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戦後70年、手塚治虫が『アドルフに告ぐ』で伝えたかったこととは

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 戦後70年を迎える今年、演出家の倉田淳さんを除いてすべて男性だけで構成されている演劇集団「劇団スタジオライフ」が、手塚治虫さんの同名漫画が原作の舞台『アドルフに告ぐ』を再演します。同作は2007年に初演し、今回が8年ぶりの再演です。

 手塚治虫さんの晩年の最高傑作『アドルフに告ぐ』は、「ユダヤ人を弾圧しているヒトラーに、実はユダヤ人の血が流れている」という秘密文書をめぐる、壮大な歴史サスペンス。

 第2次世界大戦中の日本とドイツを舞台に、日本人女性とドイツ総領事館職員との間に生まれた日独ハーフのアドルフ・カウフマン。神戸に亡命してきたユダヤ人のアドルフ・カミル。そして独裁者アドルフ・ヒトラー。同じ「アドルフ」という名前を持つ3人が主人公となっていますが、『トーマの心臓』で知られる漫画家の萩尾望都さんは、文春文庫―ビジュアル版『アドルフに告ぐ』2巻の解説で、3人のアドルフのうち、最も心惹かれたのは、アドルフ・カウフマンだと述べています。

 父親の意志で最愛の母から引き離され、生まれ育った日本からドイツに送られたアドルフ・カウフマンは、ナチスの青少年組織「ヒトラー・ユーゲント」で教育を受け、やがてナチズムに傾倒し、悲劇的な運命に翻弄されていきます。

 手塚治虫さんは、カウフマンに最期「おれの人生は一体なんだったんだろう。あちこちの国で正義というやつにつきあって。そして何もかも失った…肉親も…友情も…おれ自身まで…おれはおろかな人間なんだ。だが、おろかな人間がゴマンといるから国は正義をふりかざせるんだろうな」(同書より)と語らせています。

 演出家の倉田さんも、同作の製作発表で「カウフマンのセリフ『おれの人生は一体なんだったんだろう』という思いを誰にもしてほしくない。遠くに軍靴の音が聞こえてくるような今の時代だからこそ、上演させていただく意味があると思います」(6月12日の製作発表会見より)とコメント。戦後70年の今年、手塚治虫さんが同作で伝えたかったことが、舞台上でどのように表現されるのか、見逃せないものとなりそうです。

【関連リンク】
劇団スタジオライフ公式サイト
http://www.studio-life.com/
『アドルフに告ぐ』 公演情報
東京公演 
2015年7月11日(土)~8月2日(日)紀伊國屋ホール
大阪公演
2015年8月22日(土)~23日(日)梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ

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