国有林の民間開放についてです。僕実は西木村の役場に勤め、林業係長をやっていました。ですので、この林業で何とか地域を活性化させようという思いが強くありました。特に、国有林はとても広いです。ここを経済活動の拠点にしたいという考えなのです。

どんなことが出来るか?今考えているのは、例えば育林業務であったり、伐採業務であったり、大胆に民間の方々にその業務を預けてください。それから、様々な木の実を活用して、例えば生ハムを作るときは、豚を放牧しましょう。豚を放牧して、生ハムを作る良い素材になるのはどんぐりなのです。もしかしたらブナの実を使って、新しい食品が出来るかもしれない。そんなこともやってみたい。また、例えば木が紅葉の後に落ち葉になりますけど、落ち葉をみんな集めて腐葉土を作りましょう。山がいっぱいあります。腐葉土を作ってそれを売りましょう。いろんな考えがどんだけ広がるか。それが土地の広さだけ広がると思っています。そして、今一番期待しているのは、ドローンです。ドローン特区として今僕らは皆様にいろんな提案をしていきたいと考えています。

次にそのドローンについて。国有林野を使用した自動飛行の技術実証であります。国有林の規制緩和により民間に開放し、現在市が抱える課題をドローンで解決していこうとしています。僕たちが最近気にしているのは、秋田駒ケ岳という火山についてです。とてもきれいな山ですが、活火山で40年周期の山でいつ噴火してもおかしくないという状況です。その火口をドローンで定期的に監視しようという話であったり、その他にも森林の育成の調査であったり、遭難者の捜索であったりに使えると考えています。

昨年は33名の方が遭難にあいました。5人の方々がなくなり、3人の方々は依然行方不明です。今年に入ってからも6人の方々が遭難にあっています。1人は依然行方不明です。そういうこともドローンだったら、色んな所に飛んでいって捜索することが出来るのではないかと思っています。

 

 

そして、三点目は温泉を核とした国際交流とヘルスケアです。仙北市は、火山があるという話をしたとおり、温泉の町なのです。市内60箇所くらいに温泉があります。一日約7000人のお客様をお迎えできるキャパシティを持っています。このうちの玉川温泉という温泉は、日本でも有数の湯治場です。この湯治場で3年くらい前に雪崩事故で3人くらいの方が亡くなりました。それ以来、岩盤浴上は閉鎖されています。でも、僕らはなんとしてもそこを再開したいと思っています。その岩盤浴上には北投石というものがあります。北投石には微量のラジウム線を放射する石です。その石は世界中で言うと、台湾の北投温泉に1箇所確認されています。世界に二箇所しかないそういう温泉になります。

僕らは台湾と非常に密な関係を持ってきています。台湾・高雄にある澄清湖と田沢湖は30年来の姉妹湖となっています。また平成24年には、台湾の北投温泉と玉川温泉は姉妹温泉になりました。そんな活動をずっとしています。ですから、海外から多くの方がいらっしゃって頂いています。そのような方に安心して湯治を行える環境がほしいと思っています。

そこで、世界もしくは日本国内から温泉療法の知見のある先生方に来て頂いて安心に湯治をして頂きたいと考えており、国際的に開かれた湯治場を作っていくという目標を持っています。

 

どの提案も実は新しい提案ではなく、これまで僕らがやろうとしても出来なかったこと、規制や事務的に難しい作業があったりして中々できなかったという事案ばかりです。それを僕らは特区を通して、経済対策、雇用対策を進め、国際交流の拠点になりたいと思っています。

 

【竹中平蔵(国家戦略特区諮問会議有識者議員)】

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ありがとうございます。ドローンの話とか外国人医師の話とか今まで中々手がつかなかったわくわくするような話がいっぱいありますが、小泉さん、コメントありますよね。

 

 

【小泉進次郎(内閣府大臣政務官)】

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ドローンを特区に全面に押し出したのは、仙北市が初めてでした。

官邸にドローンが落ちる前の提案でした。本当にギリギリセーフでした。日本はある一種の空気が出来ると中々払拭するのが難しい国だから、もしもあの後に今からドローン特区ですと言ったら、色々抵抗があったと思うんです。その前に、総理が仙北をドローンを使った特区と宣言して頂いていましたから、その後も着々とすすんでいますね。

 

今度7月19日、私と平副大臣が今度、国有林の上をドローンが飛ぶ姿を見に行く予定です。なぜこのドローン特区が仙北かというと、日本の中に100社くらいドローンの会社があって、その中でもドローンの心臓部「オートパイロット」を国産で作れるのは千葉大学の野波教授の作る会社だけなのですが、その教授にいろいろ話を聞くと、10キロ×10キロのエリアがあれば、かなり色々な研究開発が出来ると。しかし、東京で10キロ×10キロの場所を確保するのは難しい。だから、目をつけたのが国有林だったのです。これからリスクなく、色んなことが出来ますね。

 

 

【門脇 光浩(仙北市市長)】

 

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本当に僕ら、わくわくしているんです。ドローンは今後世界最先端の技術になると思っています。その技術があの森林の中から生まれ、発展すると考えるとドキドキします。更にいうと、その技術開発者があの山の中に入って、製造工程が出来る。そうすると世界へ仙北市産のドローンが世界を飛ぶことを考えるとワクワクしますよ、小泉先生!

 

 

【小泉進次郎(内閣府大臣政務官)】

 

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私が考えているのは、「ファイアードローン」。火事があった時に消防に通知が行きますよね。そこに消防車が行く前にドローンを飛ばすんですよ。それでドローンを真っ赤に塗っておけば「ファイアードローン」ってわかるから。そのドローンで現場を撮影して、ボヤなのか火事なのか常に映像をとって、リアルタイムの映像を見ながらチェックできるそういうドローンが考えられないかと思っています。今、ある自治体にこれを出来ないかと投げているのです。僕、本当ね、こういうこと次々に生まれると思っているから。やっぱり、課題はビジネスチャンスになるんですよね。

 

 

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