ガジェット通信

見たことのないものを見に行こう

終身刑は有期懲役である?

DATE:
  • ガジェット通信を≫

Q.

 終身刑は、死ぬまでという期限のある有期懲役であると聞いたことがありますが本当でしょうか?

(1)有期懲役である
(2)有期懲役ではない

A.

正解(2)有期懲役ではない

 多くの人が、終身刑と無期懲役とは異なるものであると誤解しています。しかし、終身刑は無期懲役の一種であって、死ぬまでという期限がついている点で無期懲役と異なるところがありません。この誤解は、死刑廃止に代わって、加害者が社会復帰できないようにするための代替刑として、終身刑には仮釈放がないから、そのような「終身刑」を導入しようとの議論がおき、これをそのままマスコミが報道していることから生じています。このことが、終身刑と無期懲役とはまったく異なるものであるとの間違った考えを蔓延させてしまったのです。

 無期懲役には、二種類のものがあり、一つは相対的無期懲役と言われるもので、制度として仮釈放が存在しているもの、一つは絶対的無期懲役と言われるもので、制度として仮釈放が存在していないものです。この絶対的無期懲役を終身刑と呼びます。

 現在の刑法では仮釈放の制度が創設されていますので、日本の無期懲役は相対的無期懲役で、絶対的無期懲役を採用していません。先に説明したように、終身刑は仮釈放を伴わないものですが、仮釈放があるか否かは、刑罰としての内容に影響を及ぼすものではありません。あくまでも終身刑は無期懲役なのです。

 終身刑の導入にあたっては、一生刑務所にいることは「ゆっくりとした死刑」であって死刑よりも残虐な刑との疑問を提起されていて慎重な検討が必要です。また、絶対的無期懲役である終身刑を言い渡すことは、本来行政作用に属している仮釈放の許否の判断を司法作用を担う裁判所に委ねることとなり、その点も問題でしょう。

 現在は、かつてと異なり、無期懲役受刑者が仮釈放になるまでの服役期間が非常に長くなってきています。そのまま獄死する人の人数も相当数になっているということです。その意味では、実質的に絶対的無期懲役となるような運用もされているといえるでしょう。

元記事

終身刑は有期懲役である?

関連情報

第13回 拘置所生活の始まり(ある弁護士の獄中体験記)
GPS捜査(想うままに ー弁護士日誌から)
振り込め詐欺で振り込んでしまったお金を取り戻すには?(なっとく法律相談)

法、納得!どっとこむの記事一覧をみる ▶
  • 誤字を発見した方はこちらからご連絡ください。
  • ガジェット通信編集部への情報提供はこちらから
  • 記事内の筆者見解は明示のない限りガジェット通信を代表するものではありません。

TOP