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「世界No.1レストラン」が決定!その裏で選考基準に異議を唱える声も・・・

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イギリスの『レストラン・マガジン』が主催する「世界のベストレストラン50(以下Best 50)」の授賞式が、2015年6月1日ロンドン・ギルバートホールで開催されました。世界の有名シェフ、料理評論家らが選出した世界一のレストランは、スペイン・ジローナにある「El Celler de Can Roca」。同店は3年連続での受賞となります。

この発表の裏で、ある抗議活動が行われていた事実を米メディア「QUARTZ」のライターMaria Sanchez Diez氏が記事で伝えています。どうやら曖昧な選考基準に疑問の声が。

 

Posted by Celler de Can Roca on 2013年4月30日

 Reference : El Celler de Can Roca

2002年より開催されている「Best 50」は、レストランの評価を星の数で表わす『ミシュランガイド』や、パリのグルメガイド『ピュドロ』となどのレストランガイドと並び、今や世界のフードビジネス業界が注目する一大イベントです。
レストランの名誉をかけたこのランキングに、今年ひとつの議論が巻き起こりました。「Occupy 50 Best(以下Occupy 50)」と名付けられた、ウェブ上の小さな抗議活動が「Best 50」の投票方法を疑問視し、一部の審査員メンバーの利害関係に疑惑を投げかけたのです。

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「Occupy 50」が疑問視したのは3つの不明瞭な点。
①フード業界に精通したシェフやエージェントが「Best 50」の審査員に含まれていたこと。
②審査員の選定基準が不明瞭であること。
③彼らが実際に投票するレストランで食事をした証明となる、レシートなどを提出する必要が一切ないということ。

この活動の発起人の一人、パリに拠点を置くPRスペシャリストのZoe Reyners氏はこう述べています。

「審査機関と審査員たちにプロフェッショナルとして、透明性を確立するよう求めて抗議しているんです 」

彼女の抗議活動は、選定方法の不満から審査員の資格を2013年に放棄した、アルゼンチン人シェフのFrancis Mallmann氏はじめ、疑問を抱く世界各地のシェフへと飛び火。結果的に400以上の署名入り嘆願書が彼女の手元に集まりました。
陪審員は「どのように構成されるべきか」「どう改善されるべきか」など、コンペティションの公平性を求める内容がズラリ。

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ランキング形式の「Best 50」は約1,000人の料理評論家、シェフ、世界中を飛び回る美食家、および食品業界の専門家らによって選定されます。審査員に投票理由の解説などは、とくに義務づけられていないんだそう。
参考までに、1930年代よりレストランを星の数で格付けする方式を確立させた『ミシュランガイド』の選定方法は、匿名による覆面調査が基本です。料理はもちろん、テーブルの装飾やレストランの雰囲気まで、詳細なレポートの収集によって評価の星を決定しています。

「San Pellegrino」「LAVAZZA」などの大手食品メーカーがスポンサーに名を連ねる「Best 50」側は、陪審員の匿名性を保護する目的で、選考方法については表明していません。ですが、審査員は自分がオーナーのレストランや、投資に関心のあるレストランに投票することは、もちろん許可されておらず、その点については明確なルールがあることを強調しています。

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にもかかわらず「Best 50」の審査員のなかからも、今回「Occupy 50」が提起した論点に同意する声も上がってきました。スペイン料理評論家のJulia Pérez氏は「Quartz」の取材に対してこう語ります。

「このランク付けは“不透明さ”ということにおいて深刻な問題がありますね」

彼女が匿名で投票した7つのレストランも、選考が自身の主観に基づいたものだったことを認めています。「Best 50」に明確な評価基準がないことも選考を曖昧にしている要因だと、Pérez氏も今回の投票で感じたそう。
確かに、現実的な数字に目を向ければ、今年も「Best 50」にランクインしたレストランの58%は、西ヨーロッパからの選出に偏っています。

とはいえ、こうした格付け評価における選考の不透明性は、なにも「Best 50」に限った話ではありません。一日の長がある『ミシュランガイド』だって同じ。新人の審査員に向けて6ヶ月の研修プログラムが用意されてはいるものの、そこはあくまで人間の評価。料理の良し悪しや接客マナー以外にも、付加要素が無いとは言い切れません。

つまり、人間が評価する限り、ある程度主観に頼らざる得ない部分も当然あるわけです。

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輝かしい発表の裏で起きた今回の騒動ですが、Pérez氏だけでなく評論家のなかには、料理界に新しいトレンドをつくろうとする「Best 50」を高く評価する声も。

「好き嫌いは別にしても、50ものレストランをランク付けするシステムは、ガストロノミー界を大きく揺さぶっていることは、紛れもない事実。まさに世界中の美食家たちが求めていたことで、旧態依然のヨーロッパが、古いしきたりから脱却しようとしている証拠です」

「本当に美味しいレストランがどこなのか」。よりバランスの取れた選考を求める人の声が少なくないのは、注目度の高さの表れでもありますね。

Licensed material used with permission by QUARTZ

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