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ベテラン政治学者が感じた野中広務の「凄み」

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 政治家と一口にいっても、その個性はさまざま。しかし、日々多くの風評が飛び交うなかでは、それぞれの政治家が実際にどのような人物なのかを見極めることは、なかなか難しいのではないでしょうか。

 TBSの政治系座談会番組「時事放談」の司会を務めるほか、実際に政治家たちに取材を試み、「五感を全開にして対座している政治家の発するオーラと周辺の空気を感じ」とってきたという、政治学者の御厨貴(みくりや・たかし)さん。

 本書『政治の眼力 永田町「快人・怪物」列伝』では、総勢25人の現代を生きる政治家たち――麻生太郎、山口那津男、谷内正太郎、菅義偉、甘利明、安倍晋三、古賀誠、野中広務、脇雅史、細田博之、高村正彦、二階俊博、石破茂、細野豪志、岡田克也、岸田文雄、谷垣禎一、小渕優子、舛添要一、仙谷由人、与謝野馨、小沢一郎、森喜朗、小泉純一郎、福田康夫――に注目。

 実際のところ、上記の政治家たちはどのような人物であるのか、具体的に評されていきます。

 対面してみなければわからない、それぞれの政治家の姿。たとえば御厨さんは、引退した現在においてなお、現役時代の「政界の狙撃手」との名を他に譲ることない野中広務さんの様子を「風圧を感じさせる人だ。向こうから歩いてくる時に、彼の動線ははっきりと見える。何につけても闘おうという構えを崩さない人だけに、その姿がこちらの視界に入ると思わず緊張する」と表現します。

 25歳で京都府・旧園部町議に当選して以来、町議7年半、園部町長8年、京都府議11年半、京都府副知事4年、そして衆院議員を20年務めてきた野中さん。闘う野党精神に貫かれた、野中さんの政治に対する姿勢は、「調整」という言葉ひとつにも垣間見えるのだといいます。

「野中は政治家の『調整』は、相互に自らの主張をぶつけてやり合う、それはもうケンカなのだと述べる。立場の違いを承知しながら、ケンカをし、ケンカをしながら落としどころを探るというわけだ。それは当然激しいツバぜり合いの繰り返しとなる。(中略)『調整』はテレビに映されるキレイゴトではない。日常茶飯事のケンカ腰の説法の中で、お互いの人生観、生き様をぶつけ合いながら行われるのだ。まさに一期一会の真剣勝負」(本書より)

 政治家とは摩訶不思議で厄介な存在だが、ふと見せるホンネの部分とタテマエの部分が相俟って彼等のチャーミングさを醸し出している、と語る御厨さん。本書では、25人の政治家たちの、まさにホンネ部分に迫った一冊となっています。

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