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知らぬ間に住民票が異動、発端はネットでのバイト申し込み

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アルバイト申込時の身分証を悪用し住民票上の住所を勝手に異動

アルバイトの募集に申し込み、その際に所定の身分証明書(運転免許証のコピー)を提出した人が、住民票転出の郵送制度を悪用され「住民票上の住所を勝手に異動されていた」ということがニュースになっています。

まず、そんなことが勝手にできてしまうことに驚いた人も多いのではないでしょうか。転出の場合、引っ越し先から手続きが行える便宜のため、郵送での届出が可能です。その際、本人確認のため運転免許証やパスポートの写しなどを同封しなければいけません。しかし、逆に言うと、そういった身分証明証の写しさえ手に入れば、誰でも他人の転出の手続きを無断で行うことができてしまうというわけです。

法定刑は5年以下の懲役又は50万円以下の罰金に

当然、前述のような行為は違法です。電磁的公正証書原本不実記録罪(刑法157条1項後段)という罪になり、法定刑は「5年以下の懲役又は50万円以下の罰金」です。またこういうことをする人は、転出させるだけにとどまらず、住民票等を何らかの目的で使うケースがほとんどでしょうから、その場合、同供用罪(同法158条1項)も成立します。

さらに、他人の住所を無断で異動させる場合、転出先で住民票を取得し、それを用いて他人に成りすまし「実印を作りお金を借りる」「金融機関で通帳を作る」などの目的が伴うことが多いと思います。そうすると、有印私文書偽造(同法159条1項)、同行使(同法161条1項)、詐欺罪(同法246条1項)も成立します。

運転免許証のコピーを他人に渡しただけでも共犯に問われることも

冒頭の事例では、アルバイト先から運転免許証のコピーが流出したということのようです。そうであれば、アルバイトの募集自体が不特定多数の運転免許証のコピーを得るための偽情報だったことも予想されますので、偽アルバイトの募集を行って運転免許証のコピーを他人に渡しただけの人も、共犯に問われる可能性があります。

また、アルバイトの募集は正当なもので、たまたま管理が悪いなどの理由で運転免許証のコピーが他者へ渡ってしまったという場合でも、民事上の損害賠償責任は免れないでしょう。

個人情報の取り扱いには十分に注意を

住民票や印鑑証明証などは、普段必要ない限り確認することはありません。人によっては何年もチェックしていないのではないでしょうか。運転免許証などの写しを他人に渡した覚えがある場合は、念のため確認しておいた方がいいかもしれません。

個人情報保護法が成立して10年以上が経過し、昔に比べれば個人情報に関する意識が高まっているように感じられます。個人情報を扱う場合は、情報の流出により、思いもよらない損害賠償を請求される可能性を念頭に置き、取り扱いには十分に気をつけください。

(河野 晃/弁護士)

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