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【対談】『マッドマックス』ミラー監督×『極道大戦争』三池監督 「(ヤヤン・ルヒアンは)彼かい?」「それは日本の俳優で、市原隼人といいます(笑)」

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オーストラリアからハリウッド映画の頂点まで昇りつめたジョージ・ミラー監督と、日本から世界に挑み続ける三池崇史監督。エンターテイメント性と作家性を併せ持ち、独自の世界観にこだわり続ける両者の“初対談”が実現しました!

ミラー監督が手掛ける伝説のバイオレンス・アクションシリーズが30年ぶりに復活した『マッドマックス 怒りのデス・ロード』は、全編にわたって文字通りノンストップのアクションを展開。一方、ヤクザ・ヴァンパイアの壮絶な戦いが繰り広げられる三池監督の『極道大戦争』は、原点である“Vシネマ・スピリッツ”へと回帰したアクション大作です。

奇しくも6月20日(土)に同日公開となる両作品。対談はジョージ・ミラー監督のお茶目な姿と、憧れの人に対面した三池監督の興奮気味な様子が伝わる内容となっています。

三池ワールドに興味津々のジョージ・ミラー

ジョージ・ミラー監督(以下、ミラー):(マッドマックス仕様のKAERUくんを見て)コイツはなんていう名前だい?

三池崇史監督(以下、三池):“KAERUくん”です。

ミラー:ミスター・フロッグ!? ファンタスティック! このキャラクターのアイデアはどこから生まれたんだ?


三池:日本には“ゆるキャラ”というのがありまして(笑)。『極道大戦争』は偉そうなことを言う映画じゃないので、ゆるキャラを主役にしたんです。『ザ・レイド』というアクション映画に出演していたヤヤン・ルヒアンも、この映画に出てくれました。


ミラー:(『極道大戦争』の資料を見ながら指さして)彼かい?

三池:いえ、それは日本の俳優で市原隼人といいます(笑)。

――実は『マッドマックス 怒りのデス・ロード』と『極道大戦争』は同じ6月20日に公開されるんです。

ミラー:なに、本当か?

三池:はい、『マッドマックス』の影に隠れて公開されます(笑)。

――『極道大戦争』は三池監督が久々に原点回帰したアクション映画です。

ミラー:私と一緒だな!

三池:本当はトム・ハーディと一緒に仕事をする予定だったのですが、クランクイン直前に彼の都合でできなくなって、自分のスケジュールが空いたんです。それで、何かやろうと思って作ったのが『極道大戦争』です。

ミラー:どうりでミスター・フロッグがトム・ハーディに似ていると思ったよ(笑)。

三池:今年のカンヌ映画祭で『マッドマックス』がワールドプレミアで上映されましたよね? 『極道大戦争』もカンヌの監督週間で上映されたんです。やっぱり常に僕の映画は『マッドマックス』の影にいるなと思って(笑)。

ミラー:カンヌは楽しかったかい?

三池:今回は新作を撮っていたので行けなかったんです。それで、せっかく来ていただいたお客さんへのお詫びに、僕が着物を着て女装したカードを配ったんです。


ミラー:これは映画の中で三池監督が演じた役かい?

三池:いえ、僕は出てないんですが、せっかく集まってもらった皆さんに、すいませんという気持ちをこめて作ったんです。

ミラー:……とってもキレイだよ(笑)。

三池監督が感じる『マッドマックス』の影響力

三池:僕は若いころジョージ・ミラーさんにすごく影響を受けたので、今回、こういう場を設けてもらって、とても光栄に思っています。『マッドマックス』シリーズのファンだった自分が今こうしてミラーさんとお会いして、マックスを演じたトム・ハーディとも仕事の打ち合わせをしていた。そんな繋がりが生まれるのが、映画の持つ力だと感じています。

