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なぜ童謡でお馴染の「アイアイ」は地元で嫌われているのか

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Photo credit: aye-aye lemur by GreenAnswers.com via Flickr (license)

「アーイアイッ♪」というあの童謡でお馴染のアイアイ。皆さんは実際に本物のアイアイを見たことがありますか? 実はその容姿や生態は、陽気な童謡とは似ても似つかないものなのです。

歌詞の通りサルの仲間ではありますが、実物の姿を見ると「サルというよりはコウモリ」といったような印象を受ける、少し不気味な姿をしています。

その容姿や生態などから、発見当初は「げっ歯類」や「有袋類」など、様々な説が存在しました。霊長類と分類される決め手となったのが乳歯の特徴からだそうです。このような歴史があるように、アイアイを初めて見た人はサルの仲間とはとても思えなかったのでしょう。

アイアイの生息地

生息地は「みなーみのーしまのー」と歌われていますが、その南の島とはマダガスカル島のこと。アフリカの東岸のインド洋に浮かぶ、日本の国土の1.6倍もの大きさの島で、島全体がマダガスカル共和国という独立国になっています。アイアイの生息地はこの島のマングローブなどの森の中です。

生態は雑食性で、昆虫や果実の胚乳、花の蜜、樹皮やキノコなど様々なものを食べます。このときに活躍するのが、独特の細長い中指です。アイアイは歯で木の幹や木の実に穴を開け、そこからこの中指を使って、中にいる虫や果実をほじくりだして食べるのです。

アイアイは夜行性。暗闇の中で光る身体の割に大きな目、そして黒い体毛に覆われた体長40センチから50センチほどの小さな身体、そんな生物が折れ曲がった細長い中指で餌となる虫などをむさぼり食っている姿は、まるで悪魔のようだと言う人もいます。さらに、木の幹に潜む虫を発見するために、中指で木をたたく「タッピング」という行為をしながら、木に耳を近づけて音を聞きとるという行動は、ますます不気味さを感じさせるそうです。

事実、生息地であるマダガスカルの住民の間ではアイアイは悪魔とみなされています。その長い中指で指さされることは壮絶な死を遂げる宣告であるという伝説まであります。そのため意外にも地元住民には嫌われており、住民は見つけ次第殺してしまうそうです。好奇心が旺盛で、アイアイのほうから人間に近寄ってくるということもあるので、不幸な関係に拍車をかける結果となってしまっています。

そんなアイアイですが、不吉の象徴として殺されてしまうほかにも、近年では害獣として駆除されることも多く、生息地を奪われて絶滅の危機に瀕しています。つまり、今では私たち人間がアイアイに死の宣告を下すようになってしまったのです。童謡で陽気に歌われる「アイアイ」にはこのような悲しい事実も存在しているというのは、なかなか日本にいては気が付けないことなのかもしれません。

(ライター:Anna Shimizu)
Photo by: aye-aye lemur by GreenAnswers.com via Flickr (license)

マダガスカルの旅行記はこちら

*Masa Yoshimura「Madagascar
*Shikata Takuo「夢中で散策したバオバブ並木道-マダガスカル

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