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第14回 独居内のこと(その1)

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 現在では、「独居」は「単独室」、「雑居」は「共同室」と呼ばれている。その「独居」はどのようになっているのかを説明しよう。

 左側にスライドすると、いかにも頑丈ですと言わんばかりの5センチほども厚さのあるドアを入ると、横長に琉球畳(縁なし畳)が3枚敷かれているから3畳である。寝起きするだけの面積としては、十分なものである。

 突きあたりの壁は、上半分が鉄格子付の窓となっていて、窓ガラスが2枚入っている。一方ははめ殺しで動かない。窓の開閉は、窓枠が歪んでいるせいか、なかなかコツがいる。冬には、きちんと閉まらないので隙間風が入ってきてかなりの寒さとなる。しかも、窓の下には通風孔があるのだが、これまたきちんと閉まらない。感覚的には、真冬には冷蔵庫の中にいるようであった。寒さだけは辛かった。隣の3室の人は、いつもどてらをきっちりと着こんでいたほどの寒さである。中には、ダウンジャケットを着込んでいる人もいる。部屋の中でそのようなものを着ているなど、普通では考えられない。それほどの寒さなのである。

 窓の向こうは、フットサル競技場程度の大きさの中庭があり、その向こうには高い塀がデンと控えている。塀のさらに先は、刑務所区域である。それほど広くではないが、青空が見えるのがよかった。灰色の壁しか見えないのでは気が滅入ってしまう。

 突きあたりの窓と畳との間には、1畳分弱ほどのスペースがある。入り口側から見て右半分は板敷となっていて洋式トイレが設置され、左半分はコンクリートが打ってある状態で簡易な洗面台がある。この洗面台は、排水管がどのようになっているのか不明だが、毎朝小さい虫が上がってきて、かなりの数で蠢いている。仕方なく、就寝前には、石鹸でよく手を洗い、ついでにその石鹸水をたっぷりと排水管に流し込み、さらには、ティッシュで栓をしておいた。

 洗面台に向かって左斜め上の壁には2段式の私物整理棚が備え付けられている。さほど大きくないもので、いろいろな備品もあることから、本類は、そこではなくカゴの中で保管していた。

 私物整理棚の下にはタオルを掛けるためのハンガーがついている。子供が学校で使っていた学校の名前が入ったタオルを掛けていたが、それを見るたびに、家族のことが思い出され、疑われるという落ち度はあるものの、「馬鹿検察官が!」と内心で毒づいていた。

 トイレ側から出入り口方向を見ると、出入り口右側の真ん中あたりに、幅が40~50センチ、高さが70~90センチほどの空いた部分があり、鉄格子が嵌められている。居室側からは上下に動く透明のスライド板で閉じることができる。その鉄格子は、下の15センチ程のところまでは伸びておらず、その鉄格子のない部分から食器等の出し入れをするのだ。

 その出し入れ口から居室内に向かって、ノートパソコンくらいの大きさのステンレス製の台が付けられている。ここに食器等が置かれることになる。この下あたりに、私物が入ったかご(2回目は旅行バック)を置く。

 出入り口を入って右側の壁には、フックが取り付けられており、そこに布きれがいくつかぶら下がっている。「片布」(へんぷ)というものであって、これは後日詳しく説明をするが、洗濯物に取り付ける布で「上独2」と書かれている。

 さらにフックにはプラスチック製のハンガーも掛かっている。スーツはここに掛けておくことになる。(つづく)

元記事

第14回 独居内のこと(その1)

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