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18歳選挙権実現のきっかけとなった特区提案

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18歳選挙権がようやく実現し、来年夏の参院選から適用されることになった。
このタイミングで実現したのは、憲法改正のための国民投票制度整備と連動したことが大きかった。

しかし、忘れてはならないのは、この実現に向けて、長年にわたり、地方自治体からの突き上げがなされていたことだ。

地方自治体の住民投票では、2000年に田無市・保谷市(現・西東京市)の合併に際しての市民意向調査で18歳以上に投票権が与えられた頃から、独自に未成年に投票権を与える動きが広がった。

また、2003年には、北本市が構造改革特区提案として、特区内で公職選挙法の特例を設け、選挙権・被選挙権年齢を引き下げることを提案し、その後、他の自治体も追随した。

その後、2013年、国家戦略特区提案の中でも、相馬市長などが賛同者となって(提案主体は任意団体万年野党)、特区内での選挙権・被選挙権年齢の引下げが提案されていた。

こうした地方自治体での動きの積み重ねが、国を動かし、今回の制度改正につながった面は小さくない。

自治体から国に対する働きかけとしては、陳情や意見書提出といったものがありがちだが、独自制度の導入や特区提案はしばしば、それ以上に大きな効果を持つ。

これは、単に国に「お願い」しているのでなくて、自ら制度を導入する、あるいは、国が特例を認めてくれさえすれば独自制度を導入する姿勢を示すという意味で、覚悟を伴った動きだからだ。

本件のように、自治体からの特区提案を受けて、特区内での特例措置という形ではなく、全国的な制度改正がなされることも、しばしばあることだ。

地方行政関係者からは、「特区提案を行なっても、国の対応が鈍く、なかなか実現しない」といった声を耳にすることがある。だが、提案する側が本気で、練られた内容の提案を行なっているのかどうかも問題だ。

本件のような成功事例も少なからずあるのだから、国の対応を言い訳に、簡単にあきらめるべきではない。

また、地方から国に提案できるのは、首長部局だけではない。

地方議会も提案主体となることができるし、過去にはそうした例もある。

2004年に草加市議会、2010-11年に半田市議会の会派が、構造改革特区提案として、自治体における議院内閣制型への移行などを提案したことがある。

これらはまだ実現されていないが、こうした提案も、簡単にあきらめることなく、続けていくことが重要だ。

今回の18歳選挙権をきっかけとして、さらに、地方から国を突き動かす取組が広がっていくことを期待したい。

(地方議会ニュース編集部 菊岡 無粋)

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