ミラー:そう、新たに『マッドマックス』を作ったおかげで、三池監督をはじめ世界中のフィルムメーカーから嬉しい言葉をもらえた。私も良い作品に出会うと非常にエネルギーをもらえる。この映画が皆さんからそういう言葉をもらえる作品になったのが、本当に嬉しいね。

三池:作品そのものも非常に楽しんだし、最高に興奮したんですが、同時に僕ら映画を作る人間からすると、『マッドマックス』を観てしまうと世界中の映画人は物を作れない理由を状況のせいにできなくなったなと思ったんです。「作るか、作らないかだけ。それはアナタの問題だ」と、ミラーさんからエネルギーをがんと突きつけられたような気がしました。

ミラー:1週間前にスティーブン・スピルバーグから電話をもらって、同じようなことを彼もすごく興奮しながら言っていたんだ。私もスピルバーグをはじめロバート・ロドリゲスやJ・J・エイブラムスといったアメリカのフィルムメーカーからエネルギーをもらって、もっと映画を作りたいという気持ちになったからね。

三池:ただ、最近の僕は最初に映画を撮りだした頃の情熱はまだあるつもりなのですが、自然と湧いてくるわけじゃなくて(笑)、自分で自分を焚き付けないといけなくなっているところがあるんです。

ミラー:映画を作り始めたときは、みんな熱意と情熱だけだったからな!

三池:そうなんです。今回の『マッドマックス』を観て、これから映画を続けるには、辞めるか原点に戻ってもう一回ゼロからやるか覚悟しなきゃいけないと思いました。

ところで、映画の中で「この演出は僕にもできる!」っていうのが一つだけありました。

ミラー:どこだい?

三池:(頭の後ろに手をやって鉄仮面を取り外そうとする仕草をしながら)カシャカシャカシャってやつです。

ミラー:ハハハハ!!!


三池:トム・ハーディが装着させられた鉄仮面を外そうといつも手を動かしているのは、脚本にも書かれていたんですか?

ミラー:そう、初めからあった設定なんだ。とにかくマックスは自由になるために脱出しようとしているので、あの顔を覆う仮面が相応しいと思ったんだ。

三池:あれはヤスリさえあれば僕の映画でもできる(笑)。あれ以外は、とても自分には撮れないと思いました。

ミラー:三池監督なら他のシーンも撮れるさ!

固い握手を交わして対談を終えた三池監督は、「KAERUくんのことを聞いてきたり、好奇心の塊みたいな人でした。そのエネルギーがすごいなと思いましたね。自然体でカッコいい人ですよ」とコメント。

「日本と違って、ハリウッドで監督していくのは作品をプロデュースしていく力が重要なんですよね。いろんな人間たちを選んで良い仕事をさせる環境を作るというのが監督にも求められる。バジェットが広がれば広がるほど、その能力が重要なんだろうなと思います。ミラーさんみたいにクレバーじゃないとできない。それで『マッドマックス』を作るんだから、狂気を感じますよ(笑)」とミラー監督の印象を振り返りました。

<関連インタビュー>
「私は好奇心に動かされて生きている」いよいよ公開! 『マッドマックス 怒りのデス・ロード』ジョージ・ミラー監督インタビュー
http://getnews.jp/archives/1006249[リンク]

映画『極道大戦争』三池崇史監督インタビュー 「お疲れでしょうから、たまにはこんな映画もどうぞ(笑)」
http://getnews.jp/archives/945631[リンク]

ガジェット通信:『マッドマックス 怒りのデス・ロード』特集ページ:
http://getnews.jp/madmaxfuryroad

映画『極道大戦争』公式サイト:
http://www.gokudo-movie.com/[リンク]

(C) 2014 VILLAGE ROADSHOW FILMS (BVI) LIMITED
(C) 2015「極道大戦争」製作委員会
写真:金井尭子

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記者:

PR会社出身のゆとり第一世代。 目標は「象を一撃で倒す文章の書き方」を習得することです。

TwitterID: stamina_taro

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