夜回り先生が語る、17歳で他界した少女”アイ”の壮絶な生涯

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夜回り先生が語る、17歳で他界した少女”アイ”の壮絶な生涯

 少年少女の非行を食い止めるため、夜の繁華街を見回り、”夜回り先生”として知られる水谷修さん。講演会のため日本全国を飛び回っている水谷さんですが、そこで毎回のように話す、”アイ”という少女の物語をご存知でしょうか。

 親のひとことから、中学校1年生で非行に走ったものの、水谷さんと出会ってから更生します。しかし念願の高校進学がかなった矢先に、エイズを発症。17歳の若さで亡くなった”アイ”の一生は、講演会で話されるたびに、多くの人が涙するそうです。

 本書『約束』は、そんな”アイ”こと亜衣さんの生涯を綴った1冊。死が目前に迫った亜衣さんは、水谷さんに以下のように言い残していました。

「私のこと、先生の講演で話して。特に、私の後輩たちに。亜衣っていうばかな女の子がいて、親のひとことでふてくされ、中1から派手な格好で夜の世界に入った。夜の世界で乱暴され、からだを売らされ、エイズになった。そして、もだえ苦しんで死んでいったことを、みんなに伝えてほしい」(本書より)

 水谷さんは約束通り、講演会ではいつも亜衣さんのことを話しました。その一方で、亜衣さんとのもう1つの約束”亜衣さんの生涯を、文字にして遺すこと”については、彼女の両親の反対もあり、長いこと果たされないままでした。しかし、亜衣さんの死から10年後、初めて水谷さんの講演会に足を運んだ家族は考えを改めます。会場で、彼女の物語に熱心に耳を傾け、最後には涙を浮かべる人々の姿を目の当たりにし、水谷さんの話のなかで、亜衣さんが生き続けていたことを実感したのです。

 亜衣さんの父親は、講演を聴いた後、「先生の想い出のままに、亜衣のことを文字にして遺してやってください。講演会にこられない人のために、本にして伝えてほしいのです」(本書より)と訴え、10年以上の時を経て、1冊の本として世に出すことを承諾しました。

 本書の「終わりに」で、「お願いです。亜衣のことを他人事と思わないでください」と語りかける水谷さん。半生のほとんどを、少年少女の非行・薬物問題に捧げた水谷さんのこの言葉は、とても重く、そして深く響いてきます。

【関連リンク】
日本評論社ウェブサイト『約束』のページ 
http://www.nippyo.co.jp/book/6852.html

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